- 仮想通貨取引所バイナンス、顧客データ流出疑惑を否定
- 大手仮想通貨取引所バイナンスが、海外メディアの報じたダークネット市場における顧客データ流出の疑惑を否定した。現状、双方の論点を確証する決定的なエビデンスは出ていない状況である。
- FUDとは
- Fear(恐怖)、Uncertainty(不安)、Doubt(疑念)の略。根拠のない悪い噂などを指し、市場に蔓延すると、人々が疑心暗鬼になってしまい、論理的な投資が困難になるネガティブキャンペーンのようなもの。
バイナンス、顧客データ流出報道は「無責任なジャーナリズム」
今週、BittrexやPoloniex、Bitfinex、Binace等の大手仮想通貨取引所を利用する顧客のKYCデータが流出し、ダークネット上で売買されている疑いが浮上した事がに対して、バイナンスのCZ氏が報道を否定する発言を行ったことがわかった。
顧客データが実際に流出されている事は未だに事実として確認されておらず、事実であれば相場の重しになり得る内容のため、FUDとの批判を含めた業界の懸念材料になっている。
大手仮想通貨取引所バイナンスのCEO CZ氏は、本件に関して、同社の内容を否定、不安を煽る(FUD)記事を報道したとして、複数の仮想通貨メディアを批判する姿勢を示した。
また、今週前半に投稿された記事に対して、反対意見や反論する立場をとる記事(こちらも確証を取った内容ではない)も出てきており、CZ氏はその記事をユーザーへ共有、以下のようにコメントを行った。
Thank you! I can't believe CCN makes articles/FUD this bad. The original Reddit post didn't even include Binance. CCN also admit they did not verify or see any stolen data. Irresponsible in-industry journalism. Disappointed! https://t.co/1ACiY13xsd
— CZ Binance (@cz_binance) 2019年1月22日
CCNがこのようなFUD記事を公開した事は信じられない。元々のReddit投稿にはそもそもバイナンスが含まれていなかった。またCCNはこの情報を検証しなかった事を認めている。
無責任な業界内のジャーナリズムには、大変残念に思える。
顧客情報流出を否定する記事の内容は?
否定記事も、確証を明確化した内容は記載されていないが、取引所の内容などが掲載されているため、内容を掲載する。
このような騒動を受け、新たに公開された流出を否定する記事の内容の中で、バイナンスのグローバルPRマネージャーであるLeah Li氏が、以下のように顧客データ流出の可能性を否定した内容が記載されている。
このような主張は我々も把握しており、質問の写真の調査を行った。しかし、バイナンスからリークされた証拠は見つかりませんでした。
またLi氏は、フォトショップで加工・偽装されたKYC写真が出回っている事も、調査の中で確認できている。としており、正確な流出調査の確証がないまま、記事が公開されたことに疑問を呈している。
上述の点以外にも、反対記事は以下の主張を挙げている。
画像がフィッシングサイトから来た可能性
CCNの引用した画像の元投稿は、過去6ヶ月間0いいね 0コメントの状況であった点
画像の投稿者が、過去にも誇張表現を繰り返している点
不安を煽る記事に関して
またCZ氏は今回の様な恐怖心や不安を煽るFUD記事について、根本となる問題はそもそものインターネットの収入モデルにあると指摘した。
We were just discussing this topic at the conference. Today’s internet is largely based on this model, which end up with services selling our data to advertisers. A micro payment token economy will be healthier. Pay for what you use, and stay protected.
— CZ Binance (@cz_binance) 2019年1月22日
つい先日、カンファレンスでこのトピックについて話したばかりだ。今日のインターネットはこのような(広告収入に基づいた)モデルを採用しており、サービス提供側が広告企業に顧客データを売っている。
マイクロ決済トークンを利用した経済モデルの方が健康的だ。利用するモノのために支払い、データが保護された方がいいだろう。
CZ氏の述べる通り、仮想通貨の内容に限らず、インターネットの収益モデルをブロックチェーン技術を通じてメディアの運営モデルに変革をもたらそうとするプロジェクトは複数ある。
仮想通貨の送受を駆使してニュースの新たなトークン・エコノミーを築いているプロジェクトにはSteemitや日本の仮想通貨プロジェクトであるAlisのほか、リップル社元CTOが創設したCoilが挙げられる。
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