ETCが今年2回目となるハードフォークを実施
仮想通貨イーサリアムクラシック(ETC)の大型アップグレード「Pheonix」が、6月3日に行われる見込みであることがわかった。実行ブロック:10,500,839でハードフォークが行われる。
ETCラボとETCコア開発チームが、14日に明らかにしたところによると、このアップグレードで、イーサリアムとイーサリアムクラシック・ネットワークが初めて、完全な互換性を持つようになる。
イーサリアム・ネットワークとの互換性
現在、仮想通貨市場で時価総額19位のETCは、2016年、ハッキングにより大量のイーサリアム(時価50億円相当)が流出した「The DAO事件」をきっかけに、イーサリアムから分岐して誕生した。
ハッキング前のブロックまでチェーンを「巻き戻し」ハードフォークしたイーサリアムに対し、ETCは「コードは法である」として技術上必要なハードフォークのみしか認めないという理念を貫き、元来のイーサリアム・ブロックチェーンのマイニングを継続するとともに、独自の開発が続けられ、独立した別個のブロックチェーンとして現在に至る。
しかし、ETCラボのCEO、Terry Culver氏は、プロジェクトはそれぞれ独立して開発されているが、イーサリアムとイーサリアムクラシックは、依然として多くの目標を共有していると述べており、近年ではETCコミュニテイからの要望とも相まって、イーサリアムとの相互運用性が促進される状況が生まれている。
実際、ETCは昨年9月にイーサリアムの「ビザンチウム」対応アップグレードである「Atlantis」ハードフォーク、そして、今年1月には「コンスタンチノープル」対応アップグレードの「Agharta」ハードフォークを成功させ、イーサリアムとの互換性を高めてきた。
「Pheonix」でイーサリアムとの互換性が完成へ
「Pheonix」はイーサリアムの「イスタンブール」プロトコルへの対応をサポートするアップグレードで、イーサリアム仮想マシン(EVM)の機能を強化するため、2019年末よりイーサリアム・ネットワークで使用されているオペコードの追加が行われるという。
Culver氏は、昨年から3回目のハードフォークとなる「Pheonix」は、ETCの開発が着実に前進していることの証であり、コミュニティの総意が反映されているものだと語った。また、ETCの重要な転換点となるもので、今後、ETCコミュニティがより多くのイノベーションと協力を通して、ETCとETHの両コミュニティに、技術的な貢献ができるようになると述べている。
公式発表によると、現在、全てのテストネットにおいて、Phoenixアップグレードの実装に成功し、ETCコア開発チームがメインネットの起動に向けて準備を進めているとのことだ。