
マネーマーケットファンドを刷新
世界最大の資産運用会社ブラックロックは、米国の新たな連邦規制の枠組みの下で高品質で流動性の高い準備金を保有する必要があるステーブルコイン発行者向けにマネーマーケットファンドを刷新し提供するとCNBCが報じた。ブラックロック・セレクト・トレジャリー・ベースド・リクイディティ・ファンド(BSTBL)は、東部標準時午後5時の取引締切時間と財務省証券(国債)重視のマンデートで再設計され、連邦ガイドライン下で運営されるトークン発行者の準備金管理を合理化する取り組みの一環となる。
BSTBLの刷新は、7月にトランプ大統領が署名した米国初の連邦ステーブルコイン法である「ジーニアス法」の施行を見据えたものとみられる。同法は規制当局に対し、短期国債などの準備資産基準、マネーロンダリング対策要件、義務的報告を含む許可決済ステーブルコイン発行者(PPSI)向けの規則策定を指示している。
米財務省は先月、規則を最終決定するにあたり意見募集期間を開始した。2028年までにステーブルコイン発行額が2兆ドルに達すると予測される中で、ブラックロックのような機関投資家が準拠した準備金を管理する道を整えている。
ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者は今週のCNBCのインタビューで、資産のトークン化が同社の次なる成長の鍵になるとの見方を示した。
同氏によれば、ブラックロックは現在、伝統的な金融資産をデジタルの形で再構成することに注力し始めている。同社はトークン化されたキャッシュマネーマーケットファンド「BUIDL」を提供しており、2024年のローンチ以降、資産運用額は28億ドル超にまで成長した。フィンク氏はこれを今後数十年にわたるブラックロックの次なる成長機会の波と捉えている。
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