
240日期限切れで自動承認主張
米大手仮想通貨投資会社グレースケール・インベストメンツは7月8日、米証券取引委員会(SEC)による仮想通貨ファンドETF化承認停止に対して強く反発する書簡を提出した。同社は240日の法定期限切れにより提案が自動承認されたと主張し、投資家への損害を指摘している。
SECは7月1日、取引市場部門によるグレースケール・デジタル・ラージキャップ・ファンドのETF転換承認決定について委員会レベルでの見直しを発表した。NYSE Arcaでの上場は委員会の追加措置まで一時停止される状況となっている。
グレースケールの法律顧問は、2010年制定のドッド・フランク法に基づく証券取引法第19条により、提案公表から240日以内にSECが承認または不承認を決定する義務があると主張している。同社は7月2日の期限切れにより提案が自動承認されたと解釈を示した。
対象ファンドは現在、店頭市場で認定投資家向けに取引されているバスケット型仮想通貨投資信託である。ポートフォリオの約80%をビットコイン、11%をイーサリアムが占め、XRP、ソラナ、カルダノなどの主要銘柄も組み入れられている。
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グレースケールは書簡で「ファンドの公開開始遅延により、グレースケール、取引所、既存投資家が損害を受けている」と述べ、停止措置の解除を求める請願書提出を検討していると表明した。同社は規則431による停止措置が議会制定の240日期限を無効化できないと主張している。
SECの新指導部は仮想通貨業界への規制明確化を進めており、専門タスクフォースを設置して包括的な規制枠組み策定を目指している。グレースケールは今後も委員会との協力的な関係維持を表明した。
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