
BNBチェーンに拡大へ
仮想通貨取引所クラーケンと、株などのトークン化サービスを提供するBackedは9日、BNBチェーン(BNB)と戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。
今回のパートナーシップによって、ソラナ上で展開していたxStocksをBNBチェーンに拡大すると説明。クラーケンの顧客は数週間で、BNBチェーンを介してクラーケンのプラットフォームでxStocksを送受信できるようになるとした。
xStocksは、株やETFをブロックチェーン上でトークン化して取引できるようにするサービス。例えば、コインベースの株は「COINx」、テスラの株は「TSLAx」というティッカーで取引される。
BNBチェーンでは、「BEP-20」の規格でxStocksをBackedがデプロイ(展開)する。従来の資産をオンチェーン化して、米国に上場する株やETFをブロックチェーン上で1週間休みなく取引できるようにし、これまでの市場にアクセスできなかった人々にもアクセスを解放するとクラーケンとBackedは述べた(現在クラーケンで取引できるのは週5日のみ)。
なお、米国の投資家はxStocksにアクセスすることはできない。
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BNBチェーン採用の理由
クラーケンとBackedは、BNBチェーンを採用した理由について、パフォーマンスが高いこと、取引手数料が安価なこと、オンチェーン活動が活発で最大規模のブロックチェーンエコシステムの1つであること、コミュニティ活動が非常に活発であることなどを挙げた。
そして、世界最大規模のブロックチェーンエコシステムを目指すxStocksにとって、BNBチェーンへの拡大は重要なマイルストーンであると述べている。
今回の発表でBackedの共同創設者Adam Levi氏は、以下のようにコメントした。
xStocksは、中立な公共財の資産として構築されている。BNBチェーンへの拡大は、株のトークン化のスタンダードになるための重要なステップだ。
我々の目的は伝統金融をブロックチェーン上にもたらすこと。これはアクセスの改善だけでなく、真の構成可能性によって実現する。トークン化した株はDeFi(分散型金融)と融合することで、ステーブルコインの規模や有用性を超えるだろう。
世界にユーザーがいて流動性が高いBNBチェーンは、このビジョンを達成するための最適なパートナーだ。
最近、株やETFのトークン化サービスの開発が加速してきた。米国でも規制整備が進められている。
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