はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米国証券取引委員会、『仮想通貨』を2019年の監視活動優先事項に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECコンプライアンス検査局「2019年の監視活動優先事項は、仮想通貨」
「仮想通貨の有価証券化」に重点を置く、SECのコンプライアンス検査局が、2019年の監視活動6大優先事項に”仮想通貨を含むデジタル資産”を加えた。米国内では直近、仮想通貨にポジティブな法案も活発化しつつある。

SEC、2019年6大優先事項

米国証券取引委員会(SEC)のコンプライアンス検査局(OCIE)が、2019年の監視活動の6大優先事項に、仮想通貨を含む「デジタル資産」を加えたことが明らかになった。

「2019 EXAMINATION PRIORITIES」で発表された優先事項は、以下の6つ。SECは2018年12月、「2019年はデジタル資産、サイバーセキュリティ、およびメインストリートの投資家にとっての重要事項に重点を置く」方針をTwitter上で公言していた。

  1. 高齢者および退職者貯蓄者を含む個人投資家にとって重要な事項
  2. 重要な市場インフラに対して責任を負う、登録会社のコンプライアンスおよびリスク
  3. FINRAの業務および規制プログラム、ならびにFINRAのブローカー・ディーラーおよび地方自治体のアドバイザーに対する審査
  4. サイバーセキュリティ
  5. マネーロンダリング防止
  6. デジタル資産

「証券に該当する商品」に重点

2018年の監視活動優先事項発表の時点で「デジタル資産」がOCIEの次なるアジェンダとなる兆しは見えていたものの、この時点では、主な焦点はリスクとセキュリティに当たっていた。

しかし2019年は、「”デジタル資産”の著しい成長と、それに伴うリスク」を考慮し、重要事項の一つとして新たに追加された。OCIEは「仮想通貨の有価証券化」に重点を置いている。

「OCIEは、デジタル資産の提供、販売、取引、管理に関する監視を続け、商品が有価証券に該当する場合、規制コンプライアンスを遵守しているか検証する」 目的達成にあたり、OCIEは仮想通貨の売却、取引、管理を含む、デジタル資産市場で事業を営む企業の活動を検証し、証券に該当する商品に特別な注意を払う計画だ。

DirectorのPete Driscoll氏は、2018年12月のプレスリリースで、「リスクアセスメントを改善し、市場参加者とのオープンな対話を維持するための継続的な努力が、投資家および米資本市場の利益をもたらすという目標を推進していると信じている」と述べると同時に、OCIEの仮想通貨市場に対するスタンスを明確にした。

「OCIEはコンプライアンスの向上、詐欺の防止、リスクの監視、ポリシーの通知を行うリスク重視の戦略を通じ、投資家を保護し、市場の整合性を確保し、責任ある資本形成をサポートするという確固たる姿勢を崩さない」

仮想通貨にポジティブな法案も活発化

OCIEが監視・検証の強化に踏み切った一方、仮想通貨市場の特性を考慮した規制環境整備を提案する動きが、一部の米国連邦議員間で活発化している。

直近では、ビットコインやブロックチェーンの支持者である「共和党議員Warren Davidson氏が、ICOおよび仮想通貨に関する法案提出を計画している」とCleveland.comが報じた。

同氏は、2018年12月オハイオ州クレバーランドで開催されたブロックチェーンカンファレンス「Blockland Solutions」で法案について解説。仮想通貨に特化した「資産クラス」を作ることで、「トークンの証券分類を防止すると同時に、連邦政府がより効果的にICOを規制できる」環境作りを提案している。

Davidson氏の提案は、仮想通貨およびICOに対する規制機関のスタンスを統一する意味で、理にかなっているのではないだろうか。

SEC管轄を疑問視する意見も

また2019年1月には、民主党下院議員のDarren Soto氏が、「仮想通貨およびデジタル資産は、SECではなく、米国商品先物取引委員会(CFTC)の管轄に委ねられるべき」との見解を示した。

同氏は「証券法はそれが本当に安全でない限り、非常に極端で、市場を傷つける可能性がある」とし、「全体的に自信と明確さを市場に持ち込めるような、司法権と分類を確立することを望んでいる」と米動画メディア「Cheddar」に語った。

両議員は2018年12月、2つの法案を提出している。

CFTCに価格操作の調査を指示し、規制変更の提案およびクリプト資産が担保として適格になる時期を確定することを目的とする「2018年仮想通貨消費者保護法(The Virtual Currency Consumer Protection Act of 2018)」、そして米国が世界の産業において競争力を維持することを目指し、研究を義務付け、市場によりよく対応するための政策提言を発行する「2018年米国の仮想通貨市場と規制競争力法(The U.S. Virtual Currency Market and Regulatory Competitiveness Act of 2018)」である。

一部のコメンテーターからは、「SECによる過度の規制がデジタル資産に関する国内のイノベーション速度を低下させる」との懸念が挙がっているほか、Reutersの報道によると共和党のメンバーはほとんどのICOを「証券」と見なし、規制を強化するSECのリーダーシップに不満を抱いているという。

SECが規制強化に乗りだす中、党派を超えて対抗する動きが出ている点は、非常に興味深い動向として評価できると同時に、仮想通貨市場にとってポジティブな材料となりそうだ。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者10,000名突破。

CoinPostの関連記事

新たな現物決済のビットコインETF申請が米SECへ提出|担当者は2019年中に仮想通貨ETFが実現すると楽観視
米時間10日、仮想通貨インデックスファンドBitwiseは、現物のビットコインに準拠するETFの提供登録書をSECへ届けたと公式で発表し、最大の特徴はビットコインの現物決済と第三者カストディアンの利用である。同社の担当者は2019年がETFの実現の年と見込む。
トランプ政権新ホワイトハウス首席補佐官に仮想通貨ビットコイン擁護派議員を任命
トランプ大統領は新たな大統領首席補佐官代行として「ブロックチェーン議員連盟」を設立する等、仮想通貨に対して前向きな姿勢を示しているミック・マルバニー議員を任命した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/13 土曜日
15:00
日本のRWAトークン化の最前線、市場の特徴や展望は?|WebX2025
日本のRWAトークン化市場についてWebXでディスカッションが行われた。最前線にいるプレイヤーを招き、市場の特徴や展望、制度上の課題などについて話してもらった。
10:35
ビットコイン上昇鈍化、株との相関崩れる:トレジャリー企業動向と利下げ観測が焦点|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは上値の重い推移を続けている。米株価指数や金(ゴールド)が最高値圏に位置している一方で、ビットコインは上昇に伸び悩んでいる。その背景は?
10:00
コインベース、SECの文書破棄を問題視 裁判所に制裁求める 
仮想通貨取引所コインベースが米証券取引委員会の公文書破棄を問題視し、連邦裁判所に制裁措置を求めた。ゲンスラー前委員長のメッセージが破棄されていたことが監査で判明した。
09:45
Blockstreamら3社、東京で非公開のイベント開催
仮想通貨ビットコインのインフラ開発企業Blockstreamらは東京で非公開のイベントを開催。テーマは「ビットコインとRWAでアジアの金融変革を推進する」である。
08:40
イーサリアム、機関投資家需要拡大でオンチェーン活動が過去最高水準到達
Cryptoquantの最新レポートによると、イーサリアムは機関投資家の需要拡大により強固な上昇サイクルを示している。
07:10
ポリマーケット、90億ドル評価で資金調達検討 チェーンリンク提携も
予測市場プラットフォームのポリマーケットが90億ドル評価での資金調達を検討している。競合のカルシも50億ドル評価での調達を進めており、両社の成長が加速している。
06:30
WLFI、トークンバーン提案で99%の賛成票を獲得
ワールド・リバティ・フィナンシャルがWLFIトークンの買い戻し・バーン提案を発表した。現在99.57%の賛成票を獲得し、流通量減少によるパフォーマンス改善が期待される。
06:10
ジェミニがナスダック上場実現、ウィンクルボス兄弟はビットコイン100万ドル到達を予想
ウィンクルボス兄弟の仮想通貨取引所ジェミニがIPO上場を果たした。株価は28ドルから40ドル超に上昇し、ビットコイン100万ドル予想も発表した。
05:45
テザー社、米国規制対応ステーブルコインUSATを発表
テザー社が米国規制準拠のドルステーブルコインUSATを発表。ホワイトハウス仮想通貨評議会の元高官ボー・ハインズ氏がCEOに就任。
09/12 金曜日
16:00
AIと仮想通貨がもたらすサイバー空間の新たな脅威|WebX2025で語られた国家安全保障・金融リスク
大型Web3カンファレンス「WebX」では「クリプト・サイバーリスク: 国家安全保障、金融、Web3」をテーマとしたパネルセッションが開催され、金融犯罪や仮想通貨犯罪を助長すると同時に防止にも役立つという二面性を持つテクノロジーの使用に焦点が当てられた。
14:52
GateグループCEOのハン博士がCEX・DEX市場動向を解説、今後の日本展開計画も明らかに|WebX2025
Gate.ioのリン・ハンCEOがWebX 2025で登壇。世界3,600万ユーザーを抱える同社がCEXとDEXの市場分析を発表。2030年までのビットコイン価格予測や日本でのライセンス取得、2025年中の日本市場参入計画について言及した。
13:55
ギャラクシー・デジタル、800億円相当のソラナを取得 ノボグラッツCEOは「ソラナシーズン」と評価
「ソラナシーズン」とみなすギャラクシー・デジタルは過去24時間で231万SOLを取得。フォワード・インダストリーズへの16.5億ドル投資参加に関連する動きか。
13:14
米国でハイパーリキッドETF申請計画|Paypalもステーブルコイン提案へ参加
バンエック社が米国でハイパーリキッドのステーキングETFを米国で申請予定。パクソス社もペイパル連携でステーブルコイン提案を発表。
13:00
ソラナ(SOL)の将来価格予測|ETF承認期待と今後の見通し
ソラナ(SOL)は「イーサリアムキラー」として注目される暗号資産です。イーサリアムより圧倒的に速くて安いため、多くのアプリで使われています。 2025年は特に注目の年です。米国…
12:02
CryptoQuantがETH上昇サイクルを高評価 Hyperliquid(HYPE)最高値更新はETF申請など追い風に
データ分析企業CryptoQuantがイーサリアム(ETH)の上昇サイクルを高く評価した。一方、資産運用大手VanEckがHyperliquid(HYPE)の現物ステーキングETF申請を発表。これらが材料視され、HYPEは過去最高値56.1ドルを記録するなど前週比23%上昇。機関投資家のアルトコイン投資拡大が鮮明になっている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧