ブラジル2位の取引所を買収
アルゼンチンの仮想通貨(暗号資産)スタートアップ、Ripio(元BitPagos)は、ブラジル国内2位の取引所、BitcoinTradeを買収した。買収額は明らかにされていない。
BitcoinTradeはブラジルで30万人規模のユーザーを有する国内2位の仮想通貨(暗号資産)取引所だ。Ripioユーザーの多かったブラジルを軸に、ラテンアメリカで存在感を増す狙いがあるものとみられる。
Ripioの狙うラテンアメリカ市場
Ripioは、元々BitPagosとして知られていたが、2017年に名称を変更した。2017年にICOを行い、P2Pのレンディング(融資)サービスなどを開発している。
2020年には100万ユーザーを突破しており、アルゼンチン、ブラジルを中心に150人以上の従業員を抱えている。ラテンアメリカで有望な仮想通貨(暗号資産)スタートアップの一社といえる。
これまでにICOを含めて3700万ドル(約38億円)ほどを調達しており、Pantera Capitalや、CoinDesk、Glayscaleなどを抱えるDigital Currency GroupといったVC(ベンチャーキャピタル)から出資を受けている。
Ripioの競合関係にある企業の一つが、メキシコに拠点を置く他にも暗号資産(仮想通貨)取引所Bistoだ。Bistoもまた、2020年の初頭にユーザーが100万人を突破したことを明らかにしている。
また、先月12月にBistoは、シリーズBにて新たに6200万ドル(約64億円)の資金を調達し、その資金でブラジルへの進出を強化することを明かしている。Bistoの従業員は200人規模であり、こちらもRipioと近い規模感となる。
ライバル企業との関係について、RipioのCEO兼共同創設者であるセバスチャン・セラーノ氏は「私たちはBistoと非常に良い関係を築いている」とCoinDeskのインタビューで語った。
また、両社のようにVCと繋がりがあり豊富な資金を持つ企業はブラジルには存在しないと指摘、一方でラテンアメリカ市場全体で機会が育ってきているともいう。
ラテンアメリカで最大の経済規模を持つブラジルの市場について、セラーノ氏は「ブラジルは常に重要な市場だった」と語り、BitcoinTradeについてはそのユーザー基盤(ブラジル国内で約30万人)を評価したことが買収を行う理由の一つとみられる。