はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

成功裏にローンチしたイーサリアム2.0最終テストネット、開発者が起動前後の問題点を検証

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

https://imgs.coinpost-ext.com/uploads/2019/04/ethereum2_0418.jpg

最終テストネットのローンチについて検証

8月4日、2万人を超えるバリデーターが参加し、イーサリアム2.0の正式ローンチに向けた最終テストネットとなる「Medalla」が稼働した。ネットワークの立ち上げは成功したが、ローンチ最初期のバリデータの参加率が、ネットワークの健全性の指標を大幅に下回っていたことへの検証が行われている。

ソーシャルニュースサイト「reddit」のイーサリアムPoSコミュニティならびに、開発者によるオンライン・ミーティングで、今後の改善へつなげるべく、ローンチ時の問題点について議論が行われた。

redditイーサリアムPoSコミュニティ「Ethstaker」

議論が行なったETH2.0のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)についての情報が得られるredditのイーサリアムPoSコミュニティ「Ethstaker」は、Medallaローンチの問題点については次のようにまとめている。

予想よりクライアント参加率が低かった理由として考えられる三つのポイント

  • 古くなったバリデータ、もしくは設定を間違えたバリデータを作動
  • ノードの起動の準備が整っていなかったため、ビーコンノードがオフラインだった
  • テストネットでありがちなことだが、ステーキングのための入金を真剣に捉えておらず、バリデータを起動するプロセスを完了させていなかった

ローンチ前の数日間はクライアントを稼働するために多くの作業が行われており、特に多くのバリデータを稼働させているユーザーの中には、全ての準備が整っておらず、オフラインだった可能性が高いと思われるという。

メインネットでは非活動的なバリデータはネットワークから排除され、その過程でステーキングしたETHを失うことになる。一方、テストネットで使用されているトークンが失われても、バリデータの経済的損害はないため、テストネットローンチ時にはPoSのインセンティブが十分に機能していなかったと考えられる。

しかし、 ETH2.0プロトコルは上記のようなシナリオを想定して設計されているため、テストネットの立ち上げ時に、問題が起こることによって、今後の改善点を知る上でも有効だったとまとめている。

最終的には、多くのバリデータの成功がネットワークの成功につながる。Ethstaker掲示板は、「24時間ステーキングに関するライブサポートが受けられる最適な場所」であり、互助の精神に溢れているようだ。

ETH2開発者ミーティング

8月6日に開催された開発者ミーティングでは、ローンチ前およびローンチ後の問題について話し合われた。

ローンチ前の問題点

チームによるバイナリーの準備が完了していなかったなど、ステーキングを行うユーザーのためのローンチパッドに難があったことが指摘された。

ジェネシスブロック(ブロックチェーンの最初のブロック)は無事、予定通り生成されたが、ブロック生成前の短期間で修正が行われたり、ノード運営者がクライアントの更新を行わなければならないなど、多くの混乱もあったという。

また、一部のバリデータが、最低ステーキングの単位である32ETHを複数回にわたり、入金するなど(64ETH、96ETHのデポジットが発生)ステーキングの仕組みに対する誤解もあったようだ。

さらに、ジェネシスブロックが生成されるタイミングについては、48時間は短すぎると指摘。クライアントの更新リリースへの対応へ余裕を持たせるため、96時間もしくは1週間でも良いのではないかと提案がなされた。

ローンチ後の問題点

ブロックは生成されたが、バリデータの参加率が低いこと(52%〜58%)が明らかになった。一般的にネットワークの健全性が保証される最低参加率は70%と考えられているため、この参加率は、ネットワークの正当性とファイナリティ(決済の確定性)においては十分ではない。

一つには、クライアントであるLodestarとNimbusの、ブロック認証への参加が低かったことから生じており、参加率の差の約10%を占めたという。さらに、大規模なステーキングを保有するバリデータの5%がオフラインであったことも明らかになったが、そのうちの一人にコンタクトをとり、ノードは稼働している。

現在、テストネットワークは全体的に安定しているという。各エポックの参加率を確認できるサイト(https://beaconcha.in/epochs)では、概ね70%台後半を維持しているようだ。

また、前回のミーティング後にリリースされた現行のマルチクライアント・テストネット(v0.12.2)に続くv0.12.3がリリースされる可能性も示唆された。

その他、ミーティングではテストネットに参加しているクライアント、(Lodestar、Nimbus、Teku、Prysm、Trinity、Lighthouse)について、それぞれの状況が報告されたが、Prysmクライアントが大半を占めているため、ネットワークの健全性のためにも、クライアントのより均等な配分を望む声も聞かれた。

今後の展望

イーサリアム2.0のメインネットのローンチには、2~3ヶ月間、この最終テストネットが安定的に稼働することが条件となっている。

PoSシステムへの移行は、世界最大のスマートコントラクトプラットフォームを根底から変える。数年にわたり入念な準備が重ねられてきた待望の大型アップグレードを前に、イーサリアム財団は、ETH2.0のセキュリティ強化のための特別チームを発足させるべく、専門家の募集を行っている。

出典:Eth2 Implementers’ Call

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧