
トークン化トレンドが触媒に
ビットワイズの投資責任者(CIO)マット・ホーガン氏は7月8日、ロビンフッドからxStocksまでの最近の株式トークン化開発動向を受け、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、XRP、チェーンリンク(LINK)などの関連仮想通貨価格への影響が早期に現れる可能性があると発表した。トークン化とは、株式や債券など現実資産(RWA)をブロックチェーン上に移行する技術だ。
この見解の背景には、過去1か月間に相次いだ業界の大きな動きがあった。ロビンフッドはイーサリアムレイヤー2ネットワークのアービトラム上で、クラーケンはソラナおよびBNB基盤でそれぞれトークン化株式取引を開始した。さらに複数の金融機関は株式と債券取引向けの新しいレイヤー1ブロックチェーン「カントンネットワーク」に1億3,500万ドルを投資している。
関連:ソラナ対応のトークン化株式「xStocks」、BNBチェーンに拡大へ
規制面でも追い風が吹いている。SEC委員長ポール・アトキンス氏はトークン化を重要な「イノベーション」と評価し、SECは「市場でのトークン化推進に焦点を当てるべき」と発言した。執行による規制の時代は「終わった」とも述べ、業界の発展を後押しする姿勢を示している。
ホーガン氏が注目するのは、トークン化市場の巨大な潜在規模だ。ブラックロックCEOラリー・フィンク氏の「すべての株式、債券、ファンド、資産がトークン化可能」という発言を引用し、株式市場117兆ドル、債券市場140兆ドルの計257兆ドルがトークン化競争の対象になると分析している。
投資戦略として、ホーガン氏はイーサリアム、ソラナ、リップル、チェーンリンクなどの主要レイヤー1ブロックチェーンとインフラ関連銘柄のバスケット投資を推奨した。特定の勝者に賭けるのではなく分散投資が重要だとし、フィンク氏の予測が正しければトークン化市場は今後数年で4,000倍以上成長する可能性があると指摘。
また、「ロビンフッドがトークン化取引を展開すれば、チャールズ・シュワブなどの競合他社も積極的に研究を進めるだろう」と指摘し、この秋に追加発表の波が予想されると予測している。
関連:ロビンフッドCEO OpenAI株式トークン化を「革命の種」と表現も、提携否定で波紋広がる