次の段階は全ての債券を
タイの中央銀行であるタイ銀行は、政府貯蓄債券を新たなブロックチェーンを活用したプラットフォーム上にて発行することに成功したことを明らかにした。投資家の購入体験の向上や、全体的なコスト削減を狙う。
わずか1週間で政府貯蓄債券は完売。タイ銀行のほか、公債管理局(PDMO)など計8つの機関がプロジェクトに協力、発行された総額500億バーツ(約1700億円)分の債券は、投資家に全て割り振られた。
プレスリリースによると、次の段階では全ての政府の債券で同様にブロックチェーンを利用したプラットフォームで発行を行うとしている。
CBDC以外でブロックチェーンを積極活用
ブロックチェーンの活用分野として各国政府・中央銀行による研究が盛んな中央銀行デジタル通貨は現在、中国やカンボジアなどの一部国家が積極的にプロジェクトを推進している状況だ。
中国では、公務員の給与の一部がデジタル人民元で支給されるなど、すでに実用に近い段階の例も出てきている。
これに追随する形で、米国、日本、EUを含め、現在多くの国が研究に取り組んでいるが、タイでは、ブロックチェーンに対し、CBDCでの利用に留まらない様々な利用用途を探っている。
2021年に稼働予定とされるD-Courtでは、裁判所の手続きをデジタル化するもので、ブロックチェーンで裁判記録を管理するネットワークの開発が行われている。
CBDCに関しても香港金融管理局(HKMA)と共同で実験を進めてきたほか、実証実験として企業との取引でCBDCを利用していることが明かされた。
参考:BOT