ツイッター社買収支援は履行
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのChangpeng Zhao CEO(通称CZ)は25日、イーロン・マスク氏の米ツイッター社買収に対して経済的な支援を行う意向に変わりはないと述べた。ブルームバーグが報じた。
ブルームバーグの関係筋によれば、マスク氏のツイッター社買収は国家安全保障上の観点から調査を行うべきであるとの声が、米バイデン政権内で上がっているという。今回の買収の支援者には、バイナンスのほかにも米国以外の企業・投資家が含まれている。
マスク氏はこれまで買収を撤回したこともあったが、今月に手続きを進めることを決断。買収撤回に対しツイッター社は、もとの契約を履行するよう裁判を起こしていたが、法廷での審理はマスク氏側の要望で延期されている。
しかし、審理は延期されたが、その延期が認められた理由は、マスク氏側が「今月28日ごろに買収契約で合意する」と主張したからだ。28日までに合意できない場合は、11月に審理が行われる予定になっている。
こういった状況の中、CZ氏は25日にサウジアラビアのイベントに登壇。「マスク氏への支援は行うのか」との問いに対し、「そう考えている」と回答した。
なお、裁判所の書類によれば、ツイッター社はマスク氏の主張に反対している。買収契約がそんなに早くは合意に至らないと述べており、先行きはまだ不透明だ。
追記:マスク氏がツイッター買収を完了したことを受け、バイナンスは28日に、株式投資家として買収への経済的支援に参加したことを正式に発表。出資額は5億ドルだったという。
Our intern says we wired the $500 million 2 days ago, probably just as I was being asked about Elon/Twitter. https://t.co/gM65GHUnZC
— CZ 🔶 Binance (@cz_binance) October 28, 2022
バイナンスとは
取扱銘柄や取引高、登録者数が非常に多い大手仮想通貨取引所を運営。他にも教育コンテンツの提供や慈善活動など幅広い事業を展開している。先月には、日本市場への再参入を検討していることが報じられた。
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仮想通貨企業も支援
バイナンスらがツイッター社買収を経済的に支援することが明らかになったのは今年5月。米証券取引委員会(SEC)の資料から、バイナンスは5億ドル(当時のレートで約650億円)を出資することがわかった。
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仮想通貨関連企業ではバイナンスのほか、フィデリティグループ、多数のブロックチェーン関連スタートアップにも出資しているa16zやセコイアキャピタルなどの著名VCファンドが名を連ねている。
さらに、サウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール王子も3,494万株分を投資する方向で合意。他にはカタールの企業「Qatar Holding」もマスク氏を支援する。