CoinPostで今最も読まれています

ビットコインは強気シグナル点灯まであと一息|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週9/30(土)〜10/6(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

9/30(土)〜10/6(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は、400万円台前半で上げ渋る展開となっている。

週末に米議会がつなぎ予算を可決したことで政府機関閉鎖を回避し、BTCは2日朝方に420万円台に乗せ、上値を試す展開で始まった。

一方、全米供給管理協会(ISM)がこの日発表した9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)と同雇用指数の上振れを受けた米債利回りの上昇が相場の重石となり、410万円まで押した。

3日には、ボスティック米アトランタ連銀総裁とメスター米クリーブランド連銀総裁らからタカ派的な発言があった他、8月のJOLTs求人件数が市場予想を上回り、BTCは上値を重くした。この日は外国為替市場でドル円相場がおよそ1年ぶりに150円にタッチした直後に急反落を演じたこともBTC円の下押し材料となり、相場は410万円の維持に失敗した。

一方、週央からはADP雇用統計の下振れやISMのサービス業PMIの悪化、さらにはロシアのエネルギー輸出禁止緩和の可能性と米ガソリン在庫の急増を背景とした原油価格の急落が市場心理の支えとなり、BTCは反発。

尤も、翌5日の相場は420万円に肉薄するも、9月の米雇用統計を控えたポジション調整が入り、6日正午時点では410万円周辺で取引されている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

週末の相場上昇から失速する格好となっているBTC相場だが、ドル建てではテクニカル的に強気のシグナルが点灯するまであともう一息の状況となっている。

まず、先週も指摘した7月高値と8月高値を基点とする下降トレンドラインの上抜けには成功しており(第2図内オレンジ線)、相場は3カ月ほど続いた下降トレンドから脱したと言える。

足元では、節目28,000ドル周辺に密集する一目均衡表の雲上限と200日移動平均線が相場のレジスタンスとなっているが、前者の上抜けに成功すれば、強い買いシグナルとされる一目均衡表の三役好転が完成することとなる。

200日線も長期的なトレンドとして意識されるトレンド指標となっており、上抜けに成功すればテクニカル的なムードは一層改善すると指摘される。

【第2図:BTC対ドルの一目均衡表と200日移動平均線(日足)】
出所:bitbank.ccより作成

一方、今週のBTC相場は米国の景気や雇用関連指標に振り回される展開ともなっており、上述のテクニカル的なチャートポイントをクリアできるかは本日(6日)発表される9月の米雇用統計の結果次第と言えよう。

今回の米雇用統計では、失業率の改善(3.8%→3.7%)と前月比の賃金上昇率の加速(0.2%→0.3%)が見込まれており、5日には警戒感からか米株もBTCも売りが優勢となった。ただ、月間雇用者数は減少(+18.7万人→+17万人)が予想されており、リスクをある程度織り込んだ現状では、下値余地は限定的か。

むしろ昨今では、米NY連銀ウィリアムス総裁が、利上げが終了した可能性について言及した他、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁も金融政策が相応に抑制的な水準に達していると述べており、雇用統計が弱めに出れば、利上げサイクル終了への期待感から市場のムードが一変する可能性もあると見ている。

そうなれば、BTCドルは3万ドルを試す余地もあるか。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコインFOMC後の下げ幅解消、来週は2.8万ドル試す展開も視野

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/03 日曜日
11:30
米経済減速続けばビットコイン上抜けは時間の問題か|bitbankアナリスト寄稿
3.8万ドル付近を底堅く推移する今週のビットコインチャートを図解。国内大手取引所bitbankのアナリストが今後の展望を読み解く。オンチェーンデータも掲載。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|マイクロストラテジーのBTC買い増しに高い関心
今週は、マイクロストラテジーが仮想通貨ビットコインを買い増ししたニュースや、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏がビットコインなどの資産への投資を推奨していることを書いた記事が関心を集めている。
12/02 土曜日
16:25
エルサルバドルのブケレ大統領、2024年再選を見据え職務離脱へ
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン支持者で知られる、エルサルバドルのナイブ・ブケレ大統領が総選挙キャンペーンのため職を離れる。再選を目指す中で、国内政治のチェック・アンド・バランスの弱体化と、国際関係への影響を探る。
14:00
2024年に半減期を迎えるビットコインは約1800万円到達、Matrixport分析
Matrixportによる暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格予測を深掘り。2024年に1835万円到達の可能性、歴史的なデータ分析、マクロ経済要因と地政学的影響を詳細に解説。ビットコイン投資の未来を探る。
13:00
米サークル社、「テロ資金調達への関与はない」
ステーブルコイン「USDC」を提供するサークル社は、公開書簡を米議員らに提出。テロ資金など不正金融への関与はないと強調した。
12:00
イーサリアム運用で高利回りを実現、Cegaのデュアルカレンシー戦略とは?
セガ・ファイナンスが新しいオプション戦略「デュアルカレンシー」を発表。暗号資産(仮想通貨)イーサリアム、stETH、USDCホルダーに向けて、年利22%以上の収益を提供。この戦略は、リスクを最小限に抑えつつ、市場での高い固定利回りを実現する。
10:45
コインベースCEOがBaseトークン発行を否定 ソラナなどの統合計画も
米仮想通貨取引所コインベースのCEOは、イーサリアムL2「Base」に関する展望について話した。独自トークンや取引高速化について説明している。
09:55
コインベース・マイニング株大幅高、ビットコイン年初来高値更新|2日金融短観
本日のNYダウは+294.6ドルと続伸し、債券市場は反発した。この日にパウエル連邦準備制度理事会議長の発言からトーンダウンが示唆され2024年にFRBが利下げに動くとの観測がますます広がった格好だ。
08:30
Starknet独自通貨の無料配布、スナップショット実施済み
仮想通貨イーサリアムのL2「Starknet」は今週SNSで出回っていたSTRKトークンのエアドロップのスクリーンショットの真贋を確認し権利獲得にあたるスナップショットはすでに実施されたことを明かした。
07:20
ビットコイン価格は24年に上昇加速か=グレースケールレポート
仮想通貨運用会社グレースケールは、2023年11月版の市況レポートを公開。2024年は複数の条件が重なることによって、ビットコインの価格に上昇圧力がかかる可能性があるとの見解を示している。
06:50
ビットコインETFの上場申請めぐり今週3社目のSEC面談、専門家が承認楽観視
米SECは、GBTCから現物型ビットコインETFへの転換申請について、今週29日に申請側のグレースケール(2度目)と会議を行ったことが判明した。仮想通貨ビットコインは年初来高値を更新した。
06:00
ソラナDEX「Jupiter」、仮想通貨JUP無料配布の事前確認ページ公開
ソラナ基盤の分散型取引所アグリゲーター「Jupiter Exchange」は独自トークン「JUP」の無料配布(エアドロップ)計画について、事前確認の公式ページを公開した。
12/01 金曜日
17:41
「暗号資産の投資状況と確定申告」に関する調査、年内取引で約7割が利益
Aerial Partnersが2023年の暗号資産取引調査結果を公開。ビットコインなどの現物取引だけでなく、PoS銘柄のステーキング利用度が高まりつつあり、利益を出している投資家増加に伴い「確定申告」の必要性も上がっている。
16:03
米投資会社タイガー・グローバル、BAYCやOpenSea投資の評価額を大幅下方修正
タイガー・グローバル・マネジメントが、有名なNFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」(BAYC)と主要なNFTマーケットプレイスであるOpenSeaへの投資により、大幅な含み損を抱えていると報じられた。同社の直近の投資動向と報告内容についてまとめる。
16:00
「ビットコインがもたらす革命をSNSへ」Nostrasia特集を配信
第10回のGM Radio:Beyond The Priceは11月22日に公開。今回は11月に東京などで開催されたイベントNostrasiaを特集した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア