2020年7月 CoinGecko月刊レポート
CoinGeckoは、マーケット概観・DEX(分散型取引所)・DeFiトークンなどのトピックに焦点を当てた、2020年7月のマーケットレポートを公開しました。
本記事では、レポートから5つのスライドを引用し、データを基に7月の仮想通貨市場に関して振り返ります。
- 目次
1 仮想通貨市場の時価総額は2020年最高値の約33兆円を更新
7月、トップ30の仮想通貨の時価総額は2月の約30兆円(2,920億ドル)を超え、2020年の最高値を更新し約33兆円(3,190億ドル)規模に達しました。
トップ30の仮想通貨の時価総額は30%増加し、取引高は45%増加しています。この成長は、時価総額が2%減少し取引高が38%減少した6月の低迷ぶりとは対照的です。
2 ビットコインのマーケットシェア減少に対し、イーサリアムのシェアは増加
トップ30の仮想通貨市場のマーケットシェアにおいて、ビットコイン(BTC)はシェアを3%落とし、65.5%となりました。一方でイーサリアム(ETH)は1.9%増の12.2%と、上位30の仮想通貨の中で最大のシェア増加を記録しています。
加えて、テザー(USDT)は0.9%、リップル(XRP)は0.5%上昇しています。時価総額が2020年の高値を突破したと同時に、アルトコインがビットコインのマーケットシェアを奪い始めていることが分かります。
3 DEX(分散型取引所)の取引高は26億ドル増加し、中央集権型取引所の成長率を超える
7月の上位6つのDEXの前月比取引高は217%増の約4,000億円(37億ドル)となりました。中央集権型取引所(CEX)の取引高も同様に増加しましたが、41%にとどまっています。上位6位のDEXの成長率は、上位6位のCEXの伸びを5倍以上でした。
DEXのマーケットシェアは、先月と比較しUniswapが8%上昇して47%となり市場のほぼ半分を占め、かつCurveが24%、Balancerが14%と続きました。
7月は、Balancerが流動性マイニングを通してBALを発行・配布したことでシェアを約3倍伸ばしています。ただしその一方で、Bancor、Kyber Network、dYdXはシェアを落としました。
4 LENDは2020年最高月間リターンを更新。DeFiトークンは高騰を続ける。
7月もDeFiの成長は続き、Aave(LEND)は2020年に向けて最高の月間成長率(+137%)を記録し、2020年最も収益性の高い仮想通貨の1つとなりました(+1,779%)。
注目すべきは、DeFiトークンの成長率がビットコインやイーサリアムを含むトップ5通貨を上回っていることです。しかし一方で、流動性マイナーの継続的な売り圧によって、Compound (COMP)は価格を40%近く落とし、年間リターンは71%にとどまっています。
5 DeFiトークンの取引高は2020年最高値に到達
7月のトップ5のDeFiトークン取引量は先月の2倍以上の約2.5兆円と月間最高を記録しました。その増加分のうち、ChainLink (LINK)の取引高が82%を占めています。
トップ5のDeFiトークンのうち、Compound (COMP)、Aave (LEND)、Synthetix Network Token (SNX)の3つが730億円以上の取引高を記録しました。
これらの取引高増加は偶然ではなく、イールドファーミングや流動性マイニングにこれらのトークンのプロトコルが多く活用されたことを要因としています。
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