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「決済用ステーブルコインは利子提供不可」米ヒル議員が強調 コインベースらの嘆願却下

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「利子の提供については議会で合意ならず」

米下院金融サービス委員会のフレンチ・ヒル委員長(共和党)は3月31日、決済用ステーブルコインは、ユーザーに利子を提供することはできないものと考えられていることを強調した。

大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースなどからは利子付きステーブルコインを許可すべきとする声が上がっているが、これが却下された格好だ。

例えばコインベースのブライアン・アームストロング氏は、Xへの投稿で次のように表明していた。

米国のステーブルコイン法案は、消費者がステーブルコインで利息を得られるよう認めるべきだ。政府は、ある業界を他の業界より有利にするべきではない。

銀行と仮想通貨企業はどちらも、消費者に利息を提供することを許可されるべきであり、そうするよう奨励されるべきだ。

アームストロング氏は利子を提供すべき理由として、インフレにより消費者が購買力を失っていることや、グローバルな金融包摂、キャッシュフローを増加させる効果などを挙げている。

その上で、現在の法律でステーブルコインは、普通預金口座などとは異なり、ユーザーに利息を支払うことを許可するような証券法の免除が適用されていないと指摘した。

ステーブルコインも、証券法が課す複雑な開示要件や税金の影響なしに、利息を支払うことができるようにすべきと主張している。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

一方でフレンチ・ヒル氏は今回の記者会見で、ステーブルコイン法案が起草されたのは、そもそも「ステーブルコインは投資商品ではなく、効率性を高めるために設計された決済手段とみなすべき」という考えを土台にしてのことだったと話した。

それが議会の上院下院で確立されたコンセンサスだとも強調している。また、アームストロング氏の意見については聞いているが、「私はステーブルコインを銀行口座と同じようには見ていない」とコメントした。

米ドル建ての決済用ステーブルコインが利子を支払うことについては、政党や両院の間で合意が得られてはいないと続けている。

現在、米国の上下両院でステーブルコイン法案の審議が進められているところだ。下院は3月26日、ステーブルコイン透明性および説明責任法(STABLE法案)の改訂最新版を提出。利回り支払いを禁止することも新たに盛り込んだ。この点は、上院で進められているステーブルコイン法案とも共通している。

関連米下院、決済用ステーブルコイン法案の最新版を提出 利子付きは除外など変更点

トランプ一族のWLFIも利子付きステーブルコイン構想か

フレンチ・ヒル氏は、ドナルド・トランプ大統領が関与する仮想通貨関連活動が、ステーブルコイン法案の議論を複雑にしているとも苦言を呈したところだ。トランプ氏の活動が、法案を成立させる上で民主党からの批判を招くことを懸念したとみられる。

トランプ一族が率いるDeFi(分散型金融)プロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」の共同創設者であるチェイス・ヘロ氏も先週、「人々が、4%、5%、6%の利回りがあるドルを口座に保管し、直接支払いを行えるようにする」ことを提唱していた。

WLFIは、利子付与については現時点で不明であるが、独自の米ドル建てステーブルコイン「USD1」を発行したところだ。

関連トランプ一族のワールドリバティ、ステーブルコイン『USD1』立ち上げへ

なお、米国では複数州が以前、コインベースのステーキングサービスが未登録証券を提供したと主張し、同社を提訴していたが、新政権下のSECによる規制緩和を背景に取り下げの動きがある。これまでにサウスカロライナ州、バーモント州、ケンタッキー州が訴訟を自主的に取り下げた。

特集:米国の仮想通貨「準備金」構想:トランプ政権・各州の注目点

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