はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

PlanB、2017年のビットコイン先物「価格操作論」を否定

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

PlanBが説明:ビットコインはCME先物に『操作』されず

1BTC=20,000ドルの過去最高値を記録した2017年12月。

米大手デリバティブ取引所CMEのBTC先物ローンチと時期を重ねるようにして、ビットコイン(BTC)相場は急落した。米国金融機関CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)、CBOE(シカゴ・オプション取引所)は2017年12月、相次いでビットコインの先物取引を導入している。

「BTC先物は、価格の透明性や業者のリスク管理を向上させること等を企図しており、株式や国債など幅広いアセットクラスで先物市場があることに鑑み、仮想通貨市場の成熟のため先物の導入が求められたと」いう背景がある。

機関投資家など大口の参入や先物のショート(空売り)のしやすさ等が一因となり、過熱していた市場が一斉に売りに傾いたとの見方も散見され、「先物市場の解禁が仮想通貨バブルを終わらせた」という説が取り沙汰されることとなった。

著名アナリストのPlanBは8日、CME先物の「価格操作論」について改めて異議を唱えた。同氏は、ビットコインの中長期的相場推移を「ストック・フロー比率(S2F)」のモデルを構築し、分析することで知られている業界の著名アナリストだ。

PlanBは、S2Fのモデルを用いて分析した結果、2017年末のバブル相場の終焉とCMEの先物開始とは無関係だと主張する。

BTC価格はCME先物に操作されていない。S2Fモデルでは、当時のBTC価格は平常通り、バンド内で推移していた

出典:PlanB

2017年ビットコインの状況

「操作」されていないとする理由に関しては、2015年〜2017年の間、ビットコインはすでに約100倍もの上昇率を記録しバブル相場にあったことを指摘。CMEのBTC先物取り扱い発表を受けた、市場の過剰期待にも言及した。

「CMEの発表が無かったとしても、遅かれ早かれBTCバブルは弾けていた」とコメントした。

出典:Tradingview

2019年5月には、財務総研が、ビットコイン先物と市場との相関性についても分析。財務省広報誌「ファイナンス」に掲載した。

出典:財務総研

価格のトレンドが下がり始めた時期と、ビットコイン先物導入時期は時期を同じくしているが、財務省の研究レポート(Hattori and Ishida 2019)では、先物の導入とビットコイン価格の下落の間の相関関係を否定する分析結果を示した。

ビットコイン現物の価格に加え、ビットコイン先物の価格および取引高のデータを用い、先物の導入と現物価格の関係について、初となる実証研究を行っている。

S2Fで測る強気相場

PlanBの指摘を言い換えると、CME先物による機関投資家マネーの期待は思惑の1つにすぎない。2016年のBTC史上2度目の半減期がポイントになるという。PlanBのS2Fモデルでは、今回の3度目の半減期は、中・長期的な強気相場を再現できる一要因として予測されている。

PlanBのストック・フロー比率(S2F)

ストック・フロー比率(S2F)は、貴金属(金や銀)などの希少性と価値を測るモデルとして利用されるもの。ほとんどの商品は、生産量が急増することで市場流通量が急増し、価格が暴落する。一方、金などの一部の希少性が高い商品は、市場に存在する量に対して年間の生産可能量が小さく、供給過多によって価格が暴落することがない。

PlanBは、2009年12月から2019年2月のビットコイン相場データをもとに計算した、月々のBTCのS2FとBTCの時価総額をプロットしたところ、一定の規則性を発見。S2Fと時価総額の両方について対数をとり線形回帰を行うと、S2Fと時価総額の間に統計的に有意な結果が確認された。

半減期後、BTC時価総額は1兆ドル規模に達し、1ビットコインあたり55,000ドル(約600万円)を突破し得ると算出。2021年12月までに10万ドルに到達する公算が高いとみている。

関連:「半減期と仮想通貨ビットコインの高騰」なぜ一緒に語られる? ストック・フロー比率から算出する理論価格を用いて解説

S2Fモデル懐疑も

一方、S2Fモデルはあくまで、過去のビットコイン価格とS2Fの統計的傾向から理論価格を推測しているにすぎないことにも注意が必要だ。

このモデルはBTCの新規発行という「供給面」のみからの視点で分析を行っている。実際にはBTCの価格形成は需要と供給の両面によって成り立つものであり、「需要面」も考慮に入れる必要があると言える。

参考:PlanB

CoinPostの注目記事

ビットコインキャッシュの半減期後になにが? 2時間のブロック遅延も価格が上昇したワケ
仮想通貨ビットコインキャッシュ(BCH)は8日、実行ブロック630,000で初めての半減期を迎えたが、状況は穏やかではない。ビットコインキャッシュの半減期から一夜明けた9日、マイナー動向や価格推移の状況が見えてきた。
BitMEX、ビットコイン半減期後のハッシュレートなど「4つのシナリオ」を試算
最大手デリバティブ取引所BitMEXのリサーチ部は、約38日後に迫る仮想通貨ビットコイン(BTC)の半減期がもたらす、採掘業者の利益への影響とハッシュレートの関係性を試算。今後のシナリオについて4部構成で解説した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
06:50
アーサー・ヘイズ、FRBの新資金供給策RMPでビットコイン4年サイクル論が終焉と再度主張
著名トレーダーであるアーサー・ヘイズ氏がFRBの準備金管理購入プログラムを分析し、実質的な資金供給(QE)により仮想通貨ビットコインの従来の4年サイクルが崩れたとの見解を示した。ビットコインは2026年に20万ドルに向かうと予測。
06:20
仮想通貨の冬到来か、フィデリティ責任者がビットコインの2026年底値を6.5万ドル付近と予測
フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏がビットコインの強気サイクル終了の可能性を指摘し、2026年の底値を6.5万ドルから7.5万ドルと予測した。機関投資家の参入により従来のサイクル論が変化しているとの見方が広がっている。
05:45
米FRB、仮想通貨企業向け「簡易版マスターアカウント」開設に進展か
米連邦準備制度理事会が仮想通貨関連企業を含む適格機関に決済サービスへの限定的なアクセスを提供する「ペイメントアカウント」案についてパブリックコメントを募集開始。
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧