- SEC長官はICOの有効性を認めつつも、規制遵守の重要性を強調
- 米国証券取引委員会の長官Jay Clayton氏は12月6日に行なった年末スピーチで、ICOを企業の有効な資金調達方法と認めつつも、証券販売であれば証券法に遵守しなくてはならないと強調。
SEC長官はICOの有効性を認めつつも、規制遵守の重要性も強調
米国証券取引委員会(通称SEC)の長官Jay Clayton氏は12月6日に行なった年末スピーチ で、様々経済・市場議題の中、仮想通貨ICOに関しても以下のように発言した。
個人的にはICOは起業家などが資本金を調達するための有効な手段だとは思う。
しかし、新興技術のICOとはいえ、有価証券に該当する場合、証券法を遵守しなければならないことが原則だ。
そして、Clayton長官はこのように続けた。
SECは今まで、DLTや仮想通貨、ICOについて、時間をかけて調査してきた。2019年も、SECの重要な業務の一つであることは変わらないだろう。
仮想通貨とICO市場に関しては、伝統の証券市場などのように投資家の保護が欠如しているため、不正と市場操作が行われている可能性が高い。
Clayton長官の発言の重要性を以下のようにハイライトした。
- ICOという資金調達手段のメリットを認める
- ICOが有価証券に該当すれば、証券法の管轄下に入る
- 市場操作などの不正行為を仮想通貨市場の主な問題点とする
米国:ICO、市場操作の取り締まりや法案とは
先日、SECは仮想通貨分散型取引所EtherDeltaの創設者に対し、未登録の証券取引所を運営していた疑いで起訴、罰金。その直後、同局は2つのICOプロジェクトに対して告訴、ICOトークンを未登録証券と判断し、再び罰金を課した。3件とも法的和解で終了していた。
SECの3つの連続取り締まりを受け、仮想通貨界隈の法律アナリストであるJake Chervinsky弁護士は、SECが「業界の清掃」段階を始めようとしていると分析した。当時、Chervinsky氏は、SECがFinHubというスタートアップ向けの窓口が開設されていたと解説し、「仮想通貨ICOを根絶することはないだろう」と説明をしていた。
さらに、同局の企業金融部長が、ICOトークンが証券に該当する基準を設ける「ガイダンス」を後日公開する予定だと発表したため、今後SECがどのようにICOと付き合っていくか注目すべきだ。
またSEC長官のClayton氏が以前から懸念視している仮想通貨市場における相場操縦のリスクは、ウィンクルボス版ビットコインETFの否決判断やVanEck版ETFの審査再延期の最重要な理由とされている他、つい先週では米国会議員が共同で仮想通貨の市場操作防止に関する法案を提出した。
SECだけでなく、米国の国会でも動きが見られ始めていることから、仮想通貨業界が健全に発展し、規制の枠組みの中で新たなイノベーションが生まれることを期待していきたい。
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— CoinPost -仮想通貨情報サイト- (@coin_post) 2018年10月12日