投資ファンド向けの分散型台帳プラットフォーム
ヨーロッパの大手金融機関が共同で、投資ファンド向けにブロックチェーンベースのプラットフォームを立ち上げることが分かった。
金融セクターをさらにデジタル化し、資産管理業界で資金の分配をより円滑にすることを主な目標とする。
プラットフォームの名前は「FundsDLT」、元々はルクセンブルク証券取引所とその関連会社であるFundsquareが開始したプロジェクトだ。
クリアストリーム、クレディ・スイス・アセットマネジメント、ルクセンブルグ証券取引所、ナティクシス・インベストメントマネージャースが協力して構築しており、今回シリーズA投資ラウンドを発表した。
FundsDLTのプラットフォームは、イーサリアム(ETH)ブロックチェーンに基づいており、資産管理者、ディストリビューター、資産サービス提供者、サプライチェーンのそれぞれがコストを削減できる。
コスト削減は、余分なアクティビティを削除することによって達成される。その際は、投資家が必要とする透明性が確保され、デジタル形式での資金分配が可能となる。
JPモルガンのQuorum(クオラム)も採用
今回のプロジェクトは仮想通貨資産へのアクセスを提供するものではなく、既存の仲介業者によって既に提供されているサービスを、さらに効率よく提供するためにDLTを用いるものだ。
例えば、クリアストリームは、今回の投資を同社デジタル戦略における重要なステップと位置づけ、既存の投資信託サービスVestimaを補完・強化すると話した。
クレディ・スイス・アセットマネジメントの担当者は、この分散型台帳技術(DLT)およびスマートコントラクトを使用して、登記、アカウント管理、トランザクション処理などを行うと述べた。
このシステムはイーサリアムを基盤とするが、プライバシーとパフォーマンスを確保するためにJPモルガンの開発するブロックチェーンQuorum(クオラム)も使用するという。
FundsDLTの立ち上げは、金融業界全体でブロックチェーンとデジタル資産の採用を促進するという共通の目標に向けた重要な一歩だ。(ルクセンブルク証券取引所ロバート・シャーフCEO)