はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

英金融規制機関が銀行に仮想通貨関連の監視強化を要請|金融犯罪リスクを危惧

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イギリスの仮想通貨情勢
英金融行動監督機構は11日、「仮想資産と金融犯罪」と題した、仮想資産のリスク管理における行動指針を書籍を銀行宛に送付した。一方で、仮想通貨現物に関しては、FCAの管轄ではないとの立場も同時に表明している。
FCAとは
イギリス金融行動監視機構(FCA:Financial Conduct Authority)は、英国内の金融サービス業の規制、金融業界の安定性促進、顧客の安全を推進している監督機関。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

英金融行動監督機構の動き

イギリスの金融行動監督機構(FCA) は、6月11日付で、銀行の頭取に宛てに「仮想資産と金融犯罪」と題し、仮想資産に関連して発生する可能性のある金融犯罪のリスクに、どのように対処すべきかの行動規範を示した書簡を送りました。

FCAは、イギリスの政府機関で、同国の金融市場とおよそ5万8,000に上る銀行、保険会社、投資会社や金融アドバイザー、資産管理会社などの金融サービス業を規制する役割を担っています。

今回送られた書簡は銀行に向けたものですが、内容は警告的なもので、「”仮想資産”が犯罪的な目的で使われる余地があるとの証拠が明らかになってきた」ため、仮想資産取り扱いに該当すると見なされる顧客の行為に関して、監視の目を強化するよう要請しています。

FCAは、投機的な目的や革新技術の開発など仮想資産を使用する動機は犯罪的でないものも多いとしながらも、仮想資産は潜在的な匿名性を持っており、国境を超えた資金移動も容易なため、悪用される恐れもある。

その結果、銀行が間接的に「金融犯罪を手助けする」行為に甘んじてしまう可能性も否めないとして、そのリスクを減らすための合理的、かつ適切な対策をとるよう促しています。

さらに、仮想資産関連サービスを提供する顧客のケース(取引所、仮想通貨取引行為、ICO関連行為)と実際に仮想資産を使用している顧客のケースに分け、より、具体的な行動規範を示しています。

前者の場合は、次のような項目が、指針として示されています。

スタッフの仮想資産の知識と専門性を高めることで、金融犯罪を引き起こすリスクの高い顧客または顧客の行為を特定できるようにする。

既存の金融犯罪防止の枠組みが、顧客の関わっている仮想資産関連行為にも適切に反映されるように取り計らい、急速な展開のペースに遅れを取らないよう対応する。

顧客とそのビジネスの特性とリスクについて理解を深めるよう関与していく。

顧客のビジネスで主要な役割を果たす人物に関する詳細調査(デューデリジェンス)を行うこと。

仮想通貨取引サービスに従事している顧客の場合、顧客自身が行っているデューデリジェンスの妥当性を評価する。

ICOに関わっている顧客の場合、発行の投資家ベース、主催者、トークンの機能(使用用途を含む)、管轄権の所在を考慮に入れる。

出典:イギリスの金融行動監督機構(FCA)指針

また、仮想資産を保有または取引する企業や個人が、全て同じリスクを追うわけではなく、既存の資金調達源の確認方法を用いて、個々のケースで柔軟にリスクへの対応する権限が与えられているとしながらも、FCAはいくつかの「高リスク」指標を明示しています。

一つは、「国際的な金融制裁を回避するために設計された」国家に支援された仮想資産を使用している顧客の場合で、これはベネズエラ政府発行の独自通貨「ペトロ(Petro)」を暗喩していると思われます。

また、ICOに巨額の資金を提供している個人の顧客は、投資詐欺の被害者となるリスクが高まると注意を促しています。

4月に、FCAは、仮想通貨デリバティブ 関連のサービスを提供している企業に対しては、FCAの管轄下にあり、「FCAのハンドブックのすべての適用規則および直接適用されるEU規制の関連規定を順守しなければならない」と発表し、この要件を満たさない場合は制裁を受ける可能性もあると、警告しています。

 これには仮想通貨先物取引、仮想通貨差金決済取引(CFD)、仮想通貨オプション取引が含まれます。 

仮想通貨現物に関するスタンス

一方で、仮想通貨現物に関しては、FCAの管轄ではないとの立場も同時に表明しています。 

このようなFCAの立場に対して、今年2月に設立された、イギリスの仮想通貨の自主規制団体であるCryptoUKは、日本の金融庁が仮想通貨業界に対して果たしている役割を例にとり、FCAの仮想通貨取引所の認可などの規制当局となることを、財務省へ求めていました。

今回の銀行へ送られた書簡は、FCAの規制当局としての役割が大きくなってきていることの表れとも受け止められます。

FCAは、中央銀行であるイングランド銀行と財務省と共に、「仮想資産作業部会」を構成していますが、今年後半に、仮想通貨に関する政策方針を公開すると発表しています。 世界の金融界で重要な位置を占めるイギリスの仮想通貨政策がどのようなものになるのか、注目されます。

CoinPostの関連記事

イギリス政府チーム:仮想通貨に関する初の会議を実施、概ね前向きな姿勢か
イギリスの大蔵省、イングランド銀行、そして、FCAによって3月に組織された仮想通貨専門チームは第1回目の会議を開き、仮想通貨及びブロックチェーン分野の可能性、リスク、適切な規制について議論しました。
リップル社:イギリスの規制当局に「より適切なルール整備」を要求
仮想通貨の規制問題に取り組むリップル社の「Ryan Zagone」氏は、イギリスの規制当局に対し、他国に先駆けている「日本の規制方針」を参考にしたルール整備の必要性を訴求。適切な規制は、”ガードレールのようなもの”と表現しました、
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
16:00
リトアニア、仮想通貨ライセンス義務化へ 申請低迷
リトアニア中央銀行が仮想通貨事業者にMiCAライセンス取得を義務化。2025年12月31日以降、無許可運営には罰金や最長4年の禁錮刑。370社以上が登録するも申請はわずか30社で全体の1割未満。同国はEU内でMiCAゲートウェイとしての地位確立を目指す。
15:05
仮想通貨投資への期待高まる、税制改正で約5割が投資拡大を検討=ビットバンク調査
ビットバンクが発表した2025年仮想通貨投資実態調査によると、2026年の市場期待として「税制改正」が34.3%で最多。税制が20%の申告分離課税に変更された場合、約5割が投資拡大意向を示した。知識不足が投資の障壁だが心理的ハードルは低下傾向。
14:01
ユニスワップ重大提案が圧倒的に可決 1億UNIバーンと手数料スイッチ起動へ
ユニスワップのUNIfication提案が賛成票1億2500万票超で可決。国庫から1億UNIをバーンし、プロトコル手数料を起動。取引量増加が供給減少に直結するデフレ型モデルへ転換。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧