
Telegramを基盤に据え、世界各地でコミュニティを広げるUXLINK。Web2ユーザーをシームレスにWeb3へと誘導する仕組みを備えるWeb3ソーシャルインフラだ。
すでに世界で500プロジェクト以上と連携し、5500万人を超えるユーザーを抱えるという。UXLINKが日本市場に期待することとは。その戦略と展望をCEOのRolland Safort Ntague(ローランド・サフォー・ンタゲ)氏に聞いた。
Web2ユーザーをWeb3へ
なぜTelegramをプロジェクトの基盤に選んだのか
ローランド氏:UXLINKはマスアダプション(大衆的な普及)に注力している。数十億人規模のWeb2ユーザーをWeb3に移行させるためにまず必要だったのは、ユーザーを統合できるプラットフォームを見つけることだった。
Facebook、X(旧Twitter)、LINE、KakaoTalkなど多くの選択肢がある中で、開発者向けツールが充実し、技術的サポートも整っていたことから、プロジェクトの初期段階でTelegramが最適だと判断した。Telegramには、すでに暗号資産に詳しいユーザーが多く集まっていたため、暗号資産やWeb3の基礎を説明する必要がなく、導入が比較的容易だったことも大きい。
私たちは、特定のプラットフォームやアプリを持っているわけではない。Telegramを基盤に、世界各地でコミュニティを築いている点がFarcasterなど他のWeb3系ソーシャルプロジェクトとは大きく異なる。
Web2ユーザーを引きこむための戦略は
ローランド氏:仕組みはとてもシンプルだ。まず日常的なコミュニティメンバーがいて、そこに暗号資産のプロジェクトが加わる。UXLINKと連携するプロジェクトは、UXLINKに手数料を支払う。UXLINKは、この手数料の大部分をコミュニティメンバーに還元する。つまり、インセンティブが再びコミュニティに戻る。
結果として、人々はエコシステムに参加しているだけでリワードを得られるようになる。こうした仕組みが、特に新興国や暗号資産に親和性の高い地域で大きな魅力となっている。

コミュニティへの貢献度に応じてリワードは変動し、報酬はUXLINKや他プロジェクトのトークンで支払われる。私たちは参加者を増やすため、トークンを無料配布する「Eco Airdrop」を活用しながら、エコシステム全体の拡大を進めている。
東アジア・東南アジアで急成長
UXLINKはどの地域に注力しているのか。現在のユーザー数は
ローランド氏:現在、最も支持を得ているのは東アジアと東南アジアだ。
韓国が特に活発で、日本も成長段階にある。シンガポール、インドネシア、タイ、バングラデシュでも展開し、アフリカではナイジェリア、ガーナ、南アフリカに広がっている。ラテンアメリカではブラジルにも進出した。一方、欧米ではまだ大きな展開はできていないが、すでに米国にオフィスを設置しており、年内にはコミュニティ拠点を開設する予定だ。

UXLINKは2023年4月のローンチ後、急速にユーザー数を伸ばしている。2024年7月にTGE(トークン生成イベント)を行った当時のユーザー数は約3000万人だったが、現在ではおよそ5500万人。そのうち1000〜2000万人がアクティブユーザーだ。
Web3のスーパーアプリを育てる基盤に
ここまでユーザーを獲得できた理由は。UXLINKが目指すエコシステムの姿を教えてほしい
ローランド氏:例えば、FacebookやXのようなアプリは、単なるチャットや投稿にとどまらない機能を備え、ビジネスの場としても機能しており、すでにスーパーアプリのような存在だ。
同様に、私たちはWeb3におけるスーパーアプリが育つエコシステムを構築しようとしている。数十億人規模のユーザーを扱える高速な相互作用インフラを構築し、UXLINKのDapps(分散型アプリケーション)やプロジェクトが即座にユーザー基盤を活用できる環境を提供することが目標だ。私たち自身はアプリを持っているわけではないが、ユーザーコミュニティを管理・維持することが役割だ。
UXLINKにとって重要な技術である「Social Growth Layer」と「Social Liquidity Layer」とは何か
ローランド氏:UXLINKの技術はシンプルで実用的だ。新規ユーザーはTelegramやLINEを通じて簡単に参加でき、ブロックチェーンの知識がなくてもエコシステムに入れる。クリックひとつでアカウントが生成され、裏側ではウォレットやアドレス、シードキーが自動的に作成・保管される。
このユーザー体験を支えるのが「Social Growth Layer」という技術で、簡単に言えばユーザーの参加状況や貢献度を分析して、コミュニティの成長を最適化する仕組みだ。ツールやプロトコル、AIを含む一連の仕組みで構成され、開発者がコミュニティを拡大する土台となる。
「Social Liquidity Layer」は、ユーザーがミッションを達成した際のリワードや手数料の再配分を処理する決済システムのこと。Social Growth Layerの一部として、資金や通貨といった中核機能を担っている。
Social Growth LayerにはAIが組み込まれている。例えば「AGA(AI Growth Agent)」という機能は、各プロジェクトのSNS投稿や返信を自動で行うAIで、ユーザーの反応から学習してより効果的な運用を続ける。ユーザーの属性や関与状況を分析できるため、開発者は自らのユーザー基盤を効率的に拡大できる。
日本市場を重視、Web3発展の好機
WebXのスポンサーになった狙いは。日本市場をどう見ているのか
ローランド氏:日本市場には大きな期待を寄せている。日本はクリプトフレンドリーな環境が整いつつあり、暗号資産に精通したユーザーも多い。

WebXのスポンサーになったのも、それだけ日本市場への期待が大きいからだ。 WebXに参加した理由は日本での認知をさらに高め、コミュニティを拡大するため。これまでも一定の手応えはあったが、主にオンラインに限られていた。まずは自分たちの存在を知ってもらうことが不可欠であり、国際的に知名度の高いWebXは、その第一歩にふさわしい機会だった。
あなたの母国は西アフリカのカメルーンだと聞いたが、日本との違いは
ローランド氏:インフラや経済規模、文化など異なる点が多いが、暗号資産やブロックチェーンの分野で両者が解決しようとしている課題には共通するものもある。
その一つが「決済のしやすさ」。アフリカでは銀行口座を持たない人が多く、モバイルマネーも不便だ。ブロックチェーンなら低コストでスムーズに決済できる。
私は15年以上、多くの国で生活してきたが、東京は多文化的で学びを得やすい都市だ。東京はWeb3の発展において絶好の拠点になると感じている。
世界で500以上のパートナー
日本のユーザーや日本企業のような潜在的パートナーに、どのような期待を持っているか
ローランド氏:暗号資産に詳しい人はもちろん、初心者であってもUXLINKのエコシステムに参加することで多くの学びと第二、第三の報酬源を持てるようになる。

UXLINK CEOのローランド・サフォー・ンタゲ氏
UXLINKはコンプライアンスを重視したプロジェクトで、日本は規制が明確な分、我々のような海外プロジェクトにとっても事業展開しやすい環境が整っている。だからこそ、日本の規制をしっかりと順守し、長期的に暗号資産の普及と認知拡大を進めていきたい。当社の拠点は都内にあるのだが、これは日本市場への期待の表れでもある。今後も地の利を生かし、有望なイベントには積極的に参加していきたい。
また、日本のユーザーが安心してサービスを利用できるよう、プラットフォームの使いやすさや日本語でのサポート体制にも配慮しており、ぜひ多くの日本のユーザーにUXLINKを使ってもらいたいと思っている。
私たちはすでに世界中で500以上のパートナーと連携しているが、まだ十分とは言えない。Web3には大きな可能性が広がっているからこそ、さらに多くの仲間を迎え入れ、互いに利益を分かち合いながら成長していきたい。
|インタビュー:CoinDesk JAPAN広告制作チーム
|構成・文:橋本史郎
|撮影:多田圭佑
※当記事は、CoinDesk JAPANに掲載された広告シリーズ「Sponsored by WebX」からの転載です。
※CoinDesk JAPANを運営するN.Avenueは、CoinDeskの公式日本版やWeb3領域のカンファレンスやコミュニティ活動を行う情報サービス企業です。 2023年7月より、国内最大の法人会員制Web3ビジネスコミュニティサービス「N.Avenue club」を展開。国内外のゲスト講師を招き、ナレッジ共有とディスカッションを行う月例「ラウンドテーブル」、会員企業と関連スタートアップや有識者との交流を促す年3回の「ギャザリング」等を実施しています。
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