- 南アフリカの中央銀行による実証実験
- 南アフリカ中央銀行は、NYを基盤とするフィンテック企業ConsenSysと協力し、イーサリアムをベースにした「proof-of-concept(PoC)」を開発しました。
- デジタルトークンを発行
- さらに、インターバンク決済である「PoC」に電力を供給する独自の「デジタルトークン」を発行予定で、分散型台帳技術に関する”実用的な理解”を深めようとしています。
イーサリアムベースの銀行間送金
南アフリカの中央銀行は、イーサリアムベースのブロックチェーンで銀行間決済を再現するための新しいプロジェクト「proof-of-concept(PoC)」を実装しました。
公式発表によると、南アフリカの中央銀行(SARB)は、「プロジェクト:Khokha」を含む、新たなフィンテックイニシアチブを実装する予定です。
イーサリアムのコーダー集団であり、NYを基盤とするフィンテック企業である「ConsenSys」は、中央銀行の技術パートナーとして「Quorum(JPMorganおよびEthLabによって開発された企業ブロックチェーン)を使用した、大手法人向けの決済処理」を可能にします。
発表要旨:
『この計画の目的は、銀行業と協力して「proof-of-concept(PoC)」を開発することで、分散型台帳技術(DLT)の実用的な理解を深めることです。』
『PoCの目的は、DLTを用いて銀行間手形交換および決済を複製することです。それにより、SARBと銀行業はDLTの潜在的な有効性とリスクを共同で評価することができます。』
南アフリカ中央銀行の副総裁は、2017年8月の時点では、ブロックチェーンを有効とした中央銀行による仮想通貨の発行に関して「危険すぎる」と述べ、ブロックチェーン技術の研究・開発に反対していたようですが、今回の発表で大きく舵を切った格好となります。
南アフリカ中央銀行のデジタルトークン
また、南アフリカ中央銀行(SARB)は、シンガポールの中央銀行(シンガポール金融管理局)同様、独自のデジタルトークンを発行予定です。
シンガポール金融管理局は、銀行間ブロックチェーンプロジェクトのために、法定通貨(シンガポールドル)をイーサリアムのブロックチェーン上でトークン化(Project Ubin)した、という経緯があります。
南アフリカ中央銀行(SARB)は、
「”PoC計画”のローンチが、国の決済インフラのコア技術としてブロックチェーン採用を意味するわけではありません。」
「この実証実験により、ブロックチェーン上で(価値の転送を行う)デジタルトークン資産を使用することの本来の意義を理解できる可能性があります。」
としています。
尚、PoC実装の影響を受けた「公式レポート」は、2018年度の第2四半期に公開される見通しです。
South Africa’s Central Bank Launches Ethereum-Based Blockchain PoC
Feb. 15, 2018 by Samburaj Das
参考記事はこちらから