CBDCソリューションを共同開発
分散型台帳技術を開発するへデラ・ハッシュグラフが、米フィンテック企業のEMTECHとCBDC(中央銀行デジタル通貨)分野における共同開発を発表した。
EMTECHとHedera Hashgraphが協力し、高いパフォーマンスと信頼性、エネルギー効率の高い中央銀行ブロックチェーンインフラを実現。@emtech_inc、@ethereum、 #CBDC、#blockchain
— ヘデラ・ハッシュグラフ公式 (@hederajapan) October 11, 2021
この共同開発では、へデラ・ハッシュグラフの分散型台帳技術とEMTECHのCBDCソリューションを組み合わせ、各国の中央銀行向けに高速・安全かつエネルギー効率に優れたCBDCソリューションの開発を目指す。
提携による両者の取り組み
10月8日に発表された内容によれば、EMTECHは、柔軟性、拡張性、分散性、持続性の観点から、へデラ・ハッシュグラフのAPIサービスである「へデラ・コンセンサス・サービス(HCS:Hedera Consensus Service )」の採用を決定。金融包摂を推進するため、中央銀行のインフラをブロックチェーンベースのプラットフォームとして近代化したCBDCインフラ製品を開発するとしている。
また、EMTECHとへデラ・ハッシュグラフは上記の共同研究開発に加え、特にアフリカ大陸とカリブ海地域におけるCBDC、ステーブルコイン、デジタル資産、分散型台帳技術などの普及に関する能力構築支援策も発表。
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EMTECHの設立者兼CEOであるCarmelle Cadet(カーメル・カデット)氏は、この提携に際し、次のようにコメントしている。
ブロックチェーン技術と分散型台帳のメカニズムは、特に新興市場にとっては斬新かつ重要なものです。現金と使い勝手が似ているCBDCの開発にあたり、スケーラビリティ、レジリエンス、パフォーマンスが期待されています。
このパートナーシップは、両社のユニークな能力を結集し、これらの重要な原則を実現する現代の金融インフラを設計します。CBDCは単なるソフトウェアアプリケーションではなく、インフラとなるものです。
また、へデラのCEO兼共同設立者のマンス・ハーモン(Mance Harmon)氏は、EMTECHとの提携についてこう述べた。
EMTECHとの提携により、世界中の中央銀行がCBDCを採用・実現するための機会を提供できるかもしれないことに興奮しています。この提携により、へデラのネットワークとサービスの画期的な利用が可能となります。
EMTECHについて
米ニューヨークに拠点を置くEMTECHは、2019年に設立。金融包摂および金融レジリエンスの要求に応える、現代的な中央銀行ソリューション構築を目指すフィンテック企業。
EMTECHの提携先としては、へデラ・ハッシュグラフに加え、国連が支援するNZIA、米マイクロソフト、IBM、また最近ではBank of Ghana(ガーナ銀行)、Central Bank of the Bahamas(バハマ中央銀行)、WiPay Caribbeanなどがある。
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