はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米仮想通貨取引所クラーケン、世界の法的機関から犯罪捜査への協力要請件数は前年比3倍に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨取引所クラーケンが透明性図るレポートを公開
仮想通貨取引所クラーケンが「Transparency Report」を公開し、2018年に合計475件もの法執行機関による要請を受けていたことを明らかにした。またその内66%以上が国土安全保障省やFBI等、米政府機関からの申請だった。

仮想通貨取引所に対して急速に増す法的な圧力

「世界で最も信頼できる仮想通貨取引所」と高評価を受けている仮想通貨取引所クラーケン(Kraken)が2018年に合計475件もの法執行機関による要請を受けていたことが、同社のコンプライアンスチームが作成した報告書「Transparency Report」から明らかになった。

(グラフを見れば)なぜ多くの企業が米国のユーザーをブロックするのか分かるだろう。召喚令状の処理費用(ライセンスに関係なく)が、急速に参入障壁となりつつある。調査は前年比3倍に増えている。

クラーケンが2015~2018年にわたり、世界中の法執行機関からの要請件数を比較したインフォグラフィックをTwitterに投稿した。それによると2015年6月にはわずか35件だった要請が、2017年には160件、2018年には475件と急速に増加している事が判明した。

特に米法執行機関の圧力が猛威をふるっており、2018年だけでも315件の要請が行われている。2番手の英国は61件、3番手のドイツは34件など、その差は歴然だ。

また米国では11もの当局が、仮想通貨市場で法案を執行すべく積極的に働きかけている。こうした圧力は仮想通貨取引だけでなく、ユーザーにも大きな負担をかける可能性が懸念される。暗号通貨ビジネスの運営コストが上がれば、最終的にはユーザーが負担する羽目になるためだ。

背景にはビットライセンス、協力要請拒否をめぐるNY州当局との対立か

クラーケンが今回の報告書を作成し、発表した背景には、ビットコインライセンスの発行や協力要請を巡るニューヨーク州当局との対立があると推測される。

世界の金融マーケットの中心地であるニューヨーク州は2015年8月、州内で仮想通貨事業の運営を許可するビットコインライセンスを導入。これにより取引所やウォレットサービス、仮想通貨の発行元を含む仮想通貨業者にライセンスの取得が義務付けられ、無許可の運営は仮想通貨事業法に反する行為として罰せられることとなっている。

またニューヨーク金融サービス局(NYDFS)によって発行されるライセンスの取得条件は非常に厳格で、現時点では決済サービス企業Circleや日本の仮想通貨取引所bitFlyerの米子会社など、わずか数社しか取得に成功していない。

クラーケンは2015年8月、「銀行による支援や無登録業者への罰則などと負担すべき費用が釣り合わない」といった理由で、ライセンス取得の申請を見送り、同州から事業を撤退させていた。

さらに2018年4月、同取引所の創設者のJesse Powell氏がBarbara Underwoodニューヨーク司法長官からの協力要請を拒否。これを受け、国際仮想通貨取引所の「整合性」に関する最近の報告書の中で、Underwood司法長官はクラーケンやバイナンス、Huobiを含む一部の取引所が、取引の部分開示など違反行為を行っている可能性を警告していた。

クラーケンの動向

サンフランシスコで2011年に設立されたクラーケンは、ブルームバーグのターミナルにビットコイン価格および出来高を表示する許可を受けた初の仮想通貨取引所だ。世界中の何十万人ものトレーダーだけではなく、東京地裁により任命された管財人やドイツ連邦金融監督所管理下にあるFidor Bankなどからも信頼を得ている。

2017年11月にはサイバーセキュリティ企業Group-IBが選出した仮想通貨取引所のセキュリティー格付け調査でも、「世界で最も安心して利用できる仮想通貨取引所」に選ばれた。

また同年9月にはOTC取引プラットフォームのサービス開始を発表。顧客は17種類のデジタル資産および3種類の法定通貨による大口取引が可能になる。OTC取引は従来の証券取引で「店頭取引」「相対取引」と呼ばれるもので、売り手と買い手の仲介をブローカーと分散型ネットワークが行う。

また以前のBloombergの報道によると、仮想通貨関連の調査に本腰を入れている法的執行機関の一つ、連邦捜査局(FBI)は2017年6月の時点で、既に130件もの調査を実施していた。

同捜査局の監督特別代理人Kyle Armstrong氏は、FBIが数千件もの調査に対応していることを考慮すると、「仮想通貨関連の調査件数は他の分野よりもはるかに少ない」とコメントしているが、仮想通貨関連の調査が急速に増えている事実は無視できない。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者10,000名突破。

CoinPostの関連記事

仮想通貨取引所クラーケンがリップル(XRP)とビットコインキャッシュの証拠金取引を開始
仮想通貨取引所クラーケンが28日、新たなに仮想通貨リップルとビットコインキャッシュの証拠金取引を開始すると発表。これにより、クラーケンではビットコインやイーサリアムなど8種類の仮想通貨で証拠金取引が可能となった。
ビットコイン4000ドル上回り ライトコイン時価総額6位に浮上、Bitfinexの大型メンテナンスは本日午後7時|仮想通貨モーニングレポート
ビットコインは7日、重要ラインの4000ドルを上回り前日比6%以上上昇。好材料で上昇中のライトコインは時価総額6位となった。本日19時よりBitfinex及びEthfinexは大型メンテナンスでサービス休止、相場急変動に要警戒。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/24 土曜日
13:50
コミュニティ投票を提案 Sui上DEX「Cetus」の230億円盗難資金返還に向けて
Sui上のDEX Cetusが2.2億ドル仮想通貨盗難で6000万ドル回収に国際捜査連携、1億6200万ドル凍結資金の返還についてSuiコミュニティ投票を提案。
13:20
ステーブルコインが2兆ドル規模の米国債需要を創出可能=米財務長官
ベッセント米財務長官がステーブルコイン推進により2兆ドルの米国債需要が創出されると予測した。また、トランプ政権の関税交渉の行方についても見解を示している。
11:35
ビットコイン下落でストラテジー株が7.5%安、メタプラネットは一時ストップ安
トランプ大統領の関税発言を受けビットコインし関連企業の株価にも飛び火。一方、安全資産の金は大幅反発。
10:25
ビットコイン、史上最高値更新も大口売り圧力は限定的か=アナリスト
仮想通貨ビットコイン史上最高値更新中、Cryptoquantアナリストが大口投資家動向を分析。取引所流入3億ドルと低水準維持。MVRV比率の乖離現象で市場構造変化を指摘。
09:45
今回のビットコイン強気相場は機関投資家主導、個人からクジラへ移行=Matrixport
仮想通貨ビットコイン上昇を主導する層が個人投資家から機関投資家に移行しているとMatrixportが分析した。企業のビットコイン財務戦略採用で市場構造が変化していると述べる。
09:15
CZ、トランプ一族のWLFIとの関係に関するWSJ報道に反論
トランプ家の仮想通貨プロジェクトWLFIのフィクサーではないと、バイナンス前CEOのCZ氏がWSJの報道内容に反論した。これまでの経緯も明かしている。
08:20
ハイパーリキッドのHYPEトークン最高値更新、OIが90億ドル突破
仮想通貨分散型取引所HyperliquidのHYPEトークンが史上最高値37.24ドルを記録。オープンインタレスト93億ドル突破と大口10億ドルロングポジション構築が価格急騰を後押し。
07:32
スウェーデンのH100グループ、同国上場企業初のビットコイン戦略開始
スウェーデンのH100 Group ABが50万ドルで4.39ビットコインを購入し、同国初の上場企業による仮想通貨準備金戦略を開始。議会の国家ビットコイン準備金提案と同時期の動向として注目。
06:35
米セムラー、455ビットコインを追加購入
米ナスダック上場の医療技術企業セムラー・サイエンティフィックが仮想通貨ビットコインを455BTC追加購入し総保有数4264BTCに。一方で株主代表訴訟の可能性も浮上。
06:15
ビットコイン・イーサリアム・XRP反落、トランプのEU・アップル関税発言を受け
トランプ大統領がEU輸入品50%関税とアップル25%関税を発表後、仮想通貨ビットコインが11万ドルから10万8400ドルに急落。仮想通貨市場で2億ドル超の清算発生。
05/23 金曜日
18:05
ビットコインは今後どうなる?2025年の価格展望・注目材料
2025年5月、仮想通貨ビットコインは11万ドルに到達。今後どうなるのか?価格上昇を支える5つの注目材料と専門家の予測を解説します。
13:50
セイラー率いるストラテジー社のビットコイン戦略を徹底分析=VanEck
資産運用大手VanEckがストラテジー社(MSTR)のビットコイン戦略を分析。レバレッジをかけたBTC投資商品として評価し、プレミアム発生理由と主要リスクを解説した。
13:25
政府・日銀、デジタル円に関する第2次中間整理を公表 プライバシー保護と民間決済との共存策を検討
政府・日銀、CBDC第2次中間整理を発表。日銀が個人情報を扱わない「二層構造」でプライバシー保護を。民間決済手段との共存や相互運用性向上に向けた具体的検討結果をまとめた。
13:00
『ビットコインピザの日』15周年 ATH更新も長期保有者の利益確定は減少=データ
仮想通貨ビットコインは初取引を記念するピザ・デー15周年を迎え史上最高値を記録した。一方で、長期保有者の利益確定は昨年12月比で大幅減少している。
12:08
ビットコイン11万ドル台で推移、個人投資家の出遅れシグナルは持続性を示唆
ビットコインは11万ドル超の最高値圏で推移。ムーディーズによる米国債格下げを受け、ヘッジ手段としてのBTC需要が急増した。一方、SECはXRP・ライトコインETFの承認判断を8月に延期している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧