はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨市場を翻弄する「クジラの正体」史上最大のBTC詐欺に関連か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

PlusTokenのビットコイン売り圧

仮想通貨市場全体の弱気相場が続く主要因であるビットコイン(BTC)価格不調。一時70%までBTCドミナンスが上昇したことも、アルトコインの連れ安を招く状況にはあるが、19年の前半が好調な相場状況であっただけに、残念と言わざるを得ない。

ビットコインは、今年の最高値14,000ドルを6月に記録して以降、断続的な下落トレンドで一時、半値水準の6,500ドルまで下落した。

中国政府がブロックチェーン技術を国策として取り入れる意向を示したことで、仮想通貨への資金流入も一時強まったが、結果として取締りの強化などの報道が続き、相場も中国の動向に踊らされる形になったといえる。

一方、仮想通貨データ分析を行うErgoは、今年の下落要因を中国ではなく、本質的な売り圧力があったと指摘する。まさにクジラ(大口投資家)の正体だ。

クジラの正体

クジラの正体は、最大の仮想通貨ポンジスキームPlusTokenの首謀者らによる売り抜きの現状だと指摘した。

PlusTokenとは、2018年半ばに開始した「高い投資収益」を謳った中国のウォレットサービス。紹介報酬として配当が入る仕組みで、捜査報告からネズミ講の詐欺であることが発覚した。当時の試算では、80万人以上の参加者から、計20万BTCの被害で、概算29億ドルの被害金額に膨らんだとされる。

本日、2019年の仮想通貨関連被害総額を発表したCipherTraceのQ3報告書でも、その被害金額は、今年の仮想通貨犯罪被害額の大半を占めていることが明かになった。報告によると、2019年の被害総額が44億ドル(4810億円相当)、そのうち65%がPlusTokenの被害によるものだという。

PlusTokenの首謀者がBTCを売却したことは一部明らかになっており、同年8月に2.3万BTCが複数の取引に移動された。この当時も、売り圧として市場が警戒し、ビットコインは前日比6%ほど急落した。

ErgoはPlusTokenのウォレットを詳しく分析。「20万BTCの被害金額は概ね正確で、今後市場への売り圧は続く可能性はある」とコメントした。

ウォレットの分析によると、PlusTokenの首謀者らは「Wasabi Mixer」というミッシングサービスなどを利用し、追跡困難にしていた。Ergoの試算では、PlusToken側は8月以来、1日あたり、1300BTCを売っており、売り圧は今後1.5〜2ヶ月ほど継続する可能性が高いという。

中国事情通の見解

中国事情通のDovey Wan氏は、8月当時にもPlusTokenの動きについて投稿した。今回Ergoの分析を賞賛し、「今後の売り圧にも要注意」とコメントしている。

Wan氏は、4月からの強気相場から現在の弱気相場まで、PlusTokenに関わっていると指摘。まず、「3〜4月PlusTokenによる人民元の取引所への入金が膨らみ、買い圧力として4月よりビットコインは上昇相場に転じた」と見ている。

また、6月25日に関係者が逮捕された直後、BTCは今年のATHを更新する好調相場のターニングポイントにもなっている。ビットコインの一連の相場の動きがPlusTokenの買いと売りによる急変動にも類似しており、売り圧力も懸念される。

CoinPostの注目記事

仮想通貨ハッキング事件でビットコイン(BTC)は買われる背景は?|仮想通貨市況
韓国大手取引所のハッキング事件を受けて急落した仮想通貨ビットコイン(BTC)は逆三尊形状から急反発、7400ドルの重要ライン上で日足を閉じることに成功した。2018年9月に発生した、Zaifハッキング事件の市況を彷彿とさせる値動きとは。
20万BTCの出口詐欺がビットコイン相場急落の要因か|騙し取られた資金の行方は?
中国のウォレットサービス「PlusToken」の出口詐欺で騙し取られた20万のBTCが本日の相場急落の要因となっているとの見方が浮上。その巨額資金の行方を分析企業などが追っている。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧