CoinPostで今最も読まれています

リップル社、スタンダード・カストディの買収完了 米ドルステーブルコイン発行へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

スタンダード・カストディを買収完了

米リップル社は11日、暗号資産(仮想通貨)カストディ企業Standard Custody and Trust Company(以下、スタンダード・カストディ)の買収を完了したと発表した。

また、スタンダード・カストディのジャック・マクドナルドCEOが、その職位を維持したまま、リップル社のステーブルコイン担当シニアバイスプレジデントに就任するとしている。

リップル社は、米ドル建てのステーブルコインを今年後半に立ち上げる計画だ。投資銀行やフィンテック、デジタル資産など金融業界で30年以上のキャリアを持つマクドナルド氏がこのプロジェクトを率いていくことになる。

この新たなステーブルコインは、XRP台帳(XRPL)とイーサリアムのブロックチェーンで発行される。米ドル預金・米国政府の短期国債・その他の現金同等物を裏付け資産とするもので、リップル社は毎月証明書を発行する計画だ。USDCやUSDTの競合になると考えられる。

関連: リップル社、米ドルステーブルコイン発行へ

リップル社は、ドル建てステーブルコインの発行は、同社がブロックチェーンと従来型金融システムのギャップを埋めていく上での自然なステップだと述べた。

このステーブルコインは、XRPL上の分散型取引所(DEX)についても流動性を高め、開発者、ユーザー、企業向けの用途を促進するとしている。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

スタンダード・カストディは、機関グレードの保管およびエスクロープラットフォームを提供している企業。米ニューヨーク州の金融サービス局(NYDFS)から信託会社としての認可や送金ライセンスを得ている。

リップル社はスタンダード・カストディを買収したことで、これらのライセンスを取得した格好だ。リップル社はその他、米国全土の送金ライセンス、シンガポール通貨庁の主要決済機関ライセンス、アイルランド中央銀行の仮想資産サービスプロバイダー(VASP)ライセンスなどを保有している。

関連: リップル社がアイルランドでVASP認可を獲得、欧州デジタル資産市場への進出を加速

RWA資産などに取り組みへ

リップル社は昨年5月にも、スイスを拠点とするデジタル資産カストディ企業Metaco(メタコ)を約344億円で買収していた。

この買収は、機関投資家向けのデジタル資産カストディ業界が2030年までに10兆ドル(約1,570兆円)に達する可能性があるという見積もりを背景に行われている。

リップル社は、メタコのプラットフォームにより機関向けサービスを拡大し、仮想通貨含め、トークン化された現実資産(RWA)など様々なデジタル資産を保管、発行、決済するためのテクノロジーを顧客に提供していく。

関連: リップル社、仮想通貨カストディ企業Metacoを買収

リップル社は、仮想通貨以外にも様々なデジタル資産の事業を展開していく方針を示しており、スタンダード・カストディとメタコの買収について次のように説明している。

両社を取得した背景には、デジタル資産の幅と重要性の広がりがある。ステーブルコインやCBDCから、株式、債券、商品、不動産など現実世界の資産(RWA)をトークン化したものまで、様々な資産が存在している。

市場参加者は、こうした新たな資産クラスや、より広範なトークンエコノミーへアクセスできるようにするための、信頼性、有用性、流動性を必要としているところだ。リップル社は、こうしたエコノミーの成長を加速させることに注力していく。

関連: 米リップル社、OTC取引によるXRP価格抑制を否定 対SEC裁判で

関連: 「今後XRP、ソラナ、ADAの現物ETFが実現するだろう」米リップル社CEO見解

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア