CoinPostで今最も読まれています

バイナンス最高戦略責任者が語る「リブラの可能性」と「仮想通貨市場の展望」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンス最高戦略責任者インタビュー
仮想通貨取引所最大手バイナンスの最高戦略責任者に就任したGin Chao氏が、バイナンスの方向性やファイスブックのリブラプロジェクト、ビットコインの今後ついて自身の見解を語った。

バイナンスの目指す究極のゴールは「仮想通貨業界のインフラ提供者となること

先月、仮想通貨取引所最大手バイナンスの最高戦略責任者(CSO)に就任したGin Chao氏は、仮想通貨・ブロックチェーンのニュースメディア、BlockTVのインタビュー(CoinPost提携メディア)でバイナンスの方向性やファイスブックのリブラプロジェクトについて語るとともに、ビットコインのこれからの見通しについても言及した。

ストラテジストとして豊富な経験と実績を持つChao氏だが、バイナンスの目指す究極のゴールは仮想通貨のワンストップショップではなく、「仮想通貨業界のインフラ提供者となること」であり、例えて言えば「配管」のようなものだと説明した。

リブラプロジェクトには大きな可能性

日常的に、短期間の課題に取り組むことが必要とされる仮想通貨業界で、長期的ビジョンを示すことは難しいが、希望としてはそれがビットコインであれ、他のコインであれ、仮想通貨が「正当な通貨」として認識されることが一つの重要な節目であり、仮想通貨の真の採用を意味するとの考えを明らかにした。

そして、その意味ではフェイスブックのリブラプロジェクトは大きな可能性を持っていると考えており、常に前進することがモットーのバイナンスとしても協力していく方針であると述べた。

バイナンスの戦略

多くの仮想通貨関連プロジェクトを抱えるバイナンスだが、Chao氏はBinance Labsをはじめベンチャーキャピタル部門や法定通貨建の仮想通貨取引に関しての企業戦略を練る立場にある。その中のBinance Labsについては、これからは、トークン経済や開発者にフォーカスし、技術人材をエコシステムに惹きつけられるプラットフォームの開発を行うという。

また今年600%の投資リターンを叩き出すという大成功を収めたLaunchpad については、市場からの高い需要に応えるためにも、開催のペースを上げていく一方、プロジェクトへの評価は過度の期待を煽らないように、現実的であるように努めると強調した。

最高値も不可能ではないかもしれない

最後に仮想通貨市場がどこへ向かっているかについて尋ねられると、Chao氏は今までの仮想通貨の10年のデータを振り返ることがヒントになると、次のように説明している。

  • 今、市場は4回目のサイクルに入っている。
  • ビットコインは過去3回大規模な価格修正が行われ、アルトコインとの価格の相関性も確認。
  • 今はその相関性が少し崩れてきているが、それは人々が何が信頼でき、何が投機なのか差別化している。

そして、2017年に仮想通貨市場に参入した投資家数の劇的な上昇と同様の動きが、今回のサイクルの中でも起きた場合、仮想通貨普及で重大な変化が起きる「転換点」として注目される「世界における仮想通貨の普及率10%」が現実的に見えてくるという。

また、価格の予測を行う立場にはないとしながらも、「歴史的なパターンを見れば、少なくともビットコインの場合、おそらく5万ドル(540万円)から10万ドル(1080万円)という新しい最高値を見ることも不可能ではないかもしれない」と語り、ビットコインの躍進は今後も続くとの考えをしめした。

なお、アルトコインの最高値に対しては、仮想通貨界隈のツイッター等で後から知ることが多いと明確な言及を避けた。

アルトコインについて専門家の意見は分かれる

ビットコインの強気相場が続く中で、今回のサイクルでアルトコインは、2017年のようにビットコインと連動して上昇の波に乗るような動きは見せていない。アルトコインの追い上げが実現するかどうかについては、専門家の中でも意見が分かれる。

「ビットコイン一強」を主張しているのは、ジャーナリストでビットコイン強気派のMax Keiser氏や昨年の仮想通貨大暴落に対する予想を的中させたベテラントレーダーPeter Brandt氏。

Brandt氏は、ドットコムバブルになぞらえ、「本当に価値を持ったドットコム」のみが生き残り、アルトコインは残念な結果になるかもしれないと述べている。

一方、FUNDSTRAT社のTOM LEE氏は2017年の状況との類似性を指摘し、アルトコインの季節も巡ってくると主張する。

またサイバーセキュリティの専門家で著名な仮想通貨投資家であるJohn McAfee氏は、2018年の弱気相場で最も打撃を受けたアルトコインがビットコインを凌ぐ上昇をみせるだろうとツイートしている。

関連記事

「ビットコイン一強時代はこの先も続く、アルトバブルの再来は訪れない」CNBC経済番組
仮想通貨アルトコイン市場は、今回のビットコイン強気市場から恩恵を受けることはほとんどないとMax Keiser氏がCNBC経済番組で指摘した。
『仮想通貨は未来か、スキャムか』BitMEXのアーサー氏とRoubini教授がディベート
仮想通貨楽観論者と悲観論者であるBitMEX CEOとNouriel Roubini氏は、「未来なのか、ただのスキャムなのか」をめぐり論戦に臨んだ。フェイスブックのリブラに関する見解は。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
18:00
TON、Telegramのユーザーに照準 トンコイン奨励金を提供
Telegramのウォレットがサポートするブロックチェーン「TON」の手数料削減と、1,100万TONのインセンティブプログラムを開始。特に500万単位の暗号資産(仮想通貨)TONがTelegramユーザーに報酬として付与される。
16:30
日銀、CBDC戦略の中間報告を公表 想定モデルと5つの課題
日本銀行が公表したCBDC中間整理報告書の主要論点や影響について解説。CBDCの導入方針やデジタル通貨の未来についての展望を探る。
12:30
コスモス基盤のInjective、Web3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能提供
レイヤー1ブロックチェーンInjectiveは、Jamboテクノロジーと提携してWeb3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能を提供すると発表した。
12:00
知らずに損しているかも?取引所選び 3つの注意点
ビットコインなどの投資初心者に大事な暗号資産(仮想通貨)取引所選びと、後悔しがちな代表的な失敗事例3つを解説。手数料、価格、取扱銘柄の違いを比較し、最適な仮想通貨取引所を見極めるポイント、賢い投資戦略と失敗回避のためのチェックリストも提供。
10:30
ソラナWeb3ゲーム「Nyan Heroes」、Epicのストアでトップ30入り
ブロックチェーンゲーム「Nyan Heroes」はEpic Games Storeで最もプレイされたゲームでトップ30以内に入った。今後NFT機能や独自の仮想通貨も導入する予定だ。
09:15
ビットコイン、4度目の半減期完了 報酬が3.125 BTCに
直近の米経済指標(3月の雇用統計やCPI等)が景気の堅調さを改めて示しているため、FRBが利下げを急ぐ必要がなくなりつつあるとの観測が高まってきており、仮想通貨や株のようなリスク資産をさらに押し上げる力は弱まってきたようだ。
08:25
BTCクジラが1900億円相当のビットコイン押し目買い、エヌビディアなど大幅安|金融短観
19日のアジア時間はイスラエルがイランに対して報復攻撃を実施したとのメディア報道が嫌気され日経平均指数や上海総合指数などは大きく下がったが、その後攻撃の規模が限定されており核施設に被害はなかったとの報道を受け米国の株式市場ではこのニュースへの反応は見られなかった。
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧