メインネット自体の規模拡張も背景
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は4日、レイヤー2についての議論を投稿した。L2の役割を単なるスケーリング(規模拡張)手段とみなす従来のビジョンが限界に達しており、新たな道筋が必要だとしている。
以前提唱していた「ロールアップ中心」のスケーリングモデルから考え方を改めた模様だ。ロールアップとは、多数のトランザクションをL2でまとめて処理し、その正当性をイーサリアムのL1(メインネット)で保証する仕組みのことである。
今後は、強力なセキュリティを持つものから、特定のニーズに特化したものまで、多様な選択肢の集合体としてL2プロジェクトを捉える必要があるとの見解を示した。
レイヤー2とは
「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。
ヴィタリック氏は、L2の完全な分散化への移行や、相互運用性の構築が、当初の予想よりも困難で時間がかかっていると指摘する。
一方で、イーサリアムのL1(メインネット)自体がスケーリングを進めており、ガスリミット(ガス上限)の引き上げなどにより手数料が低く抑えられていると続けた。
現在はL1自体がスケーリングしているため、L2が「ブランドシャード(実質的にL1の一部として振る舞う実行レイヤー)」である必要はなくなったと唱えている。また、現時点でL2にはそうする意志もないと指摘している。
ガスリミットとは、イーサリアムの各ブロックで処理できる取引量の上限のことだ。これが上昇すると、各ブロックが処理できるトランザクション量が増加し、処理能力向上につなげることができる。
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L2の機能提案と技術的な新機軸
ヴィタリック氏は、今後のL2には単に「安くて速い」だけでなく、例えば以下のような独自の付加価値を提供することが求められているとも述べた。
- プライバシー保護や、AI・ID・ソーシャルなどの非金融機能に特化したVM(仮想マシン)
- 超低レイテンシ(遅延)や、独自のオラクル、分散型紛争解決機能などの特別な設計。
- 大幅に拡張されたL1でさえ実現できない圧倒的なレベルのスケーリング
さらに、技術的な新機軸としては「ネイティブ・ロールアップ・プリコンパイル」のメリットを強調している。これは、メインネットに、ロールアップ専用のプリコンパイル(組み込み関数)を用意する構想のことだ。
イーサリアム内でゼロ知識EVM証明を直接検証できる機能を備えることで、セキュリティ・カウンシル(人の判断)を介さない安全な検証が可能になるとも続けた。L2間の信頼性の高い相互運用や、同期的なコンポーザビリティ(構成可能性)が実現しやすくなるとも述べる。
ヴィタリック氏は最近、相次いでイーサリアム開発についての提案を行っている。先月末には、技術レベルのリスクは、もう心配していないが、社会的意義のあるアプリが開発されていないことを懸念していた。
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