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米SECに提出された「登録免除」の仮想通貨ICO総数が前年比500%増加|裏口のレギュレーションDとは

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2018年、米SECから適用免除のICO総数が昨年より550%増加
2018年に米SECに提出されたICO関連の「私募フォームD」の総数は287にも上り、計87億ドル(≒9444億円)の資金調達が行われた。2017年の私募ICOの総数44から550%増加、ICOの総金額も314%上昇したことになる。

2018年の適用免除ICO総数の増加と、SECのレギュレーションD

米有力金融ニュースメディアのマーケットウォッチ(MarketWatch)の独自の調査・報道によると、2018年に米国証券取引委員会(以下、SEC)に提出されたレギュレーションDに依拠するICOの総数は287にも上り、87億ドル(約9444億円)の資金調達が行われた。2017年のICOの総数44から550%増加し、またICOの総調達金額も、2017年の21億ドル(約2300億円)から314%上昇したことになる。

出典:SEC

同メディアはSECのデータベースで、「コイン」・「ICO」・「トークン」・「イニシャルコインオファーリング」のワードを検索し分析したという。

上図から、ICO関連の私募にかかる申請書のフォームD提出数を四半期で2017年と比較すれば、2018年第2四半期にはピークの99件ICOに登った。

「レギュレーションD」とは

米国内での全ての有価証券の募集と販売は、登録義務が免除されていない限り、SECに登録する必要があるが、登録費用は高額で、時間もかかる。レギュレーションDとは、資金調達を考える会社が利用する登録義務の免除規定であり、多くのベンチャーキャピタルの資金調達に使われている。

レギュレーションDの免除規定にはルール504ルール506があり、いずれかの規定を守れば発行体はフォームDと呼ばれる書類をSECに提出するのみで有価証券の私募と販売を行う事ができる。

なお、条件として、私募対象は適格の個人・機関投資家のみとなる。

ルール504は募集する額の制限であり、会社は年間100万ドルまでの証券を募集・販売できる。そして、ルール506は発行体が販売先である投資家の制限であり、全ての投資家は適格投資家である必要がある。ほぼ全ての機関投資家、資産500万ドル以上を有する企業はこれに含まれており、個人投資家であれば、純資産を100万ドル(約1億円)以上保有、もしくは過去2年間の年収が20万ドル(約2000万円)以上無ければならない等、厳格な規定がある。

このように、SECの裏口とも呼ばれる私募のフォームDを利用するICOは今後は相場の好転とともに再び増えていくだろうか。

さらに、同報道によると、複数の米国政府機関の規制対象となっている仮想通貨の状況は依然として複雑なままであり、規制者における討論も多く行われており、先日、『トークン分類法 2018』を米国会へ提出したDarren Soto議員が仮想通貨は、SECの管轄下にあるよりも、CFTC(商品先物取引委員会)の監視下に置かれたほうが業界の成長にとって理想的だと強調している。

Darren Soto議員の発言に関する詳しい記事はこちら。

米初の仮想通貨を定義する法案を提出した国会議員「仮想通貨はSECでなく、CFTCの管轄下にあるべき」
昨年12月に仮想通貨をデジタル・トークンとして定義する法案『トークン分類法』を米国会へ提出したDarren Soto議員は、仮想通貨やデジタルアセットは、SECの管轄下に置かれるよりも、CFTCの監視下にあったほうが理想的であると強調した。

SECのスタンスと動向

SECは直近の公式発表で仮想通貨は機関の2019年の最優先審査対象であると宣言し、2018年末には、AirfoxとParagonという2つのICOプロジェクトを未登録証券プロジェクトと見なし、罰金および資金調達額の返金を課したなど、厳格な基準を整えようとしていることも見られている。

一方で、SEC長官のJay Clayton氏は昨年の12月に、ICOを企業の有効な資金調達方法と認めながらも、証券販売であれば証券法に遵守しなくてはならないと明言した。

今後、SECが既存のICOトークンに対して、どのように法的手段をとるか注目されているが、私募ICOが今後米国におけるトークン販売の主流となるかどうかも注目すべきと言えるだろう。

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