はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Beyond Blocks Summit Tokyo:Day1 参加レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

業界の要人がプレゼンテーション
日本最大手の取引所「bitFlyer」CEO:加納裕三氏のプレゼンでは、独自のプライベートブロックチェーン「Miyabi」について言及。先月成功したことで話題のICO「Wanchain」社からは、BitcoinやEthereumなどのパブリックブロックチェーンと銀行などの独自のブロックチェーンを繋げる「Cross Chainシステム」について解説がありました。
専門的に数学を学んでいたSynth氏の分析
Skycoinの共同創業者Synth氏は、「地球上に存在する”全ての銀”の10倍」である点を理由に、今後BTCのドミナンスは20%まで低下。仮想通貨市場全体の時価総額は、現状の10〜30倍に増加すると指摘しました。

Beyond Blocks Summit Tokyo 2018:Day1

4月4日、ウェスティン東京で開かれた、カンファレンスイベント「Beyond Blocks Summit Tokyo 2018」にCoinPost編集部も参加してまいりました。

カンファレンス会場はとても広く、数百名分の席が用意されており、規模感の大きいイベントでした。

そんな熱気溢れる「Beyond Blocks Summit Tokyo 2018」Day1の様子をレポート形式でお伝え致します。

bitFlyer「加納裕三」氏のプレゼン内容

プレゼンテーション一人目は、まさに日本を代表する仮想通貨事業会社「bitFlyer」の代表取締役社長 加納裕三氏。

まず最初にbitFlyerの紹介がありました。

「bitFlyerは、世界でもトップクラスの規制を遵守し、大切にする取引所であります。」

「日本で仮想通貨交換業として登録されている他、ニューヨーのBitlicenseと、ルクセンブルクでもライセンスを取得しております。」

次にMiyabiについて、言及されました。

Miyabiは、bitFlyer独自のプライベートブロックチェーンです。miyabiは速くてファイナリティ(Finality)があり、なおかつBFT(Byzantine fault tolerant)プロトコルが搭載されております」

そして、ICOとVCについての比較にも話が及びました。

「ICOとVCを比較すると、ICOの方が手続きが簡単です。」

「しかし、現状の日本の法律だと、ICOの調達時に発行したトークンが上昇すると38%もの税金が取られてしまうだけでなく、現状90%のICOは信頼できないなど多くの課題が残っております。」

最後に、ブロックチェーンの今後について非常に楽観的に、期待感を持って話されていました。

「ブロックチェーン技術も通貨にとどまらず、様々な応用があると考えております。」

「規制に関して懸念はしていますが、今後の技術革新や、それに関する規制がより良いものになっていくことを期待しております。」

まさにトップバッターにふさわしい方が登壇されたということで、会場は早朝にも関わらず満員。皆さん加納氏のお話を興味深く聴いてらっしゃいました。

仮想通貨先進国の日本のトップランナーだけに、やはりプレゼン内容もレギュレーションの部分から技術の話まで非常に濃い内容でした。

CoinPost編集部では、bitFlyer 代表取締役社長 加納裕三氏に突撃取材を行いました。 随時掲載致しますので、ご覧下さい。

CoinPostの関連記事

仮想通貨取引所 bitFlyer(ビットフライヤー)とは
日本最大級の仮想通貨取引所「bitFlyer(ビットフライヤー)」に関して、特徴や利点などを詳しく解説した記事です。
ビットフライヤー(bitFlyer)登録/口座開設の方法
ビットフライヤー(bitFlyer)の登録、口座開設の方法についての解説記事です。二段階認証やアカウントクラスについても紹介します。

Wanchain「Jack Lu」氏のプレゼン内容

次に、先月ICOを成功させて、現在話題を集めている「Wanchain」社のプレゼンテーションを紹介致します。

まず、Jack Lu氏からは「Wanchainにより、BitcoinやEthereumなどのパブリックブロックチェーンと銀行などの独自のブロックチェーンを繋げる「Cross Chainシステム」により、新しいインターネットの世界を作りたいというビジョンを持っております。

また、2018年の6月にもBitcoinとEthereumのネットワークにリンクさせる予定であり、今後も様々なブロックチェーン同士に繋げていきたい」と、会社紹介とビジョンの説明がありました。

次に、三つの新しいプロジェクトUtour、Allspark、Gametankに関する紹介がありました。

「Utourは、TripAdvisorなど観光業界の使用するOTA(オンライン・トラベル・エージェンシー)上で、全てのサプライヤーと全ての買い手が欲しい情報を探し出そうとするニーズに対応する為のDTS(分散型ツーリズムサービス)です。」

「Allskaprkは、メディアの情報の広がり方に課題を感じ、それらを解決する為に立ち上げました。」

価値あるコンテンツを提供するユーザーが、報酬や何かしらのメリットが届くようにするのが狙いです。全てのステークホルダーにに配当、報酬を届けられたらと考えております。」

「Gametankは、ゲーム業界の課題を解決する為に、分散型元帳技術をゲームに応用しようとするプロジェクトです。」

「スマートコントラクト技術をゲームに取り入れることで、正しく、公平に価値がユーザーに届くようにしたいと考えております」

Wanchainのプレゼンテーションは非常に熱量がありました。

さすがは、直近ICOを成功させている企業。言葉一つ一つに熱い想いがこもっております。

新しいプロジェクトの紹介がありましたが、Wanchainはさらに勢いをつけてプロジェクトを進めていくことになるでしょう。

CoinPost編集部では、「Wanchain Jack Lu」CEOに突撃取材を行いました。随時掲載致しますので、ご覧下さい。

ICO vs. VC

Last Roots創設者 小林氏、Truffle Venture Capital マーク・ビヴェンズ氏、NBK Group デジタル・キャピタル・マーケット部トップ Marina Titova氏、Alchemist 創設者兼CEO Steven Nerayoff氏、SIX Network Co-CEO Natavudh “Moo” Pungcharoenpong氏の5人を登壇者に。

Zilla 創設者兼CEOのAbasa Phillips氏をモデレーターに、「ICO vs. VC」という題目でパネルディスカッションが行われました。

Marina Titova氏の発言も非常に興味深いものでした。

「2,3年前まで、ベンチャー企業が資金調達をするには、非常に高いハードルがありました。」

「当時、もし大型の資金調達などを行おうとした場合、シリコンバレーまで出向いて投資家に会い、様々な交渉を経て、ようやく資金調達にこぎつけていました。」

「しかし、ICOの資金調達方法は、その状況を一変させたと考えております。」

といったように、ICOの登場によってベンチャー企業が資金調達ができるようになったポジティブ面での発言が聞かれましたが、一方で資金調達がしやすい分、デメリットの部分の指摘もありました。

VC(ベンチャーキャピタル)は、数年というよりも10年ものスパンで企業価値を高めようと考えている為、短期的な利益よりも、長いタームで判断できるが、ICOの資金調達の場合、出資者はそのトークンの日々の値動きにとらわれており、とても短期的な利益を追求する傾向にあると考えております。」

「はたして、ICOでの資金調達した企業のプロジェクトが短期的に実現できるものならばいいのですが、中期から長期的に長いスパンでの成功を目指している場合、その調達方法が本当に適切かどうかを考える必要があります」

日本において、ICOが話題になる度に「儲かるICOは云々」という話や、「ICOは規制されるから、手出ししないべきだ」という本質とはかけ離れた議論がされやすいだけに、今回のパネルディスカッションでは、VCと比較しながらICOの本質を考える良い機会になったと考えております。

登壇者の方々は、VCや投資銀行部門で活躍されていた方、ICOを実際された方など実践の場で活躍されている方だけに、非常に勉強になりました。

CoinPostの関連記事

ICOとは?/仮想通貨クラウドセールについて詳しく解説
投資家や事業者から注目を集めるICOについて、IPO(新規上場株式)と比較しながらメリットやデメリットを言及していきます。

ブロックチェーンの歴史、未来とその課題について

次に、Skycoinの共同創設者Brandon Synthがゲストスピーカーを務めた、「ブロックチェーンの歴史、未来とその課題について」という題目のプレゼンテーションを紹介致します。

線形回帰分析などを用いて、Bitcoinの歴史を振り返るなど、 専門的に数学を学んでいたSynth氏ならではの分析は非常に興味深い内容でした。

Bitcoinがここまで成功した理由の一つに、ユーザーコミュニティを上手く築いた事を挙げていました。

価格上のチャートでは、まさにバブルが起こっているような形がしますが、実際にデータを検証すると、8年もの間1日1〜1.2%の成長を継続して保っているそうです。ブロックチェーンが将来の金融システムになる可能性にも言及しておりました。

BTCの問題点も指摘

そのようなBitcoinの注目点だけでなく、問題点も指摘されていました。

現在、Bitcoinの時価総額が、「地球上に存在する”全ての銀”の10倍」である点を理由に、今後Bitcoinの仮想通貨市場におけるドミナンスは20%まで下がる可能性を予想していました。

ただ、Bitcoinのドミナンスが下がる可能性に対して、仮想通貨市場全体の時価総額は、現状の10〜30倍に増加するというポジティブな指摘もありました。

それだけでなく、今から10年後にはブロックチェーン技術が現在でいうSQLのように、当たり前のように使われる技術になるであろうと予測しておりました。

Synth氏淡々と理論的に語っておりましたが、内容は非常に濃く、魅力的なプレゼンテーション内容に対し、聴衆は聞き入っておりました。

CoinPostでは、Brandon Synth氏との独占インタビューを予定しており、随時更新して参ります。

まとめ

bitFlyer加納代表の登壇から、最後のパネルディスカッション「ICO vs. VC」まで、登壇者の業界への熱意が伝わる1日目でした。

会場以外にもティーブレイクの場所が用意されており、そこではネットワーキングだけでなく、ブロックチェーンや仮想通貨に関する白熱した議論も聞かれました。

Day2の参加レポートも公開予定です。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧