概要
アスターネットワーク(ASTR)は起業家の渡辺創太さんがCEOを務めるStake Technologiesが開発したブロックチェーンプラットフォームで、2022年1月にメインネットがローンチされた。
ポルカドットのリレーチェーンの1つでありポルカドットエコシステムを支える。EVM(イーサリアム仮想マシン)とWASM(WebAssembly)の2つの仮想マシンが導入されており、多様なプログラミング言語でスマートコントラクトを構築できる特徴がある。
2024年2月にはゼロ知識証明を活用したレイヤー2ソリューションのAstar zkEVMをリリースし、同年8月にソニーグループとの提携でSoneium(ソニューム)と呼ばれるレイヤー2ネットワークに移行した。
価格
- 現在価格(2025年9月29日時点): 0.02275ドル(約3.40円)
- 年初来高値(2024年2月): 0.193ドル(約28円)
- 年初来騰落率(YTD): -61.52%
- 過去最高値(2022年4月): 0.337ドル(約48円)
価格予測
25年5月:ソニーのソニューム、RWAの利回りをシームレスに提供へ Plumeと提携
25年4月:仮想通貨アスターの買い方 ソニュームとの連携で広がるASTR
時価総額|関連銘柄
アスター(ASTR)の時価総額は現在、約1.86億ドル(約186百万ドル)で、仮想通貨全体のランキングでは360位に位置している。スマートコントラクトプラットフォームのセクター内では下位水準にあり、多くの競合に後れを取る。
同セクターで1位のイーサリアム(ETH)の時価総額は約4,840億ドル、2位のソラナ(SOL)は約1,097億ドル、3位のバイナンスコイン(BNB)は約1,353億ドルとなっている。ASTRの下位にはマン卜ラ(MANTRA/OM)が続く。
主な出来事
- 2025年4月:Soneiumのシーケンサー収益の一部を仮想通貨ASTRへ再投資、スターテイルが発表
- 2025年1月:投資部門「Startale Ventures」を設立 SoneiumとAstarエコシステムの成長促進へ
- 2025年1月:Astar、Soneiumと連携でイーサリアムエコシステムに本格参入 仮想通貨ASTRの活用拡大へ
エコシステム支援組織
Stake Technologies Pte. Ltd.: 渡辺創太氏がCEOを務めるWeb3関連企業で本拠地をシンガポールに置いている。2020年10月5日に設立された。アスターネットワークの開発、マーケティングを主導している。人々が自分のデータ、権利、運命を所有できるインフラストラクチャを提供することを目標としている。
Astar Japan Lab: アスターネットワークを利用したサービスの開発やビジネス創出に関わる事業者を対象に情報の調査、研究、知見の集約、意見交換を行い、アスターネットワーク経済圏の更なる発展を目指すために設立されたコンソーシアム。
トークンアロケーション

出典: CoinCarp
アスターの初期供給量は70億ASTR。初期供給に基づき年間約9.5%のインフレーション率が設定されている。アスターの初期分配はユーザーと初期支持者に30%、2021年のパラチェーンオークション用20%、パラチェーンオークションリザーブ5%(2024年現在はポルカドットのアップデートで不要に)、プロトコル開発10%、DAO5%、マーケティング5%、初期資金援助者10%、チーム5%、財団10%の配分となっている。
2024年6月のコミュニティ投票で総供給量の5%である3.5億ASTRをバーンする提案が承認された。対象となるトークンはパラチェーンスロットオークション用の5%でポルカドットのアップグレードで不要となったもの。
関連記事: 仮想通貨アスター(ASTR)、総供給量の5%をバーン決定
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2025年9月時点、アスターネットワークのTVLは415万ドル。プロトコル別のTVLトップ3は以下の通り。
- Astake(451万ドル):リキッドステーキング。Astarトークンのステーキングを流動性を保ちながら行える仕組みを提供している。
- Neemo Finance(406万ドル):リキッドリステーキング。複数チェーン対応で再ステーキング機能を提供し、追加利回りの獲得を可能にする。
- Bifrost Liquid Staking(207万ドル):リキッドステーキング。マルチチェーン対応で資産を効率的に活用しながら報酬を得られる仕組みを展開している。
出資している主なVC
- 資金調達総額: 約4400万ドル
- 大規模な投資ラウンド: 2022年1月、2200万ドルの戦略的資金調達
- リードインベスター: Polychain Capital
- フォロー投資家: Alchemy、GSR、Crypto.com Capital、Scytale Digital、Animal Ventures、Injective Protocol、DFG、Alameda Research、本田圭佑(エンジェル投資家)、ギャビン・ウッド、リチャード・マー、Web3FoundationとParityの幹部数名
ASTR(Astar Network)の将来性
ロードマップ
Astar Network(アスターネットワーク)は、Polkadot(ポルカドット)を基盤にSoneium(ソニウム)との連携を強化し、Web3のマスアダプションを目指すロードマップを推進中。2025年9月時点では「Astar Evolution Phase 1.5」が継続しており、相互運用性、ASTRトークンのユーティリティ拡張、分散型ガバナンスの3戦略を中心に展開。Phase 2.0への橋渡しとして、トークノミクス見直し案はオフチェーン(非拘束)投票で支持が示され、実装は今後の正式決定と開発プロセスを要する。
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Astar Evolution Phase 1.5:
ソニウム(OP Stack/Optimism Superchain対応のL2)との統合を前進。Chainlink CCIPを活用したクロスチェーン相互運用性を強化し、ASTRをDeFi・コンシューマーアプリ・インフラのコア資産として位置づける。 -
Governance v1:
複数評議会体制とAstar Contribution Score(ACS)を導入し、コミュニティ主導の運営へ移行。提案・投票の参加機会と責任を拡大。 -
Tokenomics 3.0(提案段階):
最大供給を約105億ASTRに固定、トランザクション手数料の50%をバーン、Protocol-Owned Liquidity(POL)を導入。dApp Staking報酬は段階的に減衰させ、持続可能なインセンティブへ再設計。※現時点では非拘束投票での支持段階で、実装スケジュールは未確定。
期待される今後の動向
2025年下期は、 ソニウム連携の具体化(CCIP接続の運用・L2側エコシステム拡大)と、Tokenomics 3.0の正式決定および技術実装の行方が焦点。採用促進施策は既存のキャンペーン実績を踏まえつつ、ASTRの手数料・ステーキング・報酬などユーティリティの拡張が期待される。
投資リスク、懸念材料
- 実装・移行リスク: トークノミクス変更や ソニウム連携の実装過程で、互換性・ユーザー移行・セキュリティなどのリスクが顕在化する可能性。
- 採用・流動性: エコシステムの規模が相対的に小さく、流動性が細りやすい局面では価格変動が増幅しやすい。
- トークン供給・インセンティブ設計: 供給固定やバーン設計は中長期ではプラスに働き得る一方、短期的には報酬減衰等で投機資金の離脱を招くリスク。需要が伴わない場合はデフレ効果が十分に機能しない懸念。
- 競合・規制: イーサリアムやソラナ、アバランチ等の強力な競合に対する差別化が不可欠。各国の規制や税制動向、取引所のセキュリティ事案など外部要因にも影響を受けやすい。



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