CoinPostで今最も読まれています

相場の高揚感に冷や水、ビットコインやXRP急落前後で強い売り圧力

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場とBTC(ビットコイン)

26日の仮想通貨市場は、20,000ドルの過去最高値に迫る19,500ドル目前まで急騰していたビットコインが急落。アルトコインも全面安となり、XRPやETHなど大幅に上昇していた主要アルトが暴落した。

25日の市況レポートにて、デリバティブ市場の過熱感等について警鐘を鳴らしたが、日が変わってまさに相場の空気が豹変することとなった。

関連:ネム高騰で年初来高値更新、ビットコインなど仮想通貨市場の豹変に警戒感も

仮想通貨の高騰とともに膨らんだレバレッジ(証拠金取引)ポジションの巻き戻しにより、ロスカット連鎖が続いてフラッシュクラッシュが発生、相場の高揚感に冷や水を浴びせられた格好と言える。

米CMEのビットコイン先物取引では、24日の出来高で過去最高を記録。未決済建玉(OI)も最高値を更新したほか、先物市場の調達金利や、bitFlyerなどデリバティブ市場において、現物価格との上方乖離が急伸していた。

テクニカル的にもATH目前のダブルトップからの上値切り下げが天井圏を示唆したほか、米国の仮想通貨ウォレット規制を示唆する情報や大手中華系暗号資産取引所OKExの「出金停止」解除が重なったことも売り圧力となった。

CoinPostと提携する、仮想通貨のオンチェーンデータを提供するCryptoQuantによると、日本時間26日17時の出金再開から断続的に出金が増加、180億円以上の仮想通貨資産が出金された。

関連:OKEx、180億円以上の仮想通貨が出金=CryptoQuantデータ

関連:米国で仮想通貨ウォレットの規制強化案が浮上か=Coinbase Armstrong CEO

調整局面の下値目処は

いかなる強気相場であろうと、行きすぎた相場には是正が入る。過去のBTC相場を振り返ると、20%〜40%のリトレースメント(相場の引き戻し)は計9回発生している。25日の高値19,500ドルから20%の調整で15,600ドル(162万円)、30%の調整で13,650ドル(142万円)に相当する。

BTCUSD 調整局面

海外の著名アナリストJosh Rager(@Josh_Rager)氏は昨年、過去の上昇相場では30%超のプルバック発生後、平均153%ほどの上値余地が生まれたと指摘している。

Josh_Rager

今回の相場では、日柄調整など横軸不十分とみる向きがある一方、強気トレンドにおける急落幅の大きさから「押し目買い」もみられる。27日昼時点では、再び25日移動平均線の16,700ドル上まで浮上した。

今年3月に発生したコロナ・ショックの底値3,800ドルと直近高値19,500ドル(①)を結んだフィボナッチ・リトレースメント(Fibonacci Retracement)で確認すると、今回下げ止まった16,200ドルラインはちょうど78.6%。(②)

こうしてみると、9月上旬の急落(③)以降、ほぼ調整なく大きく上昇してきたことがわかる。

多くの通貨でチャートが崩れ、高値ポジションも大量に捕まっていることから、当面は不安定な相場が続き、上値が重くなることが想定される。上値抵抗線として機能する18,000ドル(182万円)の攻防はひとつの要所となるだろう。

一旦反発してもおかしくないが、さらに押し込まれた場合、61.8%の13,600ドル(141万円)付近は下値目処の一つとなり得る。19年高値の14,000ドルが心理的節目となりやすく、75日移動平均線が13,300ドル付近にあるなど、サポートラインが密集している。

フィボナッチ・リトレースメントは、「押し目」や「戻り」を作る相場の習性を予測に役立てるもので、黄金比で計算されるフィボナッチ数列を利用してターゲットを導き出す。単体で参考にするものではなく、ローソク足のプライスアクションを元にした通常のテクニカル分析や他の指標と組み合わせて使うことが多い。

一方、ここのところの上昇トレンドは、大規模金融緩和による官製相場の”金余り”を背景に機関投資家の現物買いが主導しており、一昔前とは地合いそのものが異なる。実体経済と乖離してバブルの様相を呈しているのはビットコインだけでなく、急落の度に大きく買われ、高値更新の続く「株式市場」もまた同様である。

ましてやビットコインは、ゼロ金利政策や量的緩和の影響を受け、有力な「米ドルヘッジ」手段として確立されつつあるため、このまま下落トレンドに転換するよりも、調整が済めば、再び強気相場が訪れる可能性の方が高そうだ。

急騰していたXRPに強力な売り圧力

ブロックチェーン分析企業Chainalysisのデータによれば、XRPが一時80円まで急騰した24日、11億4000万XRP(1XRP=70円時、800億円相当)が、仮想通貨取引所に流れ込んでいたことが分かった。

19日時点で30円前後を推移していたXRPは、24日時点で一時82.5円を記録するなど、わずか5日間で約3倍の高騰を見せていたことから、利確目的の売りが先行したものとみられる。

XRP上昇の背景には、XRP保有者への「Flare Networks」Sparkトークン付与への思惑がある。海外では世界最大手のバイナンスが対応を表明したほか、国内では25日、暗号資産事業者12社(オブザーバー1社)が共同声明を採択した。

金融庁の厳格な規制下に置かれるなか、新通貨の取り扱いについて前向きに検討する姿勢を示し、投資家保護につなげたい考えだ。

関連:Flare Networkとは|XRP(リップル)と密接に関わるSparkトークンの将来性
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/29 月曜日
16:37
GSTの買い方、特徴やSTEPNでの役割を学べる完全ガイド
歩いて稼ぐフィットネスWeb3ゲーム「STEPN」の注目度が再び高まっています。2024年以降に底値から大幅上昇した暗号資産(仮想通貨)GSTの買い方やGMTとの違い、将来性について初心者にもわかりやすく解説しています。
12:54
ブロックチェーンゲーム「Heroes of Mavia」、MAVIAトークンのインフレ抑制へ
Web3ゲーム「Heroes of Mavia」は、イーサリアムベースの独自トークン「MAVIA」のインフレ抑制のため、ロック解除スケジュールを変更した。
12:27
ワールドコイン開発元、OpenAIらとの提携を検討か=報道
仮想通貨ワールドコイン開発企業は、決済大手ペイパルや、アルトマン氏の別事業OpenAIと提携を模索していると伝えられる。
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア