ロビンフッド、ナスダック上場
米投資アプリを手がけるロビンフッド・マーケッツ社は28日、新規株式公開(IPO)の公募価格を公表した。WSJの報道によれば、当初発表されていたレンジの下限となる38ドルで取引開始される。評価額は、約320億ドル(約3兆5100億円)。
ロビンフッドは、手数料ゼロで「投資の民主化」を目指す投資アプリだ。コロナ禍の影響もあり、ここ数年間で米国の若年層を中心に人気が高まった。6月末時点で2,250万口座に上り、ロビンフッドのプラットフォーム上には1,100億円相当の資産が預け入れられている。
その影響力は、21年1月にゲームストップ騒動の引き金となったと指摘されるほど大きくなっており、ドージコイン(DOGE)などの「ミーム銘柄」の取引を一時停止したことでも波紋を呼んだ経緯がある。
ロビンフッドは株式だけでなく、ビットコインやイーサリアム、ライトコイン、ドージコインなど複数の銘柄も取り扱っている。2021年1Qには、ドージコインが取引収益の34%を占めるなど、個人投資家需要を集め、北米圏のDOGE人気に貢献した。
当初ロビンフッド社の公募価格は、発行・売り出しの仮条件として「38ドル〜42ドル」のレンジが見積もられたが会社側は下限を選択した。関係筋によれば、相場環境を鑑みて上場初日の取引を成功させるため、保守的な選択を意識したという。
同社の発表によれば、調達する純資金は以下の目的などに利用されるとした。
- 運転資本
- 資本的支出
- 税金の支払い
- 雇用拡大
ロビンフッド・マーケッツ社のIPOが開始するのは米時間29日。ティッカーシンボルは「HOOD」で、時差の関係上、日本時間では29日の夜の上場となる。