CBDCの相互運用性テスト第二弾
銀行間メッセージングサービスのSWIFT(スイフト)は13日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の相互リンクソリューションのベータテストを開始したと発表した。
香港金融管理局、カザフスタン中央銀行、その他匿名の中央銀行の3中銀がそれぞれのインフラストラクチャをスイフトの「CBDCコネクタソリューション」に接続し、CBDCを相互にリンクさせるソリューションのベータテストを行っているとしている。
また、オーストラリア準備銀行、ドイツ連邦銀行、香港金融管理局、タイ銀行など30の金融機関が、CBDCの相互運用性をテストしているところだとも続けた。
このテストは、デジタル取引プラットフォームにおける、特定条件がそろうと自動的に行われる「トリガーベース」の支払いや、外国為替モデル、取引コストを削減し流動性を向上させるメカニズムなど、追加の事例を検討するためのものである。
スイフトのTom Zschach最高イノベーション責任者は、次のようにコメントした。
当社は相互運用性に重点を置いており、新しいデジタル通貨同士が共存すること、およびデジタル通貨と法定通貨や既存の決済システムが共存することを可能にしていく。
金融業界は、当社のCBDCソリューションが、既存の決済システムと将来の決済システムを安全に橋渡ししながら、それらが個別の環境に切り離されてしまうことを防止する力を持っていることを認識している。
今回の新たなテストや探索は、このソリューションをさらに改良して、最大限効果的なものにしたり大規模な取引を扱えるようにするのに役立つ。
CBDCとは
各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。
▶️仮想通貨用語集
スイフトは、CBDCの検討・開発をしている国の大半が国内での利用に重点を置いているため、国際的に見れば、それぞれの国のCBDCシステムがそれぞれ孤立してしまう可能性があると指摘。これに対応する相互運用ソリューションを開発していると述べている。
3月にも実験結果を報告
スイフトはCBDCに関する本格的な取り組みを2022年に開始した。今年3月には、CBDC間取引について第一段階の実験結果を報告している。
フランス銀行、ソシエテジェネラル、BNPパリバ、シンガポール通貨庁、HSBC、ドイツ連邦銀行など、世界の18以上の金融機関が参加していた。
CBDCソリューションに取り組む企業
スイフトの他にも、様々な企業がCBDCのソリューション開発などに乗りだしているところだ。
例えば決済大手マスターカード、リップル社、Consensys、その他の企業は8月、CBDCのメリットやデメリットを理解し、安全かつ円滑に活用する方法を探る共同プログラムを立ち上げた。
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