日本政府、ビットコインを外国通貨と認めず
日本政府が、ビットコインを資金決済法上の外国通貨ではなく、これまで通り暗号資産(仮想通貨)に該当するとする見解を示した。
エルサルバドル共和国でビットコインを米ドルにとともに第二の法定通貨として法案を可決したことを受け、貿易や外国為替などにも関わる「外国通貨」の定義や「強制通用力」の有無が問われていた問題。
この点について日本政府は、「外国通貨は、ある外国が自国における強制通用を認めている通貨と解する」とした上で、ビットコインについてはエルサルバドル共和国の法律において、支払いを受け入れる義務が免除される場合が規定されている(ビットコインの使用は任意)として、これに該当しないとの解釈を出した。
エルサルバドルのケースでは、ビットコインを決済として受け入れる強制通用力を明文化していた。
しかし、ビットコインを介した取引するケースで技術的に困難な場合は義務から除外されるとした法律の文面や、決済手段としてビットコインを受け取る際のデジタルウォレットの仕組み上、即座に米ドルで受け取れる選択肢がある点、米ドルと併用している点などを含め、強制通用力はないと解釈した可能性がある。
なお、平成26年(2014年)3月18日の国会答弁書にて、日本政府は以下のような解釈を示していた。
「強制通用力」を担保する主体は、主権を有する国家又はこれに準ずるものである。
「外国通貨」とは、ある外国が自国における強制通用力を認めている通貨をいうことから、ビットコインについて強制通用力を認めている外国が存在しない限り、ビットコインが外国の通貨と同様の性質を持つと解することは困難である。
ビットコイン法:関連条項
8条
国は、ユーザーがビットコインで取引を行い、希望すればビットコインから米ドルに自動的かつ即時に交換できる代替手段(※)を提供しなければならない。さらに、国は、国民がビットコイン取引にアクセスできるよう、必要なトレーニングとメカニズムを提供しなければならない。
12条
明らかな事実として、ビットコインでの取引を可能にする技術にアクセスできない人々は、この法律の第7条で表明された義務から除外される。