機関投資家がBTC現物を望む傾向
ビットコインの先物を取引する機関投資家が、現物ビットコイン保有に関心を示していることが、暗号資産(仮想通貨)マーケットメーカー「ZUBR」の最新レポートで報告された。
ZUBRは、ビットコインの現物決済先物を提供するBakktを例も、ビットコインの値動きを対象に差金決済先物取引などで取引を行なってきた機関投資家の一部が、現物の長期保有に動いていると指摘した。
調査によると、差金決済がメインだったBakktのビットコイン先物出来高が、8月から現物決済比率が70%を超えるなど、変化が生じている。
Bakktは9月16日に、過去最高記録の出来高15,955契約を記録し、7月28日に記録した前回の最高値から36%高を超えるなど、規模を拡大しつつある。
Another record day in the books for our physically delivered futures:
— Bakkt (@Bakkt) September 15, 2020
15,955 Bakkt Bitcoin Futures were traded today, representing over $200M of volume and a 36% increase from our previous all-time high 📈
機関投資家の主な利用先
調査対象となる機関投資家は、主にBakktとCMEといった規制された取引所でビットコインのデリバティブを取引している。ZUBRのCEOを務めるIlgar Alekperovはこのように最新の傾向について、「完全に規制された市場環境では、機関投資家および個人投資家も安全に取引ができる。そのため、投資銀行やヘッジファンドによる正規取引所への需要は高まっている」とコメントした。
データによると、機関投資家も利用する取引所CME、Deribit、Bakktは、すべて2019年比で、OI(建玉)/出来高のレシオが高水準となっている。
OI/出来高のレジオは、数値が高いほどOIの保有期間が長いことを示し、機関投資家の傾向として小売投資家よりも中長期的投資戦略を取っていることが読み取れる。
また、バイナンスなどの小売特化型取引所と比べ、レシオ高くなっているのは、機関投資家の利用率も増加していることを意味すると指摘する。
これまで、機関投資家はカストディリスクなどの理由で現物を取扱うのを敬遠していたが、今や大手取引所だけでなく、フィデリティなどの金融大手も参入してきたため、機関投資家はより安心にビットコインの現物を扱えるようになりつつある。
参考:ZUBR