
ヘデラの技術を活用
暗号資産(仮想通貨)ヘデラ(HBAR)の発展を支援する企業「ハッシュグラフ」は3月31日、プライベートな許可型ネットワーク「HashSphere」を発表した。
発表時点でベータ版の利用が可能であるとハッシュグラフが説明しており、「The Block」によれば2025年3Q(7月から9月)に完成版のローンチを目指す計画。ヘデラブロックチェーンの技術を活用し、企業のニーズや事業段階に応じた選択肢を提供する。
HashSphereは主に規制を遵守する企業向けに開発した。拡張性や安全性といったヘデラブロックチェーンの技術を活用しながら、トランザクションのプライバシー保護やプライベートな管理を実現できるように設計している。
また、イーサリアム(ETH)と互換性があることも大きな特徴。これから、ヘデラブロックチェーンと相互運用できるようにしていくともハッシュグラフは説明した。
想定している利用企業は銀行や決済プロバイダー、フィンテック企業、金融サービス企業など。ユースケースとしては、決済、RWA(現実資産)のトークン化、AI(人工知能)に関する事業、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の送金などを挙げている。
HashSphereの特徴
HashSphereはネットワークソリューションという位置付けでもあり、利用企業に複数の選択肢を提供できるように設計してある。
1つの「Sphere(範囲)」だけでプライベートネットワークを構築したり、2つのプライベートなSphereでデータを共有して相互運用できるようにしたり、Sphereとヘデラブロックチェーン間で資産を自由に移動できるようにしたりすることが可能だ。

出典:ハッシュグラフ
ハッシュグラフは発表で、プライベートな既存の許可型ネットワークには単一障害点などの課題があること、パブリックブロックチェーンのサブネットには匿名のバリデータに依存するリスクがあること、L2ネットワークはセキュリティを犠牲にするリスクがあることなどを指摘し、独自のアプローチを選択したと説明した。
L2とは
「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待できる。
ヘデラ評議会のメンバーであるAustralian Payments PlusのRob Allen氏は以下のようにコメントしている。
我々は、評議会のメンバーやステークホルダー(利害関係者)、規制当局にインパクトを与えるような、デジタル通貨の未来を探っている。
ヘデラ運営評議会のメンバーとして我々は主に、ヘデラブロックチェーン、HashSphere、他のL1プロトコルとの間で、透明性高くシームレスにステーブルコインを交換できる相互運用性を維持しながら、プライバシーを向上させたり、規制のコンプライアンスを遵守したりするために、HashSphereを活用することに関心がある。
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