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米SEC、バイナンスUSによる証拠開示が不十分だと批判

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECとバイナンスによる共同現状報告書

米証券取引委員会(SEC)は5日に提出された共同現状報告書で、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスUSが、係争中の訴訟における同意命令の情報開示条項を十分に満たしていないと主張した。

SECは昨年6月、グローバル版バイナンス、バイナンスUS、同社の創設者でCEO(当時)のチャンポン・ジャオ(CZ)氏を、証券法違反などの容疑で提訴。バイナンスUSの顧客資産が分別管理されず、米国外のバイナンス従業員によって不適切な扱いを受けている恐れがあると指摘した。

関連:米SEC、バイナンスUSの資産凍結を要求

今回公開された報告書は、2024年1月26日の裁判所命令に回答するもので、SECおよびバイナンスUS運営会社(BAM Management US Holdings とBAM Trading Services:総称BAM)、グローバル版バイナンス(Binance Holdings Limited: BHL)そしてCZ氏が、進行中の証拠開示活動をそれぞれ詳述するものとなっている。

SECは、バイナンスUS(以下BAMと表記)が要求された開示資料を完全に作成することなく、未解決となっている特定の重要な質問に十分な回答が得られていないと主張している。

一方、BAMは命令で課された義務は遵守しており、裁判所は現時点で、BAMに関する証拠開示を終了すべきだと述べており、両者の見方は大きく食い違っている。

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SECの主張

SECは、訴訟開始時からBAMは顧客資産(秘密鍵と管理鍵を含む)および関連する送金と出金については、単独で監視および管理を行なってきたと表明してきたと指摘。しかし、これまでの証拠開示プロセスによって、BAMの主張は現状と異なり、BAMが同意命令に十分に遵守しているとは言えないと述べ、未解決の質問として、以下の点をあげた。

  • BHLがBAMのホットウォレットおよび顧客のウォレットのカストディまたは管理権を持っているか
  • BHLがBAMのコールドストレージおよびステーキングウォレットのカストディまたは管理権を持っているか
  • 米国外のBAM担当者が、BAMの顧客資産を管理し、バイナンス事業体から報酬を受け取っているか
  • バイナンス事業体が関与する送金に関して、BAMの監視は十分か

質問の根拠となる事例としてSECは、BAMの証人による証言に言及した。

BHLは、BHLのサーバーとBAMのウォレットソフトをホストしているアマゾンウェブサービス(AWS)で、これらのウォレットの秘密鍵のカストディを依然として掌握している。そして、BAMはAWS環境やサーバー、ソフトウェアへのアクセスはできなかった。

以上のような課題が残っている限り、BAMは証拠開示において義務を果たしたとは主張できないとSECは批判。このような未解決の問題に対処するため、BAMに更なる証拠開示を行う命令を下すように裁判所へ要請した。

さらにSECは、新たに作成されたウォレットに関する情報や未払いの会計に関する情報についても、BAMからの開示を求めている。

バイナンスの主張

バイナンス側は、前回の現状報告以降、BAMが昨年9月21日付のSECによる70件以上の文書請求に応じるとともに、顧客資産に関わるBAMのシステムをSECが検査したと述べた。

また訴訟開始以降、資産保管に関するSECの「極めて広範な要求と根拠のない懸念」に対処することによって、同意命令に準拠した「限定的な」証拠開示を提供する義務を上回る対応をしてきたと主張した。

  • カストディ業務について考え得るあらゆる側面についての文書作成
  • 検証された会計情報の提供
  • SECの多くの尋問に回答、補足
  • 宣誓の下、多数の証言と証明書を提出
  • カテゴリー別の支出に関する月次報告書の提出
  • SECによる顧客資産に関する主要システムと共有デバイス検査の円滑な遂行
  • SECは数十人の証言を得るとともに、第三者から広範な証拠を入手

バイナンスは、SECがさらに負担のかかる証拠開示を要求する一方で、「BHLが顧客資産を管理していることを示すわずかな証拠すら提示していない」と批判した。

関連:米SEC、バイナンスUSの顧客資産の保管方法について開示請求

暫定CEOの意見

バイナンスUSの暫定CEOであるノーマン・リード氏は1月、米経済誌フォーチュンへ寄稿し、SECと対抗する姿勢を明らかにした。

リード氏は、「SECは議会でも裁判所でも認められていないのにも関わらず、デジタル資産の管轄権を奪おうとしている」と指摘。包括的な規制の枠組みを導入する代わりに、「単発の訴訟」を起こすことで、自身のテリトリーを示そうとしていると批判した。

SECには、このような対立的なアプローチよりもより良い「救済策」があると同氏は主張する。

  • 公正な通知の提供:「ゲーム開始前にゲームのルールを提示」
  • 仮想通貨の破壊につながる恣意的で気まぐれな取り組みの中止
  • 議会と協力して効果的な規制の枠組みを設計

仮想通貨に対する規制乱用の影響は重大であるため、正面から取り組むべきであり、環境が整うまで、バイナンスと業界は「闘いを続ける」とリード氏は述べた。

また同氏は、「政府の越権行為に立ち向かうことは、アメリカの伝統」であり、その伝統の一部であることを誇りに思うと決意を表明した。

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