はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

バイナンスCZ氏が予測する暗号資産の未来、「AIの通貨はクリプトに」|WebX2025

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CZ Fireside Chat

大型Web3カンファレンス「WebX」では25日、Binance創設者のCZ氏を迎えた特別セッション「Fireside Chat」が開催された。

本セッションは「BitLending Stage」で9時45分から10時20分に行われ、以下のメンバーが登壇した。

  • CZ氏:Binance 創設者
  • Benjamin Schiller氏:CoinDesk 編集者

「WebX」は国内最大手のWeb3メディア「CoinPost」を運営する株式会社CoinPostが企画し、一般社団法人WebX実行委員会が主催するWeb3カンファレンスで、今年は8月25日と26日に「ザ・プリンスパークタワー東京」で開催されている。

トランプ政権による暗号資産政策の劇的変化

CZ氏は米国政府の暗号資産に対する姿勢について「急激に変わった」と評価した。「トランプ氏が暗号資産支持を表明したのは2024年7月で、その時私は刑務所にいた。前の政権が暗号資産に対して戦争(厳しい規制)を宣言したせいで刑務所にいるようなものだったが、今はトランプ氏が暗号資産支持派だ」と振り返った。

特に注目すべき成果として、「わずか数ヶ月の間にステーブルコインに関する3つの法律など、3件の法案が成立した」と指摘。また、「Genius Actを通過させる一方で、CBDCに対して強く反対していた。これは深い理解があることを示している」と政権の暗号資産政策を高く評価した。

CZ氏は「現在の政権はこの技術がやや破壊的であるものの、まだ新しいものであることを理解しており、取り残されるリスクを冒すよりも受け入れる方がはるかに良いと考えている」と述べ、変化を恐れずに新技術を受け入れる姿勢の重要性を強調した。

「AIの通貨は暗号資産になる」

AI技術の急速な発展について、CZ氏は独自の見解を示した。「AIの通貨は暗号資産になると考えている。AIは米ドルや日本円のような従来の紙幣を使うことはない。彼らはクレジットカードを使わず、銀行などを通すこともできない」と断言した。

その理由として「ほとんどの銀行は人間向けに設計されているが、ブロックチェーンはプログラム可能なAPIで、ブロックチェーンと直接インターフェースできる」と技術的優位性を説明した。

さらに将来の経済活動について「私たち一人ひとりのために、数百または数千ものAIエージェントがバックグラウンドで働いている。経済活動は100倍、あるいは1000倍にもなる」と予測。「その取引量の中には、多くがマイクロトランザクションで、それは暗号資産上で行われるようになる」との見通しを示した。

教育プラットフォーム「Giggle Academy」への注力

Binance退任後の活動について、CZ氏は教育分野への取り組みを詳しく説明した。「次に自分が最も大きな影響を与えられることは何だろうと考えた結果、基本的に教育を受けられない人々に教育を提供することだった」と動機を語った。

「現在、基本的に12億人の人々が教育を受ける機会を持っていない。現在私たちが持っている技術、つまりAI、ゲーム技術、インターネット、そして人間心理の理解をもってすれば、実際に学校よりもアプリを通じてより良い教育を提供することができる」と構想を説明した。

投資規模について「18年間の教育全体をデジタル化するのに3億ドルあれば可能。アメリカ政府は教育に年間1100億ドルを費やしているが、基本的に3億ドルで全てをデジタル化できる」と効率性を強調した。

現在の成果として「Giggle Academyは、ここ数ヶ月で約5万人の子どもたちが利用しており、すでに大学よりも大きな規模になっている」と報告した。

12カ国政府への助言活動

現在の政府向け助言活動について、CZ氏は「公式・非公式を問わず、少なくとも12カ国の政府や国家元首、あるいは影響力のある人物と話をしている」と明かした。

「もしポジティブな影響を与えられるなら、そうすべき。業界に対して責任があると思っている。特に規制の枠組み、業界の規制方法、中央集権型取引所、ステーブルコイン、CBDCに関して、暗号資産業界の発展を各国で支援し続け、提唱し続けることが重要」と使命感を語った。

UAEの発展について「UAEは一般的に非常に優れたリーダーシップを持っている。良いリーダーシップを持つ小さな国は、とても速く進歩する」と評価し、「暗号資産を受け入れ変化を受け入れる国は、たいてい良いリーダーがいる国」との見解を示した。

起業家へのアドバイス

若い起業家に対するアドバイスとして、CZ氏は「正しいことをするべき。倫理的なことをしなければならない。価値を創造するべきであり、それは人々が実際に使う製品を作ることを意味する」と強調した。

「得意なこと、興味のあること、そして他の人に価値があることの交差点を見つける必要がある。その交差点を見つけられれば、自分のやっていることに情熱を持てるようになる」とアドバイスした。

業界の特性について「暗号資産やWeb3の世界では、短期間で稼げるお金がたくさんあるが、私はそれを強くお勧めしない。創業者は長期的な製品の構築に注力すべき。そこに本当の価値があり、本当の資産もある」と長期的視点の重要性を説いた。

今後の活動方針

将来の活動について、CZ氏は「望む人にはメンターやコーチのような存在でありたい。舞台裏で他の創業者を支える役割を担っている」と方向性を示した。

投資活動については「EZ Labsはより初期段階のプロダクトに投資している。創業者がまだ始めたばかりの時から関わるのが好きだから。金銭的な投資に加えて戦略的な価値を提供することを重視している」と説明した。

▼登壇者概要

CZ氏(Binance 創設者)

暗号資産取引所Binanceの創設者。世界最大級の取引所を率い、グローバルな暗号資産市場の発展に大きく貢献してきた。

暗号資産・ブロックチェーン業界の象徴的存在として、規制・市場形成・技術革新における影響力を持つ。

Benjamin Schiller氏(CoinDesk 編集者)

CoinDeskのマネージングエディター。12年以上にわたり暗号資産・ブロックチェーン分野を取材してきたジャーナリスト。

業界を俯瞰する視点と経験を活かし、今回のセッションでCZ氏との対話をリードした。

▼WebXとは

WebXとは、日本最大の暗号資産・Web3専門メディア「CoinPost(コインポスト)」が主催・運営する、アジア最大級のWeb3・ブロックチェーンの国際カンファレンスです。

このイベントは、暗号資産、ブロックチェーン、NFT、AI、DeFi、ゲーム、メタバースなどのWeb3関連プロジェクトや企業が集結。起業家・投資家・開発者・政府関係者・メディアなどが一堂に会し、次世代インターネットの最新動向について情報交換・ネットワーキングを行うイベントです。

数千名規模の来場者と100名以上の著名スピーカーが参加し、展示ブース、ステージプログラムなどを通じて、業界最前線、グローバル規模の交流とビジネス創出が行われます。

▼WebX開催背景

日本市場は、政府によるWeb3政策の後押しを受け、世界各国から大きな注目を集めています。

他の先進国と比較した時の日本経済・国際競争力の低下が問題視される中、越境を強みとするWeb3分野は、アニメ、マンガ、ゲームなどIP(知的財産)大国と呼ばれる日本のコンテンツ産業等、さまざまな業種のDX(デジタル変革)化や、グローバル事業への進出を大きく後押しする可能性があります。

しかしながら、言語環境等を背景とした閉じた制度設計や最先端技術を取り巻く環境実態に則していない規制面などが課題としてあり、国外への人材流出、有望スタートアップの育成不足が課題として挙げられます

また、日本国内の事業者からは、Web3事業を進めるための知識やビジネスアイデアの構築、企業間ネットワーク、専門知識を有する人材不足などが浮き彫りになっていることが指摘されます。

このような背景を踏まえ、CoinPostでは、Web3分野で国際間交流と情報・人材の流通網を確立できる国際カンファレンスの確立がアジア市場における日本のブロックチェーン産業全体の成長に必要不可欠であると考えております。

日本だけでなく、世界各国でWeb3関連事業に携わる企業や関係者が一堂に会するイベントを開催するにあたり、第3回となる「WebX 2025」を開催する運びとなりました。

▼カンファレンス概要

開催日 2025年8月25日(月)・26日(火)
開催場所 ザ・プリンスパークタワー東京
主催 一般社団法人WebX実行委員会
企画 株式会社CoinPost
公式サイト https://webx-asia.com/ja/
2025年8月25日-26日 東京開催

WebX 2025

CoinPost主催 - アジア最大級のWeb3カンファレンス

注目のスピーカー

Web3・仮想通貨業界を代表する世界トップクラスのスピーカーが東京に集結。 最新技術動向から投資戦略まで、業界の未来を形作る貴重な議論をお届けします。

その他の注目スピーカー

アーサー・ヘイズ

BitMEX、Maelstroom創設者

オードリー・タン

台湾の元デジタル大臣

堀江 貴文

実業家

宮口 あや

イーサリアム財団理事長

松本 大

マネックスグループ会長

ヨーロピアン

個人投資家(仮想通貨)

テスタ

個人投資家(株)

岐阜暴威

個人投資家(株)

WebX 2025について

WebX 2025は、CoinPost企画・運営による日本最大級のWeb3・仮想通貨カンファレンスです。2025年8月25日から26日まで、東京のザ・プリンス パークタワー東京で開催されます。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/02 火曜日
18:36
AIがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見 防御活用にも期待=レポート
Anthropicの研究で、AIエージェントがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見。2025年3月以降の34件で460万ドル相当の攻撃に成功し、新たに2件のゼロデイ脆弱性も発見。攻撃収益は1.3カ月ごとに倍増しており、防御活用が急務に。
17:42
FRBが3年半にわたる量的引き締め(QT)終了、仮想通貨市場に流動性改善の可能性
米FRBが12月1日、3年半にわたる量的引き締め(QT)を終了した。約2.4兆ドル規模の資産縮小後、仮想通貨市場への流動性改善が期待される。2019年QT終了時はビットコインが短期下落後に上昇した経緯があるが、専門家は政策効果の遅延やインフレ動向など不確実性に慎重な見方も示している。
16:04
走行映像でGARコインを還元 ドラレコアプリ「セトラス」が地方創生DXモデルを始動
セトラスが市民のドラレコ映像を行政業務に活用し、専用暗号通貨「GARコイン」で報酬を還元する地方創生モデルを発表。実証実験に参加する自治体を3枠限定で募集している。
13:55
コインベースへの情報開示請求が過去最多の1.2万件、欧米で協力要請急増 実態判明
コインベースが2025年透明性レポートを公開し、60カ国以上から12,716件の情報開示請求を受領し、前年比19%増加となったと報告した。米国の件数がトップだが、米国外からの請求は53%を占め前年比2%増加した。
13:15
米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
米FDIC代行議長がステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用規則案を今月に公表する予定だと表明。トークン化預金や仮想通貨業界のデバンキング問題についても対処を説明した。
12:29
カルシ、ソラナ上で予測市場トークン化を開始 仮想通貨の流動性取り込みへ
米予測市場カルシがソラナ上で予測市場契約のトークン化を開始。オンチェーン取引により匿名性が向上し、開発者のサードパーティ構築も可能に。評価額110億ドル、約3500市場を運営する同社は仮想通貨ユーザーの流動性獲得を目指す。
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
10:40
ゴールドマンがイノベーター買収、ビットコイン連動ETFも取得で仮想通貨事業拡大
ゴールドマン・サックスがETF大手イノベーターを20億ドルで買収すると発表した。買収にはビットコイン連動ファンドQBFも含まれ、ゴールドマンの仮想通貨関連商品ラインアップが拡大。
10:14
リップル、シンガポールでライセンス範囲拡大 XRPとRLUSDによる決済事業を強化
リップルがシンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスの拡大承認を取得。XRPとRLUSDを活用した決済サービスを強化。アジア太平洋地域のオンチェーン活動は前年比70%増で、同地域での事業拡大を加速。
10:02
ビットコイン100万円幅急落、yETH流出事故で大規模清算|仮想NISHI
ビットコインは軟調な推移が続いている。1日には一時8万5,000ドルを割り込み、日本円ベースでも24時間比で100万円超の下落となった。背景には、イーサリアムが「フサカ・アップデート」を目前に控えロングポジションが積み上がる一方、Yearn FinanceでyETHの流出事故が発生し、ロングポジションの清算が連鎖したことがある。
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧