- 米商品先物取引委員会(CFTC) がブロックチェーンのスマート・コントラクトの入門書を発行
- 米CFTCは米国時間火曜日、スマートコントラクトに対する教育本位の入門書を発表した。特筆すべきは「スマートコントラクトが既存の金融規制に該当する点」だ。
CFTCのスマート・コントラクト入門書
米商品先物取引委員会(以下CFTC)は米国火曜日、ブロックチェーン上のスマートコントラクトに対する『入門書 』を公表した。
この入門書の重要性は
- CFTCの公式政策でなく、教育ツールである点
- スマートコントラクトが既存の金融規制に該当する点
の2点である。
入門書の紹介
この入門書はCFTC内部で特にフィンテックに関する分野に集中する部門として設立されたLabCFTCから発行されたもので、公式な法としてよりも教育目的の材料として発表されたものである。
入門書ではまず「スマートコントラクト」を定義づけ、その歴史、特徴、そして日常生活に影響する応用の可能性まで説明している。
グラフィックやチャートなどの画像を多用しており、自動執行のソフトウェアシステムからスマートコントラクトまで発展した様子を、まず自動販売機に例え説明し、そこからもっと複雑なクレジット・デフォルト・スワップなどを例に取り上げて分かり易く説明している。
またコストや時間削減などの利点も挙げながら、それに対するリスクや課題なども取り上げており、運用面、技術面、サイバーセキュリティ、詐欺や偽装などで克服しなければいけない部分も記述されている。
スマート(賢い)という単語を使われているが、スマートコントラクト自体が「賢い」のではなく、それが受け取る情報と指示するコードの範囲内以上は賢くなれない、とも言及した。
また法的な面からも、商品取引所法(Commodity Exchange Act, CEA)やAML法などの金融法管下の元で管理されるを明言している。そして、投資家の資産を守る為にすべてのトランザクションはCEA管轄の元で行うことを確保すると述べている。
米規制当局のスマートコントラクトに対する立場とは
CFTCの理事であるBrian Quintenzは以前にもスマートコントラクトによる予測市場の設計に対し警告をしており、Augur(REPトークン)による「予測(賭博)市場」まで確認された事により取り締まり強化への注意を呼び掛けていた。
また米証券取引委員会(SEC)は先日、スマートコントラクトによる分散型取引所EtherDeltaを未登録取引所とし、創設者であるZachary Coburn氏を起訴、4400万円相当の罰金を課した他、さらに今後ERC20トークン(スマートコントタクトによって作られる仮想通貨)を有価証券とみなすかも検討している。
仮想通貨市場や株式市場に対して極めて大きい影響力を持つ米金融規制当局CFTCとSECは最近動きが多く見られ、今後どのように仮想通貨全体市場を取り巻くか、目を離せないだろう。
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