- 藤巻議員が「仮想通貨税制を変える会」を発足
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税制改正に関して以下の4点を掲げ、数は力だとして、国民の声を国会に届けたり、署名を集めるための「サポーター」を募っている。
・最高税率55%の総合課税から20%の分離課税へ
・損失の繰越控除を可能に
・仮想通貨間の売買を非課税に
・少額決済を非課税に
- 藤巻健史議員プロフィール
- 参議院議員。「日本維新の会」政調会長代行。元モルガン銀行東京支店長。ジョージ・ソロス氏アドバイザーを歴任。
金融知識に精通し、仮想通貨市場を盛り上げるべく活動する国会議員。「仮想通貨の税制改正」について国会で問題提起するなど、仮想通貨及びブロックチェーン業界の発展に尽力している。
▶️Twitter:藤巻健史(@fujimaki_takesi)
藤巻議員が「仮想通貨税制を変える会」を発足
2018年12月10日、参議院議員(日本維新の会)の藤巻健史議員が、「仮想通貨税制を変える会」を発足させた。
現在の仮想通貨税制に疑問を持つ投資家を中心に、TwitterなどSNS上でも大きな反響を呼んでおり、1月上旬時点で5,000人を超えるサポーターが集まった。同議員によれば、政治を変えるには数の力が大事であり、匿名でも良いから参加してほしいと呼びかけている。
第一目標として、10,000人を目指す。
ありがとうございます。そうなんです。仮想通貨税制を変える会の入会にはメールアドレスだけでできます。費用等はゼロです。税制を変えたいという方が数多くいることを政府に示すのが最大の目的です。 https://t.co/01Gxcd6b0T
— 藤巻 健史(経済評論家・参議院議員) (@fujimaki_takesi) 2018年12月31日
現状の仮想通貨税制は、ブロックチェーンおよび仮想通貨の発展を阻害しかねず、国際社会に遅れをとることを懸念する同議員は、税制改正を目指すことで、国益につなげていく考えだ。
「税制を変える会」4つの主張
藤巻議員は、先日行ったコインポストのインタビュー『なぜ、仮想通貨の税制を改正すべきなのか』でも、FXとか株式投資は分離課税で、なぜ仮想通貨だけ総合課税なのか、という問題もあり、税の中立性や公平感という観点に欠けていると指摘。
また、カジノ関連法案や競馬の利益が一時所得になると報じられている件についても、仮想通貨だけ例外とする不公平感に疑問を呈し、通常国会で矛盾点の追求を行うとしている。
税制改正に関して、以下の4点を強調していた。
最高税率55%の総合課税から20%の分離課税へ
給与所得のように安定した収入が見込まれるものであるならば、総合課税適用も合理性があるが、仮想通貨の取引益はそうではない。
株式や投資信託・FXと同様に収益は不安定で、損失を出す年もありえる。
損失の繰越控除を可能に
仮想通貨の取引損を翌年以降に繰り越すことは認められていおらず、仮に今年大きな損失を出してしまったが翌年はそれなりの利益を出した場合、通算の損益はマイナスであったとしても多額の税金を納めなければならない。
同じ性質を持つ株式や投資信託・FXの取引損は繰り越すことができ、税の公平性の観点からも、仮想通貨の取引損の繰越控除を認めるべき。
仮想通貨間の売買を非課税に
一回の取引ごとにその都度損益を計算する作業は、極めて煩雑で大きな負担となってしまう。
仮想通貨間の取引量を増加させ、仮想通貨市場を活性化させるために、仮想通貨間の売買を非課税とすべき。
少額決済を非課税に
今後取引の増加が見込まれる実社会における仮想通貨の決済も、現在の税制では課税対象とされているが、それでは実社会での仮想通貨決済の浸透は到底望めない。
少額の仮想通貨決済は非課税とし、実社会での仮想通貨決済を拡大させていくべき。
発足の目的
発足の経緯と目的に関しては、公式サイト上で以下のように述べている。
- ブロックチェーン技術は、社会インフラを大きく向上させる確かな技術であると確信
- 経産省が以前公表した報告書によると、ブロックチェーン技術の展開による(潜在的な)市場規模は「65兆円以上」であると見込まれている
- 日本は、ビットコイン取引量が世界最大級であり、国内有力機関の仮想通貨市場への参入が相次ぐ我が国において、ブロックチェーン技術は世界の最先端であるべきで国益に直結する
- ブロックチェーン技術の向上には、ブロックチェーン技術と表裏一体にある、仮想通貨の社会への広い浸透・更なる実用化が不可欠
- 「仮想通貨の税制は適切なものでなければならない、税制が仮想通貨やブロックチェーンの未来を潰してはならない。」その想いから『仮想通貨税制を変える会』を立ち上げに至った。
孤軍奮闘する藤巻議員
CojnPostでも先日紹介したように、国会(参議員予算委員会)で安倍総理や麻生大臣に「仮想通貨の税制」について質問、提言するなどしており、積極的に取り組んでいる。
CoinPostインタビューでは、以下のように述べていた。
日本の名目GDP(国内総生産)は、ここ30年間で世界に大きく遅れをとっており危機感を覚える。
今後、日本人が食べていくための産業をしっかりと育てないといけない。このままだと、三流国….四流国になってしまいかねないので、大胆に変革させて成長させなければならない。
しかし、政治を動かすためには、政治の世界に入っていないと上手くいかない(国会の先生方にはなかなか声が届かない)。
これまで年配の官僚は、仮想通貨に対してさほど興味なかったと思う。しかし、私が厳しい質問を繰り返すことで、彼らは勉強せざるを得ないし、仮想通貨の知識も必然的に増えてくる。
国税庁の長官など、日本市場のルールを”規範していく存在”が、仮想通貨に対する理解を深めることは大きなメリットだと考えている。国会の場で「仮想通貨の税制について取り上げる」という行為は、非常に重要なことだ。
「仮想通貨の税制を変える会」を立ち上げた際は、数は力なので匿名でもいいので後援者になっていただいて、署名などを集めたい。
日本経済と新たな成長産業
日本政府の予算は、税収などの歳入を政府支出の歳出が大幅に上回っているような状態だ。
現在の日本では、少子高齢化が加速する中、医療や介護などの社会保障費の膨張や教育無償化などの充実に向けて「財源の確保」が必要とされており、日本政府は2019年10月に「消費税率を現行8%から10%に引き上げる」方針を示している。
消費税増が予定される中、過去の増税時における景気の落ち込みと、それに伴う株価(株式市場)の暴落を防ぐための対応策が議論されており、日本経済への悪影響が懸念されている。
かつては技術大国と呼ばれた日本だが、液晶テレビなどの電化製品やスマートフォンのシェア(米AppleのiPhoneや韓サムスンのGalaxyなど)に大きく後塵を排し、日本を代表する大手電機メーカーが倒産の危機に窮するなど、その凋落ぶりも取り沙汰されている。
このように名目GDP(国内総生産)や新興成長産業の鈍化もあり、深刻な”財政問題”を抱える日本が世界に遅れを取らぬよう発展するためには、政府や規制当局が先陣を切って、日本の将来を担う「仮想通貨(ブロックチェーン)」への理解を深めることが不可欠に思われるが、他の議員の方々の仮想通貨に対する興味や反応は、決して芳しいものではないという。
伝統金融にない”新しい資産クラス”への偏見や先入観も少なからずあると考えられ、健全な規制を確立する規制当局との折衝のためにも、仮想通貨(ブロックチェーン)業界の将来について議論する「超党派の議員連盟」設立など、日本の将来のため、党や派閥を超えた仕組み作りが求められる。
「日本の税制を変える会」公式サイト:https://kasou-tax.jp
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