
過去最高の純利益(含み益)
米ストラテジー(旧マイクロストラテジー、ナスダック:MSTR)が31日発表した2025年第2四半期(2Q)決算は、純利益100億ドル、1株当たり利益32.6ドルを記録した。営業利益は140億ドルに達し、前年同期比7,106%の大幅増となった。
同社は世界最大の企業ビットコイン(BTC)保有者として知られ、6月30日時点で628,791 BTCを保有している。総取得コストは460.7億ドル、平均取得価格は1ビットコイン当たり73,277ドルとなっている。
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この巨額のビットコイン関連利益(含み益)は、FASBの新会計基準(ASU 2023-08)により、未実現利益を純利益として計上可能になったことが背景にある。2024年12月以降適用のこのルールは、ビットコインを公正価値で評価し、市場価格の変動を毎期の純利益に反映するものだ。
新基準は、仮想通貨の価値変動をリアルタイムで財務諸表に反映し、投資家に透明性を提供することを目的としている。
第2四半期のビットコイン関連利益(BTC $ ゲイン)は132億ドルに上り、年初来のBTCイールドは25%を達成した。これにより同社は当初の年間目標25%を大幅に上回り、新たに30%へと上方修正を発表している。(BTCゲインは、期間初めに企業が保有するビットコインの数量に、その期間のビットコインの収益率(利回り)をかけたもので、ビットコインの数量ベースでの収益を示す。一方、BTC $ ゲインは、BTCゲインをビットコインの市場価格に基づいてドルに換算したもので、収益をドル価値で表した指標)
フォン・ル最高経営責任者は「今回の結果が我々のビットコイン財務戦略の規模と資本市場プラットフォームの強さを示している」と述べた。同社は複数のATMプログラムやIPOを通じて約68億ドルの資金調達を実施している。
なお、同社は2025年度通期見通しでは営業利益340億ドル、純利益240億ドル、1株当たり利益80ドルを見込んでいる。これはビットコイン価格が年末に15万ドルに達することを前提としていると同社の最高財務責任者が説明した。
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