- シルバーゲート銀行:IPO申請
- 米国カリフォルニア州サンディエゴ市拠点のシルバーゲート銀行が、NY証券取引所への上場に向け、IPO申請を行なったことが明らかとなった。同行は、昨年から大きな成長を見せており、この勢いを加速するべく、IPO参入を試みている。
シルバーゲート銀行:IPO申請
米カリフォルニア州サンディエゴ市拠点のシルバーゲート銀行は、近年経営方針を大きく転換し、仮想通貨事業に力を入れている銀行として知られる。
今回、同行が上場に向けて、ニューヨーク証券取引所に「SI(株式コード)」として申請を行なったことが明らかになった。
規制当局に提出された文書によれば、5,000万ドル(約56億円)の資金調達を目標としている。
調達した資金は「有機的成長と企業目的」のために投資をするとしており、調達資金をどのように使用するか、その詳細は明らかにしていない。
その「有機的成長と企業目的」には、長期借入金の返済や買収などを含んでいるとしているが、同行は、その買収の計画についても公にはしていない。
シルバーゲート銀行の成長
2013年頃にシルバーゲートのCEOであるAlan Lane氏は、新興技術である仮想通貨・ブロックチェーン技術に期待感を抱いた。
その際に、仮想通貨市場の金融サービスの需要を予期し、そこに商機を見出したとして、同行は仮想通貨業界に参入している。
同行の初めての顧客はDigital Currency Group (DCG)で、DCGはビットコインやブロックチェーン関連のスタートアップへの投資や、仮想通貨メディアCoinDeskも運営している。
9月30日の時点で、同行の仮想通貨関連の顧客数は483社で、無利子預金は17億ドル(約1920億円)となっている。
去年の顧客数は114社で、無利子預金が6億ドル(687億円)であった。
また、22018年9月30日時点での純利益は1,430万ドル(約16億円)に達しており、2017年同期の純利益570万ドル(約6.4億円)を大幅に上回るなど、大幅な成長を見せていることが分かる。
この躍進についてシルバーゲート銀行は、
私たちは、市場動向に対応する能力を有しており、仮想通貨市場にいち早く参入することができた。
その結果、今日の仮想通貨市場における”優位性”を獲得することができたと自負している。
また同行は、今後、仮想通貨企業を対象とした金融サービスの市場規模が、300億(約3.3兆円)から400億ドル(約4.4兆円)にまで膨らむ可能性があると予測しており、さらなる成長を見込んでいる。
何かと問題を抱える仮想通貨・ブロックチェーン業界への参入を拒む金融機関が多い中、いち早く参入を決めたシルバーゲート銀行は、大きな躍進を見せている。