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仮想通貨ビットコイン急落で年初来安値更新|下落要因と専門家の意見

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインが急落
ビットコイン価格は11月15日、前日比で15%以上の下落を記録し、年初来安値を更新、米ドル建でも6000ドルを大きく割った他、仮想通貨市場全体も全面安となり、1日で2兆円以上の時価総額が減少した。

ビットコイン価格が急落、年初来最安値更新

ビットコイン価格は11月15日、前日比で15%以上の下落を記録し、年初来安値を更新した。

ビットコインは、bitFlyerBTC/JPYにて71万8000円から63万円まで約8万8000円安となる下落、米ドル建でも6000ドルを大きく割った。

仮想通貨市場全体も全面安相場になったことで、アルトコインも含めた仮想通貨市場時価総額が2099億USDから一時1808億USDまで下落、200億USD(日本円で2兆2720億円)を超える下落幅となり、年初来安値を更新した。

年初より幾度も守っていた米ドル建6000ドル付近の底値を割る動きに繋がり、警戒感が高まっている。

下落原因

下落の原因と考えられる、ビットコインキャッシュのハードフォーク問題、米株式市場の動き、Cboeビットコイン先物SQをチャートで比較した。

大きくな価格変動率を示している青チャートがBCHチャート、オレンジがNYダウ平均株価、緑の縦線がCboe ビットコイン先物SQ日だ。

チャートからもわかるように、ビットコインキャッシュの価格急落が先行している状況がみられているが、同時刻帯に最近相関性が高まっている米株式市場のDJIが下落方向に傾いている。

また、先ほども記述したように、年初から守りきっていた底値を割る動きがみられたことで、短期的な急落に繋がるなど、複合的な要因がありそうだ。

最も警戒されたのはビットコインキャッシュのハードフォーク

しかし、これらの要因の中でも最も価格急落へ影響したのはビットコインキャッシュのハードフォークの状況だろう。

BCH価格は14日(昨日)時点で、海外大手取引所OKExのBCH先物取引の停止と強制清算の発表が、実施直前で行われるなど、ユーザー内で混乱を招く結果につながり、相場が大きく下落に傾いていた。

BitcoinABCとSVの対立が強まる中で、11月16日にハードフォークが控えている状況だが、従来のBCHのネットワークとして取り扱われていたBitcoinABCではなく、対立姿勢を敷くBitcoinSV派が、大きく優勢に傾き始めている状況が、ハッシュレートの状況から明らかになっていた。

これは、BitcoinABCが新たなチェーンとして続く見通しが不透明になりつつあり、BitcoinSVが逆にビットコインキャッシュネットワークに取って代わる新たなネットワークへと成長していく可能性が出てきていることを意味しているが、基本的に従来の取引所では、ビットコインキャッシュを扱うシステム上、BitcoinABCのネットワークを採用する動きで進めていたことから、BitcoinSVが優勢に変化しつつある状況の対応に急遽追われる形になった。

また、分岐したチェーンを別物だと認識させる仕組みであるリプレイプロテクションを持ち合わせていないことで、ハードフォーク後のネットワークの混乱が警戒されていた状況にあったが、予想外となるSV派が優勢にもなってしまったことで、取引所の取引やティッカーシンボルにも影響が出かねない状況へと発展しており、不安感が広がっている。

ビットコインSV派のクレイグ・ライト氏の過激発言が下落を煽る

またビットコインキャッシュのハードフォークで対立するBitcoin ABCとBitcoin SVのうち、Bitcoin SVを推奨するnChain代表のクレイグ・ライト氏がツイッターで暴落について言及、ツイート時、まだBTC・BCH価格ともに下落している最中であり、下落を大きく煽ったとの批判が殺到している。

全てのビットコインのマイナーに告ぐ。

ビットコインキャッシュの採掘に移行した場合、コストをビットコインで担う必要が出る。売却すれば米ドル建てで売り、ビットコイン市場はそれに耐えられず、急落するだろう。

考えてみれば尋常ではない量の売りとなるだろう。

良い1日を…(ビットコイン1000ドルを私は恐れない)

あと、ジハン・ウーもロジャーバーも売っている。

彼らもハッシュ代を払うためにビットコインを売却せざるを得なくなるだろう。

この「戦争」が長引けばビットコイン価格は2014年頃の水準に戻ることも覚悟すべきだ。そうなった時のことを考えて欲しい。

良い1日を。

クレイグ氏はビットコイン価格の下落要因としてビットコインマイナーが大量なビットコイン売却を遂行したことを要因として挙げ、ビルが崩壊する映像とともに、過激発言を展開した。

また、ライト氏の対立するビットコインキャッシュのアップデート関係者に関するコメントはハードフォークが近づくにつれさらに強気発言をする場面が目立ってきており、これもいわゆる「ハッシュ戦争」ので対立を強める原因になっているとも言えるだろう。

ビットコイン価格反発について

また、警戒されていたCboe ビットコイン先物SQ時間前に、上昇に転じたリバウンドしたBTC価格を見ると、状況的には大きく影響していないとみられる。

当時の動きを分析した、仮想通貨トレーダーのハル氏(@kasou365)は、ビットコイン価格が反発した時点で、bitFlyerFXにて4万円幅の急騰が先行して起こっていたことを指摘、比較動画とともに掲載した。

実際に日本の取引所は戻す勢いも高く、Bitbankではリバウンド後70万円値をつけたことが確認されている。

出典:Bitbank

過去の前例から見る現在の相場

急落したビットコイン相場の影響で、売られ過ぎの指標RSI30%を日足で割り込んだ(bitFlyer BTC/JPY)。

過去の事例から見ると、日足で30%割れを記録した状況で大きく反発しており、今回は下落の勢いが強まったことから20%付近まで下落しているが、値を戻す動きもみられるかもしれない。

RSIとは

投資家の心理状況を表す為に考案されたテクニカル指標。このRSIの数字が高いと「買われ過ぎ」、低いと「売られ過ぎ」となり、相場の強弱を教えてくれるテクニカル指標で、株式の世界では一般的には70%以上だと買われ過ぎ、30%以下になると売られ過ぎと言われている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

専門家の意見⑴|CNBC経済番組Kelly氏

CNBCの経済番組「Fast Money」でビットコイン専門家で投資ファンドを経営するBrian Kelly氏がビットコインを筆頭とした仮想通貨市場の下落に対して、下落の要因をあげつつも、楽観的な姿勢を示した。

下落要因としては、CNBCのBrian Kelly氏も来たるビットコインキャッシュのハードフォークを挙げている。

ハードフォークは通常の場合はソフトウェアのアップデートと捉えてよいが、アップデート内容で一致に至ることができなかったため、ビットコインキャッシュ開発者の間で「内戦」が起きていると言及しており、これが市場の不安材料になっているとした。

ハッシュ戦争とも呼ばれているこの内戦の懸念点として予想されるデメリットとして以下を挙げた。

  • ネットワーク速度の低下
  • アップデートの成功に関する不安

これらの要因から売り圧が増し、市場全体が売りに走っているとKelly氏は指摘した。

短期の売りイベントか

しかしビットコインが2018年に入ってからの最安値を更新したにも関わらず、Kelly氏は「短期の売りイベント」と称し、自身の経営する投資ファンドではビットコインの買い増しをしたと述べた。

ビットコインは日本時間本日未明に今年に入ってからの最安値を更新し、本稿執筆時点では64万台にある。

またビットコインの下落に続く形で仮想通貨市場全体でも下落が見られており、時価総額2位のイーサリアムも2万円台の今年9月の底値付近に到達しているものの、ケリー氏は「ハードフォークの概念を理解している投資家はイーサリアムを購入してもいいかもしれない」と下落相場の中でも落ち着いた姿勢を見せた。

専門家の意見⑵|CNBC経済番組Meltem Demirors氏「リスク回避」

また仮想通貨投資ファンドCoinSharesのCSOであるMeltem Demirors氏もFast Money番組内で今回の下落について言及した。

要因として考えられるのは機関投資家や投資ファンドがデレバレッジし、資金を減らしている可能性がある。

ハードフォークのようなイベントがある場合、市場は変な動きを取る傾向にある為、リスクを軽減しているのだろう。

しかし長期的には期待の高まるイベントもあると述べ、以下を12月12日に開始するBakktの先物取引開始を今後の好材料として挙げた。

昨年、CboeとCMEのビットコイン先物取引開始した際は、それがビットコインの価格上昇への大きな要因となったと述べ、Bakktの先物取引で新たな資金流入の可能性を示唆した。

またビットコインは危機にあるのかという問いに対し、こうコメントした。

ビットコインは市場低下の中でもドミナンス50%以上を保つ等、良い状態を維持しているが、多くのアルトコインは流動性の危機に陥っている。

市場の多くで見られるのは昨年末比較で75〜95%の価値に下がっている通貨や出来高の減少だ。

実際、市場の80%の通貨が月間取引量が約1100万円以下というデータも出ている。

さらに多くのプロジェクトは解雇や、最悪の場合、プロジェクト自体がゼロに行く可能性もあると述べ、「投機的市場のバブルが終わりに近づいている」とした。

専門家の意見(3)| eToroのシニア・アナリスト

またeToroのシニアアナリストであるMati GreenSpan氏は今回のビットコイン下落は株式市場の下落に相まって起きた可能性を指摘した。

―仮想通貨市場の下落要因は何でしょうか。

おそらくテック系株式の売り傾向に関係していると思う。

Greenspan氏は数日前までトレンドとなりつつあったビットコインのボラティリティ低下や株式市場との相関が下落の背景にあると独自の予想を明かした。

ビットコインキャッシュなど、セリクラに備える4つの判断材料をまとめましたので合わせてどうぞ。(最新版)

セリクラに備える4つの判断材料、16万ビットコインを動かすクジラも確認|仮想通貨市況
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