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田中渓「暗号資産はアーリーアダプター段階」、伝統金融業界の認識変化を語る|WebX2025

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

不確実な時代を勝ち抜く資産戦略

大型Web3カンファレンス「WebX」では26日、不確実な時代における資産戦略についてディスカッションが行われた。

セッションテーマは「不確実な時代を勝ち抜く資産戦略 ― 富裕層が実践する投資と経済の読み方」。登壇したのは以下のメンバー。

  • 加納 裕三氏:株式会社bitFlyer Holdings代表取締役CEO
  • 田中 渓氏:投資家
  • モデレーター:設楽 悠介氏:株式会社幻冬舎(あたらしい経済)編集長

「WebX」は国内最大手のWeb3メディア「CoinPost」を運営する株式会社CoinPostが企画し、一般社団法人WebX実行委員会が主催するWeb3カンファレンスで、今年は8月25日と26日に「ザ・プリンスパークタワー東京」で開催されている。

登壇者のポートフォリオ構成

セッション冒頭では、登壇者の具体的な資産配分について率直な議論が展開された。加納氏は、暗号資産に関して「たしなみ程度」と謙遜しながらも(同氏はビットコインが100円前後の時代から取引している古参投資家)、不動産投資に重点を置いた資産戦略を披露。また、珍しい投資先として温泉の権利なども保有していることを明かした。

田中氏は100の資産があるとした場合、不動産4割、外国株・インデックス2割、暗号資産1割、未上場株・エンジェル投資1割というポートフォリオを紹介。特筆すべきは「日本円の現金として持っているのは1%もない」という円回避戦略で、必要に応じて米国株を売却して対応していると説明した。

若い世代の投資戦略について、両氏は異なる視点を示した。加納氏は「若い人はリスクを取っていい」と強調する一方で、田中氏は「2000万〜3000万円くらいまで安定資産を積み上げるまでは全力投資は危険」と慎重な姿勢を示した。

田中氏は自身の体験として、暗号資産の保有比率を上げていた時期に「寝て起きたら年収と同じくらいのプラスマイナスが起こる」状況に直面し、「働く意味とは何なのか」と自問するほど精神的な負担を感じたエピソードを紹介。暗号資産特有の射幸性の高さに警鐘を鳴らした。

金融業界の意識変化

両者ともゴールドマンサックス出身者。周囲では、初期から購入した人、反対し続けるもの、買い始める人を多く見た経験は、金融業界の認識変化の写し鏡のよう。従来の金融機関の人材は「10年前は95対5」で暗号資産に否定的だったが、現在は「7対3」程度まで受け入れる層が拡大している。

富裕層の暗号資産投資行動について田中氏は、プレイヤー数は確実に純増しているとの見解を示した。

DAT戦略とETF流入の重要性

企業のデジタルアセットトレジャリー(DAT)戦略についても議論が交わされた。理論的には、暗号資産のみを保有する企業の株価はPBR1倍で連動するはずだが、実際には税制格差(株式20%、暗号資産最高55%)によってプレミアムが発生。この税制差により、DAT銘柄やETFが暗号資産への間接投資ルートとして注目を集めていると加納氏は分析した。投資戦略として「トレードするならETFの資金流入動向は絶対に見るべき。リデンプション(償還)とクリエーション(設定)が重要」と強調した。

日本市場のポテンシャル

日本の暗号資産市場について加納氏は、現在4兆円の市場規模は「2000兆円のうち0.2%」に過ぎず、まだまだポテンシャルがあると分析。現在保有している人は「アーリーアダプター」の段階で、今後の拡大余地が大きいことを示唆した。

加納氏は「日本では投資が悪いことだというイメージがあるが、詐欺を撲滅してみんなが安心して投資できる世界を作りたい」と表明。税制改正についても「まだ予断を許さないが、政府関係者にしっかり訴えて達成していきたい」と決意を示した。加納氏はJBA(一般社団法人日本ブロックチェーン協会)の代表理事を務めており、7月に政府に「暗号資産に関する税制改正要望(2026年度)」を提出したところだ。

田中氏は参加者に向けて「デフレから脱却してインフレ時代になった今、99%の人はまだ投資をしていない。ここに参加している皆さんは1%の先行者。損することもあるが、それも含めて人生経験と勉強だと思う」とエールを送った。

▼登壇者概要

加納 裕三氏(株式会社bitFlyer Holdings代表取締役CEO)

東京大学大学院修了後、ゴールドマン・サックス証券を経て2014年にbitFlyerを共同創業。現在はbitFlyer Holdings代表取締役CEOとして、グローバルな暗号資産交換業界の発展に貢献している。

田中 渓氏(投資家)

ゴールドマン・サックス証券で17年間投資部門に従事し、日本共同統括を歴任。2024年退社後、現在は投資会社で不動産投資の責任者を務める。

設楽 悠介氏(株式会社幻冬舎(あたらしい経済)編集長)

幻冬舎でブロックチェーン専門メディア「あたらしい経済」編集長。ポッドキャスターとしても活動し、Web3関連番組を多数配信している。

▼WebXとは

WebXとは、日本最大の暗号資産・Web3専門メディア「CoinPost(コインポスト)」が主催・運営する、アジア最大級のWeb3・ブロックチェーンの国際カンファレンスです。

このイベントは、暗号資産、ブロックチェーン、NFT、AI、DeFi、ゲーム、メタバースなどのWeb3関連プロジェクトや企業が集結。起業家・投資家・開発者・政府関係者・メディアなどが一堂に会し、次世代インターネットの最新動向について情報交換・ネットワーキングを行うイベントです。

数千名規模の来場者と100名以上の著名スピーカーが参加し、展示ブース、ステージプログラムなどを通じて、業界最前線、グローバル規模の交流とビジネス創出が行われます。

▼WebX開催背景

日本市場は、政府によるWeb3政策の後押しを受け、世界各国から大きな注目を集めています。

他の先進国と比較した時の日本経済・国際競争力の低下が問題視される中、越境を強みとするWeb3分野は、アニメ、マンガ、ゲームなどIP(知的財産)大国と呼ばれる日本のコンテンツ産業等、さまざまな業種のDX(デジタル変革)化や、グローバル事業への進出を大きく後押しする可能性があります。

しかしながら、言語環境等を背景とした閉じた制度設計や最先端技術を取り巻く環境実態に則していない規制面などが課題としてあり、国外への人材流出、有望スタートアップの育成不足が課題として挙げられます

また、日本国内の事業者からは、Web3事業を進めるための知識やビジネスアイデアの構築、企業間ネットワーク、専門知識を有する人材不足などが浮き彫りになっていることが指摘されます。

このような背景を踏まえ、CoinPostでは、Web3分野で国際間交流と情報・人材の流通網を確立できる国際カンファレンスの確立がアジア市場における日本のブロックチェーン産業全体の成長に必要不可欠であると考えております。

日本だけでなく、世界各国でWeb3関連事業に携わる企業や関係者が一堂に会するイベントを開催するにあたり、第3回となる「WebX 2025」を開催する運びとなりました。

▼カンファレンス概要

開催日 2025年8月25日(月)・26日(火)
開催場所 ザ・プリンスパークタワー東京
主催 一般社団法人WebX実行委員会
企画 株式会社CoinPost
公式サイト https://webx-asia.com/ja/
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