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「バナナゾーン」に突入か
ゴールドマン・サックスの元幹部でマクロ研究機関Real Visionの創設者であるラウル・パル氏は1日、暗号資産(仮想通貨)の強気相場は、来年(2026年)まで続く可能性があるとの見解を述べた。
パル氏は、仮想通貨の強気相場を「バナナゾーン(The Banana Zone)」と独自の用語で呼んでおり、これは仮想通貨の歴史で過去3回見られたとしている。2025年現在はバナナゾーンが到来しつつも、現在は第1次調整期にあると続けた。
このパターンは、日本でも“仮想通貨元年”と呼ばれた最初のバブルである2017年にも見られたものだという。仮にこれが当てはまるとすれば、現在の調整後、3月後半には価格が上昇を始め、4月~6月には価格面でさらに大きな動きが見られるのではないかと意見している。
LEGOクリプトニュアンスとグローバル・マクロ・インベスターの分析によると、2011年、2014-2016年、2019-2020年、そして現在の2022-2024年のサイクルにおいて、類似のパターンが繰り返されていることが確認できる。
各サイクルは「修正フェーズ1・2」を経てバナナゾーンへと進展し、このゾーンでは価格が短期間で数倍から数十倍に膨れ上がる可能性がある。
ラウル・パル氏の分析は、ダウ理論など伝統的な技術分析理論をビットコインの特性に適用し、独自の表現を用いて発展させたものと見ることができそうだ。
さらに、6月ごろまでの上昇局面の後には、再び調整が入り、その後は今回のサイクルの終わりにかけて最終的な価格のピークに向け上昇するだろうとも予想した。
日本時間3日未明にかけて、トランプ米大統領がビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、XRP、ソラナ(SOL)、エイダ(ADA)などを含む「仮想通貨準備金」の創設を指示したと発表したことを受けて、関連銘柄が大幅に反発しているところだ。
関連:トランプ大統領がXRP、SOL、ADAを含む「仮想通貨準備金」の創設を発表
なお先月には、スタンダード・チャータード銀行のデジタル資産調査責任者は、ビットコインが今年中に20万ドル(約3,000万円)まで達し、トランプ大統領の任期終了前には50万ドル(約7,500万円)まで上昇する可能性があるとの強気予測を発表していた。
条件としては、大手企業による仮想通貨セクターへの参入が進み、米国で関連規制が明確化されることを挙げた。こうしたことが実現すれば、時間の経過とともに市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)は低下し、上昇ポテンシャルが高まるとしている。
関連:スタンダード・チャータード予測:ビットコイン価格、トランプ任期中に50万ドルへ
ISM指数とビットコイン
またパル氏によれば、ビットコインの相場サイクルは、景気先行指標の一つであるISM製造業指数とも相関性がある。ISMの値は、50以上で製造業やサービス業が拡大しており、好景気を表すとみなされる。
パル氏は、トランプ大統領とベセント財務長官はプライベートセクター(民間企業)が好調であることを望んでいると指摘。これは、民間企業の事業拡大を表すISM指数の上昇にもつながる可能性があると見ている。
ISMとは
企業の購買担当者のアンケートをもとに、景気動向を示す指数(ISM指数)であり、金融市場やFRB(米連邦準備制度)も注目する。
過去データを参照すると、もしISMが56から65の間に上昇すればビットコイン価格についても期待できると続けた。
ISMがどのくらい上がるかは不明だが、もし仮に60まで上昇した場合、ビットコインが30万ドル(約4,500万円)以上になる可能性もあるとの見解を示している。