はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「ビットコインの本質的価値」に疑問符=英国中銀総裁

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

英国中銀の総裁がビットコインに批判的発言

英国の中央銀行であるイングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁が、再びビットコインについて批判的な発言を行った。

12日に開催された、国民との質疑応答のセッションの中で「ビットコインが本質的価値と呼ばれるものを持っているとは言いがたい」と述べた。

支払いにビットコイン(BTC)を使用している人々も「非常にハラハラさせられている」として、投資の際にはBTCの高いボラティリティを考慮する必要があると意見した。

なお、スピーチの一部では、「人々がそれ(BTC)を望んでいるという意味では、本質的ではない価値を持っているのかもしれない」とするコメントをするなど、本質的な価値は見出すことが難しいとする意見は自身の考えるである点を強調しつつも、外から付与された価値はあるかもしれないとする立場を示した。

本質的な価値

本質的な価値がないとする意見については、仮想通貨業界からも様々な意見が見られた。日本の取引所を運営するTaoTao株式会社で働く仮想NISHI氏はツイートで、「本質的価値、あると思いませんか?」とユーザーに訴えつつ、以下のような特徴が本質的価値に結びついていると論じた。

  • 10年以上一度も止まらず改ざんされない最古の台帳
  • 人間の判断に頼らない新規発行プログラム
  • 全ステークホルダーを合理的に働かせるシステム設計
  • 質量のない価値保存能力
  • モノとの交換ができる

ステーブルコインやCBDCには前向き

一方、総裁は、先月開催された米シンクタンクのイベントの席で、法定通貨の裏付けがあるステーブルコインについては、決済を容易にするなどの有用性があると肯定的な見解を示している。

イングランド銀行も中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の発行を検討している一行で、自国の取り組みをアピールした。

ベイリー総裁は7月、学生とのオンラインセミナーで「BoEは中央銀行としてデジタル通貨を発行すべきかを検討している」と発言。新型コロナのパンデミックが起きている状況で、デジタル通貨は非常に重要なテーマであるとの見解を示している。

CBDCの導入時期については、「個人的には今後数年の間」として、BoEがデジタル通貨の利用に取り組むと考えを披露した。

関連:「数年の間にデジタル通貨を利用する」イングランド銀行総裁が見解示す

ディスカッションペーパーも

イングランド銀行は3月に、CBDCについてのディスカッションペーパーも発表している。

CBDCを導入する場合には、現金や民間銀行の預金と並行して利用する方向で議論をまとめ、CBDCは決済環境や国際送金などの利便性を高め、多くのユースケースを生み出し得ると論じている。

また、「預金残高が民間の銀行から中央銀行のデジタル通貨に大きく移行すれば、イングランド銀行と商業銀行の両方のバランスシートに影響を与える」として、金融の安定性に影響を及ぼすリスクについても言及、注意深く設計する必要があると慎重な姿勢を示した。

なお、イングランド銀行は、日銀や、国際決済銀行(BIS)、欧州中央銀行(ECB)、カナダ銀行などと共にCBDCの研究グループも結成している。

関連:「デジタル通貨は発行する価値がある」英中銀がCBDCの考察を発表

CBDCと民間決済手段の関係性

CBDCは、民間の決済インフラ、特にステーブルコインなどの仮想通貨に対抗するものとして位置づけられることもある。

スウェーデン中央銀行のリクスバンクは、6月に発表したレポートの中で、CBDCの役割の一つは、巨大テクノロジー企業による民間デジタル通貨との競争において、価値の保存手段としてのスウェーデンクローナの役割を保護することだと論じた。CBDCにより、商品購入データなどが商業的に利用されない決済手段を提供できるとも説明した。

また仮想通貨以外では、銀行の取引口座市場、Visa・Mastercardなどの決済サービスプロバイダー、その他既存の支払いサービスの分野で競争を促進する効果があることも想定しているとして、フェイスブックなどのテック企業が主導するステーブルコインや、仮想通貨、既存の民間決済手段が、各国のCBDCがどのように並立していく見込みなのかという点も、CBDCの設計段階でこの先注目される側面になるとしている。

関連:スウェーデン中央銀行、CBDCの必要性や導入プランを詳細に検討

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。
14:49
日本初の仮想通貨建てクレジットカード「Slash Card」が登場 β版の事前登録開始へ
日本初の暗号資産建てクレジットカード「Slash Card」がβ版の事前登録を開始する。米ドル連動型ステーブルコインUSDC担保サービスで物理・バーチャル両対応。ソラナやイーサリアムなどマルチチェーン互換性とトークン還元リワードを特徴とし、Web3技術を現実世界の決済に橋渡しする。
13:30
ビットコイン需要減少で市場脆弱性指摘、イーサリアム大口投資家は巨額含み損で売却継続=アナリスト
Cryptoquant分析によると、ビットコインのオンチェーン需要指標がマイナス転換し短期調整リスクが高まる。一方でETH大口投資家は3週間で9万5313ETHを償還、4260万ドルの含み損を抱える状況。
13:05
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、約320億円調達でビットコイン購入とマイニング機器導入へ
エリックとトランプ・ジュニア氏が支援するビットコインマイニング企業American Bitcoinが2億2000万ドルを調達。ビットコイン購入とマイニング機器導入に充当予定。
12:00
金融庁、ステーブルコイン健全発展のための報告書を公表 不正リスクや今後の課題を分析
金融庁が仮想通貨ステーブルコインの健全な発展に向けた報告書を公表した。不正利用の実態と今後の規制課題を分析調査する内容だ。
11:05
取引所BybitとKraken、ソラナ基盤トークン化株式「xStocks」を190カ国で提供開始
世界第2位の仮想通貨取引所BybitがBacked社のトークン化株式サービス「xStocks」を取り扱う。Apple、Amazon、Microsoft等60銘柄超をソラナブロックチェーン上で24時間365日取引可能に。
10:40
トランプ氏関連のミームコイン「TRUMP」、口座開設キャンペーンで配布へ
ドナルド・トランプ氏が公認とされるミームコイン「TRUMP」がもらえるキャンペーンがBITPOINTで7月末まで開催中。特典内容や条件を詳しく解説します。
10:20
国内Web3関連企業BACKSEAT、組み込み型Web3体験でブロックチェーン社会実装目指す
BACKSEAT株式会社が第三者割当増資により累計14億円の資金調達を完了。Spiral CapitalとHeadline Asiaが共同リード投資家として参画し、組み込み型Web3体験の実現に向けサービスローンチを本格化。
10:02
ロビンフッド、トークン化した米国株やETFの取引サービスを欧州で提供
仮想通貨などの投資アプリを提供するロビンフッドは、トークン化した米国の株やETFの取引サービスをEUユーザー向けにローンチしたと発表。独自ブロックチェーンを開発していることも明かした。
09:55
テキサス州、戦略的ビットコイン準備金設立に続き「金・銀」を法定通貨として認可
テキサス州のアボット知事が金・銀を日常取引の法定通貨として認可する法案に署名。戦略的ビットコイン準備金設立法案も成立し、米国初の大規模な貴金属・仮想通貨政策を実現。
09:40
ビットコインマイニング難易度が7.5%低下 米テキサス州猛暑が影響か
仮想通貨ビットコインのマイニング難易度が約7.5%低下した。米テキサス州の猛暑による電力制限が主要因と指摘されている。6月中旬にハッシュレートも下落していたところだ。
09:15
ナスダック上場企業SRM、140億円のトロン財務戦略完了でTRXをステーキング
フロリダのテーマパーク向け記念品製造企業SRM Entertainmentが、1億ドルのTRON財務戦略の一環として3.65億TRXをJustLendにステーキングした。年率最大10%のリターンを目指す。
08:55
ドイツ最大手銀行グループ『シュパーカッセ』、2026年夏に個人向け仮想通貨取引開始へ=報道
ドイツ最大の銀行グループSparkassenが方針転換し、個人顧客向けビットコインなど仮想通貨取引サービスを2026年夏に開始予定。EU規制整備を背景に3年ぶりの決定となる。
08:10
SEC、ビットワイズ・イーサリアムETFのステーキング承認判断を延期
米証券取引委員会がビットワイズ社申請のイーサリアムETFのステーキング機能追加提案の承認判断を延期。投資家保護と公正な市場慣行への適合性について追加審査を実施中。
07:45
サークル、米国でナショナル・デジタル通貨銀行設立を申請
米ステーブルコイン発行企業サークルが米通貨監督庁にナショナル・トラスト銀行設立を申請。承認されればUSDC準備金の自己管理と機関投資家向け仮想通貨カストディサービス提供が可能に。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧