- 仮想通貨市場
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●株式市場リスクオンで仮想通貨セクター全面高
●イーサリアムとビットコイン価格急騰の背景は
●シンプソン否定が強気シグナルを示唆
●BTC市場のセンチメントを示す「メイヤー倍数」とは
金融市場と仮想通貨
2019年2月18日(月)の国際金融市場の値動きは、以下の通り。
日付 | NYダウ | 日経平均 | BTC価格 |
---|---|---|---|
2/12(火) | 25,053ドル(-53) | 20,864円(+531) | 39.4万円 |
2/13(水) | 25,425ドル(+372) | 21,114円(+280) | 39.6万円 |
2/14(木) | 25,543ドル(+117) | 21,139円(-4) | 39.6万円 |
2/15 (金) | 25,439ドル(-103) | 20,900円(-239) | 39.5万円 |
2/18(月) | 25,883ドル(+443) | 21,281円(+381) | 40.8万円 |
米株式市場の大幅高を受け、東京株式市場でも寄り付きから幅広い銘柄で買いが先行するなどリスクオンムードに。昨年末から数兆円規模で大きく売り越していたとされる海外勢の中でも、クレディスイスなどのヘッジファンドによる先物買いが先導している可能性も指摘される。
そんな中、悲壮感すら漂っていたBTC価格の底打ち反転を機に、仮想通貨(ブロックチェーン)関連株も久しぶりに動意付き、マネックスグループ(8698)、SBIホールディングス(8473)、GMO(9449)、フィスコ(3807)といった、国内大手仮想通貨取引所の関連銘柄が、それぞれ4〜5%高を見せるなど、久しぶりに全面高の様相を呈している。
つい先日まで、仮想通貨市場の軟調さなどを受け出来高が細り、時価総額も下落する一方であったが、地合い回復に伴いダブルボトムのようなチャートも散見されるようになり、テクニカル面でも改善の兆しが見える。
今春以降は、国内外で仮想通貨市場には多くの「好材料」が控えており、先回りして同セクターに資金流入している可能性も考えられる。トレンド転換なるかどうかに関して、まずはネックラインを明確に上抜けることが出来るかどうかがポイントになりそうだ。
ビットコインテクニカル分析
本日、先行指標化しているイーサリアム(ETH)急騰が牽引する形で、上昇中のビットコイン(BTC)だが、いくつかの要因が考えられる。イーサリアム関連の好材料や米国の仮想通貨関連・新法案など、相場を後押しした「ファンダ要因」については、以下の記事をご覧いただきたい。
BTC価格に関しては、テクニカル上では、昨年末から抵抗帯となっていた「中期の日足トレンドライン」と、意識の向きやすい39.8万円(fib0.618)を同時にブレイクした。41.3万円(fib0.5)のレジスタンスラインで跳ね返されたものの、安値を切り上げて再び上値を試しにいくなど、一つ上のレンジに移行して推移している様子が伺える。
追記
強い値動きを見せていたビットコインは、18日23時にfib0.5も上抜けし、bitFlyerでは42万円を突破した。
シンプソンを否定した意味
今回の相場での注目ポイントの一つに、「シンプソン否定」が挙げられる。
今年1月末時点では、2019年以降のBTC価格は、フラクタル構造(一部分が全体に相似する自己相似パターンの踏襲)にあり、同じようなサイクルで類似パターン(三角保ち合い上抜けor下落からの急騰→レンジ→急落のシンプソンズ)を繰り返してきた。
しかし今回、過去のパターンを踏襲するのであれば、シンプソンズ形成による大幅下落(赤矢印)の展開もあり得たが、今回これを否定 して上抜けている。この値動きは年初来のサイクル(表→裏→表→裏)脱却を意味しており、見逃せないシグナルだ。
また、bitFlyerのヒストリカルデータを確認すると、ビットコインのボラティリティ(価格変動性)について、昨年11月以降の大暴落で、12月6日にピーク(98.02%/21MA)を付けて以来、2ヶ月後の2月6日には1/3以下水準の(25.8%/21MA)まで落ち込んでいた。ボラの低下は、投機家にとって魅力半減を意味するため、出来高のさらなる低下を招くなど、負のサイクルに陥りやすい。
そんな中、今回の急騰では、2019年の年初来最高出来高付近(青枠参照)までこなしており、出来高を伴った上昇であるため、これまでよりは信頼度高めと言える。
そのほか、チャート拡大して確認すると、これまでのボックス相場で多発していた急騰・急落の乱高下によるLS両面焼きのような値動きから、トレンドラインをブレイクする大きめの陽線が連続出現したことで、売り・買いの均衡が破られている。
これまでは、中・長期的な下落トレンドであり、上に噴けば戻り売り一択の局面も少なくなかった。このまま上値が重くなり、急落する可能性もあるが、今回の値動きには変化の兆候も見られることから、今後の動向には細心の注意が必要だと言えるだろう。
BTC相場での注目指数、メイヤー倍数とは
ビットコイン価格を分析する指標として、Mayer Multiple(メイヤー倍数)が注目されている。
これは著名投資家のTrace Mayer氏が考案した仮想通貨・ビットコイン関連指標で、200日移動平均線から見られる過去の値動きから、現在が投機バブルにあるのかどうかを図るのに有益な指標だ。
現在のメイヤー倍数は0.69である。 また過去最高値は2011年6月に計測された14.18で、最低数値は同年11月に計測された0.237という数値だ。
メイヤー倍数は以下のように紹介されている。
このツールは、未来が過去同様となることを保証しておらず、ビットコインの買いや売りを推奨するものではないが、市場心理(センチメント)と価格の確率をチャートに表したものである。
過去の価格データを元に、価格倍数を分析した上で、平常の数値を試算したものだ。
金融マーケットでは一般的に、「200日移動平均線」を上抜ければ強気、下抜けていれば弱気相場とされている。しかし売られ過ぎ、買い過ぎかの判断が難しい場面もあり、歴史的に価格のボラティリティが高い仮想通貨では特に顕著である。
そのような状況で、200日移動平均線と現行価格のギャップを数値化した指標である「メイヤー倍数」は、本質的価値を上回っているか下回っているかを判断するのに一考の価値がある。
重要ラインとしては、「1.0」と「2.4」の2つがあり、1を超えるメイヤー倍数であれば200日移動平均線を上抜けているため、一般認識では良好な数値だと言える。
2.4という数値は、考案者のメイヤー氏が独自で行ったシミュレーションを行った結果に基づくものだ。
メイヤー倍数が、買い過多を示す「2.4」を超えた事例は、過去に4度しかなく、最も記憶に新しいのは2017年12月で、この時は「3.56」まで上昇している。
なお、下落トレンドが鮮明になった2018年3月以降、BTCのメイヤー倍数は基準値の「1.0」を下回る状態が続いている。2014年2月から2015年9月にかけても、メイヤー倍数はずっと1を下回っていた。
上述した通り、現在は「0.69」という低水準にあるメイヤー倍数だが、この数値が「1.0」を超えてきた場合、仮想通貨市場の長く続いている弱気相場の終焉が訪れるかもしれない。
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