- 仮想通貨市況
- 2019年という新たな年の幕開けも、ビットコイン相場は厳しい状況に置かれている。今回はBakktの発表内容と、マイニングデフィカルティ調整による相場への影響を考察。
マーケット情報
1月1日の仮想通貨マーケット情報
ビットコイン
ビットコインは1月1日、日本時間午前4時半付近でに約1円幅の下落を記録し、30日以降年末年始と相場が続落している。
ビットコインは前日比2.7%安になっているほか、アルトコインも軒並みマイナスの全面安相場となり、2019年開始から厳しい相場が続いている。今回は下落を後押しした要因と懸念点、また現在の相場データを掲載する。
10時時点のデータは以下の通り。
価格 | 前日比 | |
---|---|---|
現在値 | 406,513円 | 2.7%安 |
日中高値 | 421,200円 | |
日中安値 | 401,759円 | |
出来高 | 5033億円 | 2.3%高 |
本日のニュース(マイナスファンダメンタルズ要因も)
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Bakktの最新動向
NY証券取引所の親会社ICEが手がける仮想通貨取引所BakktのCEOを務めるKelly Loeffler氏は、投資ラウンド1が完了したと報告した。
Bakktは、世界最大級株式市場であるニューヨーク証券取引所の運営を行うインターコンチネンタル取引所(ICE)が発表したもので、8月3日に発表された仮想通貨取引所Bakktはマイクロソフト、スターバックス、ボストンコンサルティングなどの有名企業と共にICEの仮想通貨市場参入を意味する今年初めの重要なニュースになっているものだ。
We are pleased to confirm that we have completed our first round of funding of $182.5 million https://t.co/Cc2EsoQMcT
— Bakkt (@Bakkt) 2018年12月31日
発表によると、計12のパートナー企業と巨額投資者から、1億8250万ドル(≒200億円)を調達したという。
出資企業の中から、同社の親企業ICEやMicrosoftのVC部門、著名仮想通貨ファンドPantera CapitalやGalaxy Digitalなどが挙げられている。
相場に影響した可能性があるニュースはここからで、Bakktは11月に、本来12月に開始する予定だった「毎日決済のビットコイン先物取引」を2019年1月24日まで延期すると発表し、当時Leoffler氏は、CFTCにおけるの認可プロセスを進めており、顧客のオンボーディングを高める事などを延期の理由と説明していた。
しかし、上記の出資完了の発表と同じ日(12月31日)に、「ビットコイン先物の開始を再び延期する」と正式に公表したのだ。
公式発表では、
1月24日としていた開始日を、CFTCのプロセスとタイムラインに合わせる形で、2019年はじめに新たな開始日を発表する予定をしている。
とあった。
今回の延期は、2018年12月末から始まった米連邦政府機関の『閉鎖(シャットダウン)』が主な原因とされており、先日のWSJの報道では、「CFTCのスタッフが審査に取り掛かっており、早ければ2019年初頭にはコミッショナーが投票を行い、承認が出された場合、30日間におけるパブリックコメント期間が設けられそうだ」と見ていたが、政府予算案の不一致による閉鎖の終了見込みが未だ無いため、CFTCの機能再開にかかるBakktの審査結果と新たな予定日に関しては不透明感が残る形となった。
Bakktの現物決済のビットコイン先物取引は米国の規制下では初となる事例であり、年初の目先材料が延期された事で相場に悪影響を及ぼした事が考えられる。
ビットコインデフィカルティが10%強上昇
2つ目に挙げられるのは、ビットコインマイニングデフィカルティ値の上昇だ。本日最新の調整が行われた。
今回調整されたデフィカルティの推移は以下の通り
日付 | 難易度 | 難易度変化値 | 当時のBTC価格(bitFlyer) |
---|---|---|---|
Dec 31 2018 | 5,618,595,848,853 | +10.03% | 421,400円 |
Dec 18 2018 | 5,106,422,924,659 | -9.56% | 394,600円 |
Dec 03 2018 | 5,646,403,851,534 | -15.13% | 443,700円 |
Nov 16 2018 | 6,653,303,141,405 | -7.39% | 626,800円 |
2018年末の下落を受け、マイニング業者の一部撤退報道が相次ぐなど、マイニング企業の状況は極めて厳しい状況にあったと言わざるを得なかった。実際にマシン停止の影響を受け、今回を除く直近3回の難易度調整時期に向けてハッシュレートは低下、難易度も3回連続で落ちる動きが見られていた。
しかし、今回の難易度調整では、12月末にかけて見られた一時的な通貨価格上昇も影響しハッシュレートが上昇、難易度も前回から+10.03%も高い水準で調整が行われたことがわかった。
電力費などが据え置かれたと仮定した場合、デフィカルティ値は12月3日の調整時とほぼ同水準であるのに対し、現在の価格はその当時(12月3日)より2万円ほど下回っていることがわかる。
単純にデフィカルティとハッシュ値が上昇していることで、マイニング収益分岐点も安値電力基準で200ドルほど上昇した(正確にはマシンごとに異なる)ことになったが、その上で通貨価格が下落した事で、さらにマイニング業者を圧迫する悪循環の状況に行きつつあることが示唆されている。収益がマイナスになるマイナーが増える可能性を意味する。
マイニング業者撤退や保有資産を電力代に充てるための売却が加速することが市場に懸念されている格好だ。
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