プライバシー銘柄の取り扱い廃止
米国の暗号資産(仮想通貨)交換業者ShapeShiftがここ数日間で、プライバシー銘柄に関連すると見られる取り扱い廃止を発表している。先日発表したモネロ(XMR)、ダッシュ(DASH)に加え、ジーキャッシュ(ZEC)の廃止を実施する。規制への準拠がその要因と見られる。
ShapeShiftは米コロラド州発の交換所プラットフォームで、ユーザーは自己資産をセルフカストディ(自身で管理)しながら仮想通貨間取引ができる特徴がある。同社の法務責任者Veronica McGregorは廃止の理由について、「規制上の懸念があり、しばらくはこれらの銘柄を取り扱わない」とコメントしている。
ShapeShiftはZECの関連開発企業Electric Coin Companyに出資していたため、その廃止に踏み切ったことで規制対応の重要性が一段高まった可能性が指摘されている。同社は近年より、規制対応を強化しており、2018年9月以降は、厳格なKYC手続きも実施している。
プライバシー銘柄といっても、モネロのようにデフォルトで匿名機能が実装されているものと、DASHやZECのように匿名機能の実装を選べるものがある。米国で正規ライセンスを持って運営している取引所のうち、コインベースとGeminiはZECを取り扱っている。9月には、GeminiはZECの出金におけるプライバシー機能に対応することを発表。規制された取引所における初事例として、規制に準拠した形で金融プライバシーを強化することを目的とした。
関連:仮想通貨の「匿名と規制」に進展 米Gemini、Zcashのプライバシー出金機能に対応