はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

麻生大臣の指摘を受け「ブロックチェーン用語を日本語にする」イベント開催、仮想通貨業界の専門家が議論

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーン用語を日本語にしてみる

6月13日(土)、仮想通貨・ブロックチェーン業界関係者と専門家を主体に「ブロックチェーン用語を日本語にしてみる」イベントがオンライン開催され、有識者による建設的な議論が交わされた。

2日に行われた財政金融委員会での音喜多議員の質疑を受け、麻生大臣が「”暗号資産”という名前は怪しげに聞こえる、ステーブルコインでなく、他のわかりやすい名称を考えたら?」などという指摘を受けたものだ。

関連:仮想通貨証拠金倍率と税制について音喜多議員が質疑 麻生大臣らは難色を示す

イベントを主催したd14b(decentralized lab)は、「ブロックチェーンの間口を広げる」ことを目的に勉強会を行なっている教育団体。 ブロックチェーン業界外の方々に興味を持って頂くため、「初学者にとってわかりやすいこと」を第一にしている。

本イベントのモデレータは、日本暗号資産市場株式会社の責任者である「ようすい(@aplpsd )」氏、ゲストはクリプトアナリストの「仮想NISHI(@Nishi8maru)」氏が務めた。

イベント冒頭、音喜多議員は「暗号資産(仮想通貨)について国会で取り上げたことがきっかけで、このようなイベントが開催されることを喜ばしく思っている。世の中のイメージ(先入観)を変えるために重要なブレスト会議。」だと言及した。

イベントでは、以下5つのテーマに関してさまざまな観点から挙がった意見をもとに議論が交わされ、審査員と会場の投票が行われた。いくつか抜粋して紹介する。

  1. 暗号資産
  2. ステーブルコイン
  3. トークン
  4. ステーキング
  5. ブロックチェーン

暗号資産(仮想通貨)について

金融庁は、今年5月に施行された「改正金融商品取引法」に伴い、仮想通貨の呼び名を「暗号資産」に改めた。日本円やドルなどの法定通貨と誤解されるおそれがあるほか、20カ国・地域(G20)会議などの国際会議での「国際的な動向等を踏まえた」としている。

しかしながら、すでに長い時間をかけて「仮想通貨」という用語が定着しており、「暗号資産」は一般認知・浸透されていないのが実情だ。

メディア枠として本イベントの審査員を務めたコイン東京は、Google検索キーワード数で「30倍近い差がある」と言及。CoinPostも日本経済新聞などのマスメディア同様、用語の普及率やSEO対策などの観点から「暗号資産(仮想通貨)」と併記した上で、「仮想通貨」を使わざるを得ないという見解で一致している。

以下、業界関係者と専門家の見解を紹介する。

日本学術振興会 特別研究員 森氏

民法学の視点から「暗号資産」と「暗号通貨」の違いについて解説したい。

ブロックチェーンは、将来的には暗号通貨以外の使い方も考えられ、暗号的な財産としての拠出もあり得る。現時点では、学会でも通貨としての性質で捉えており、資金決済法や金融法の概念に近いものとして考えられている。

しかし、将来的に「暗号資産」としての財産性が認められた場合、「暗号通貨」のままでは法律上の定義がないという状況になりかねず、他国に後塵を拝するおそれがある。

そのため、「通貨」の側面だけでなく、「財産性」を捉えて議論していただければ。

岡山大学准教授 小塚氏

言葉の定義として、「暗号資産」は、それほど間違っていないとは思う。「暗号」という表現にネガティブなイメージがあるとすると、あえて言うなら「電子資産」がいいのでは。

法律家視点では「分かりやすさよりも、法律的なところをしっかりした方がいい。通貨ではないところに持っていく視点も必要。

一方で、一般層への普及の観点からは、難解かつ厳密な法的な定義よりも「わかりやすさ、覚えやすさ」が重要(専門用語を定着させるため、ある程度妥協せざるを得ない)とする意見も根強い。市場流動性を高め、新規利用者の流入を望むためにも、まずは業界や用語を「認知」してもらうことが必要不可欠であるからだ。

bitFlyer Blockchain 金光氏

呼びやすさや怪しさを排除するという観点では、以前加納CEOが提案した「デジタルコイン」はいいのでは?

ALIS 共同創業者 水澤氏

一般の人への浸透を考えると、「デジタルコイン」や「スマート資産」という呼称も有りではないか。

ステーキングについて

イーサセキュリティ 加門氏

まずは、正しい理解について説明したい。

マイニングとステーキングは、「対」となる双子のような仕組みだ。

マイニングは、ハッシュパワーが速い者ほど新しいコインが生成されやすい。一方でステーキングは、持っている保有数に応じて報酬がもらえるため、株式の配当に近いという性質もある。

関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

techtec 田上CEO

ブロックチェーン教育サービス(PoL)を提供している身からすると、明確に「配当」とか「報酬」ではないと考えている。

では、ステーキングはなんのために存在するか?というと「ネットワークのセキュリティ性能を高めるため」に存在している。 今回挙げられた選択肢だと、消去法で「デジタル預託」になる。より正しく表現するのであれば「セキュリティ○○」となりそうだ。

配当という言葉を使ってもいいか?という観点だと、米自主規制団体「プルーフオブステークアライアンス」が今年5月に「配当」、「利回り」などの金融用語は使わないようにというガイダンスを出している。

ブロックチェーンについて

bitFlyer 共同創業者(miyabi開発者)小宮山CTO

勘違いしやすそうなところを説明したい。

それは「分散」というキーワードだ。「分散」は、Winnyなどの怪しい言葉を連想する。ブロックチェーンは確かにサーバーが分散しておりどのようにコンセンサスアルゴリズムを取るかはブロックチェーンの主要要素ではあるが、ここは本質ではない。

重要なのは、もう1個の分散で、バラバラに「秘密鍵」を持っている点が非常に画期的なところ。

デジタル的なシステムなのに、特権IDがない。誰一人として全てを把握することは不可能。 権限が分散していることが、ブロックチェーンがブロックチェーンたる所以だと考えている。

ブロックチェーンの分散は、「Winny」とは違い、権限そのものが分散している。これは、国家だろうが犯すことはできない究極の民主主義だ。次世代の礎になる技術ではないかと感じており、私がmiyabi含め開発をしている理由。

フリートークの時間でも、視聴者から寄せられた質問に対して議論が白熱。日本学術振興会の森氏が、「暗号という言葉がなぜ大事なのかというと、認証技術自体が、暗号技術の応用から発展しているから。」と言及し、bitFlyer Blockchainの小宮山氏は、「ブロックチェーンには、いわゆる暗号は使わず、電子署名とハッシュ関数しか使っていない。署名(ハンコ)的な言い方がいいのでは?」との見解を示した。

これに対し、仮想NISHI氏は、「”暗号”は怪しいと思われがちで、”署名”は用語としてあまり一般的ではないのが気がかり。(直感的なわかりやすさを重視した)特別賞では、ハンコラリーとサトシネットで迷ったほどだ。」などと言及した。

結果発表

審査員票と、会場票を入れた投票結果は以下のようになった。

音喜多議員は、イベントの最後に以下のように述べ、期待を示した。

私としては、「ブロックチェーン」のところが特に興味ある。審査員の中でただ一人、「非中央集権型堅牢情報技術」に一票投じた。

なぜなら、「中央集権」を打ち破る技術がブロックチェーンであり、私はそこに一番惹かれて、仮想通貨・ブロックチェーン関連政策に携わっているからだ。

麻生大臣に伝えて欲しいということだが、今の政治家は、権力の源泉である「中央集権」を手放したくない。

しかし、これを突き破る技術がブロックチェーンであり、既得権益の権力者がいなくても「自立分散型の社会を作っていけるんだ」というのが肝。 本質をついた考え方・捉え方ができる世の中になればいいなと考えている。

各分野の専門家が集い、それぞれの立場や観点から有意義な議論が交わされた本イベントであるが、暗号資産(仮想通貨)にも精通する長瀬弁護士(@TN98118032)は、本イベント視聴後、以下のような感想を寄せている。

拝聴していて非常に面白かったが、ステーキングについては「預託」や「配当」「報酬」といった訳語は当てるべきではないと思う。

秘密鍵を移転しないタイプのステーキングについても、「預託」という言葉を用いると暗号資産カストディ規制を、「配当」「報酬」はファンド規制を誘発するおそれを懸念。

「デジタル預託」という用語自体は預金の金利収入のように見えるという点をわかりやすく捉えているものの、ステーキングの技術的な中身を正確に理解せずに言葉だけ捉えると資産の移転を伴うように聞こえ、無用に規制を誘発する可能性があると思う。

もともと資金決済法の「仮想通貨」の定義自体、FATFガイダンスのVirtual Currencyを直訳したもので、その後、国際会議等でCrypto Assetが使われ出した「通貨」という語が含まれていると強制通用力のある法定通貨との誤認を招くから「暗号資産」に変えられたというだけ。

法律で「暗号資産」と定義されているものの、要件として暗号技術やブロックチェーン技術の利用は含まれていないので、「暗号資産」について「デジタルコイン」という言い換えはしっくりきた。

「電子マネー」も別に法律の定義はないが、今はSuicaなどの前払式支払手段を指して使用することが多い印象。

音喜多議員の質疑により麻生大臣が投じた一石が、仮想通貨・ブロックチェーン業界に大きな波紋を呼んでいる。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/10 日曜日
09:30
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETHのグラムステルダム集中作業やソラナとグーグルのAI決済発表など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
09:25
週刊仮想通貨ニュース|ビットコインの量子脅威対策や5年以内100万ドル到達の強気予測に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの量子コンピュータ対策、VanEckのマシュー・シーゲル氏によるビットコイン価格の強気予測、ホワイトハウスによるクラリティー法案の成立目標設定に関する記事が関心を集めた。
05/09 土曜日
13:15
トランプ・メディア1〜3月期決算、仮想通貨下落などで大幅損失 キャッシュフローは黒字維持
トランプ・メディアが2026年1~3月期決算を発表。仮想通貨などの含み損が響き大幅な純損失を計上。一方、金融資産は前年比3倍に拡大し営業キャッシュフローは黒字だ。
11:00
ジーキャッシュ、量子コンピュータ耐性ロードマップを公表 クロスチェーン流入も好調
プライバシー仮想通貨ジーキャッシュの開発企業CEOは、量子回復性ウォレットを1か月以内に展開し、18か月以内に完全なポスト量子化を目指すと表明した。
10:20
米上院銀行委員会、クラリティー法案を5月14日にマークアップ予定
米上院銀行・住宅・都市問題委員会が5月14日の正式会合で注目の「クラリティー法」のマークアップを実施する予定だ。利回り条項は妥協済みだが、トランプ一族の仮想通貨利益をめぐる倫理条項が新たな焦点に浮上した。
08:10
コインベース、サービス障害発生後に取引再開
仮想通貨取引所コインベースは、サービス障害が発生したと発表。その後、主要な問題は完全に解決したと説明しており、停止していた取引サービスを再開している。
07:55
アプトス、機関取引・AIエージェント向け基盤に78億円超を投入
アプトス財団とアプトス・ラボが8日、機関投資家向け取引と自律AIエージェントの2分野に特化した5000万ドル超のエコシステム投資を公表。自社プロダクト、研究、プロトコル基盤、戦略ファンドに資金を配分する。
07:10
IRENがエヌビディアと戦略的提携、最大5GW規模の次世代AIインフラ構築へ
仮想通貨マイニング大手のIRENがエヌビディアとの戦略的提携を発表。最大5GWのAIインフラ構築を目指し、エヌビディアは約21億ドルの出資権利を取得した。バーンスタインのアナリストは、GPU供給の確保とAIデータセンターへの転換を高く評価している。
06:35
テラウルフ、HPC事業がBTCマイニング売上を初逆転
ビットコインマイニング企業テラウルフが8日に2026年第1四半期決算を公表。2100万ドルのHPCリース収益が1300万ドルのデジタル資産収益を上回り、AI向けデータセンター事業への転換が業績面で初めて鮮明となった。
06:05
Arbitrum DAO、凍結済みの111億円相当イーサリアム放出を承認 
アービトラムDAOは、Kelp DAOの不正流出被害を補償するため、凍結されていた約30765ETH(111億円相当)の放出を承認した。DeFi United主導の救済策が前進する一方、北朝鮮に関連する米裁判所の差し押さえ命令が資金移動の障壁となっている。
05:45
米SEC委員長、オンチェーン金融に「規制の道筋」明示
SECポール・アトキンス委員長が5月8日のSCSP AI+ Expo講演で、オンチェーン市場に対する4つの規制方針を提示。取引所定義、ブローカー・ディーラー定義、清算機関定義、暗号資産ボールトに関するルールメイキングへの意欲を示した。
05:00
ウォーレン米議員、メタのステーブルコイン統合を追及 
ウォーレン米上院議員が5月6日付でメタのザッカーバーグCEOに書簡を送付。USDC連携など同社のステーブルコイン統合計画について「透明性の欠如は深く憂慮すべき」と批判し、5月20日までの回答を要求した。
05/08 金曜日
17:47
韓国、2027年1月から仮想通貨課税を開始へ 税務当局が方針を正式確認
韓国財政経済部が2027年1月からの仮想通貨課税を初めて公式確認。年間約27万円の利益に22%課税、対象投資家は約1,326万人の見込み。
14:30
国際通貨基金、AIによるサイバー攻撃の高度化に警鐘 「マクロ金融ショック」リスク指摘
IMFは、AIの進化がサイバー攻撃を強化しており、金融システム全体の安定性を脅かすリスクが高まっていると警告した。さらに、今日の金融システムは高度に接続された共通のデジタル基盤を持つため、サイバー攻撃が「マクロ金融ショック」に発展する可能性も指摘した。
13:45
米クラリティー法案、来週にも上院銀行委でマークアップか コインベース政策担当者が予想
米仮想通貨取引所コインベースのカラ・カルバート氏が仮想通貨市場構造法案「クラリティー法案」が来週にも上院銀行委員会でマークアップを迎える可能性があると予想。ホワイトハウスは7月4日成立を目標と立てた。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧