はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

タイ中央銀行、デジタル通貨(CBDC)の実証実験開始へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

タイが大企業との取引にCBDC使用開始

タイが中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の開発をさらに一段階進めることが分かった。

タイ中央銀行(BOT)の副総裁であるVachira Arromdeeは、実証実験として、すでにCBDCをいくつかの大企業との金融取引に使用していると明らかにした。9月には香港通貨当局との取引にデジタル通貨を使用し始めるという。

さらに、CBDCを一般市民向けにも使用拡大させる計画があることも明かした。ただ、その前には包括的な調査が完了する必要があるとしている。

CBDC調査結果

タイは香港金融管理局(HKMA)と共同でCBDCの実験を終えており、詳細な調査結果を発表している。

この実験の目的は、コルレス銀行ネットワークを迂回して、銀行間の直接支払いを可能にすることで、ブロックチェーン技術にR3社のCordaを用いて、タイバーツと香港ドルの間に送金経路を構築、外国為替の多通貨同時決済(PvP決済)を実行するためにスマートコントラクトを実装した。

実験報告でタイと香港の金融当局は、CBDCが従来の決済システムと比較して仲介業者と決済レイヤーを大幅に削減、二重送金などのリスクを防ぐ可能性があると結論付けていた。

今回、BOT副総裁は、金融取引の仲介者の必要を排除することにより、CBDCの採用が民間の商業銀行にマイナスの影響を与える可能性があることにも言及。

その一方で、金融取引コスト削減の利点があり、中国の実験では一般社会でトークン化されたデジタル通貨が使用されても、金融システムに影響を与えなかったとしている。

タイ中央銀行は一般社会への適用についてはまだ慎重な姿勢だが、民間部門からは歓迎の声も挙がっている。アユタヤ銀行傘下の無担保ローンユニット、Krungsri Consumerの責任者Thakorn Piyapanは、CBDCがモバイルバンキングを奨励し、紙幣を印刷して使用する上でのコストを削減すると述べた。

世界的にCBDC開発の気運高まる

各国のCBDCを巡る取り組みは加速中だ。Facebook主導のリブラなど民間の大型ステーブルコインプロジェクトが出現したことや、金融デジタル化の進展が背景にある。

また、国際決済銀行(BIS)もCOVD-19の状況を受けて、CBDC開発を各国に推奨する報告書を発行。新型コロナ危機により、低所得層など金融的に脆弱なグループに対してデジタル決済へのアクセスを拡大することや、より包括的で低コストな決済サービスが必要だとした。

政府機関の立場からは、政府が制御してリスク管理を行える点も、他の仮想通貨より望ましいとされてきた。

日本政府もCBDC利用検討へ

日本政府も、CBDCの利用を検討する方向に舵を切った。近く閣議決定される経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に盛り込むという。

今後の動きとしては、各国の財務当局とCBDCを巡る通貨政策についての議論を本格的に実施する案が出されており、技術標準や発行のタイミングなど協調体制を米欧と検討するとみられる。

関連:日本政府、デジタル通貨の利用検討を開始 骨太方針に明記へ=日経

また今月12日、G20(20か国・地域)も、現金に代わる決済手段としてデジタル通貨を事実上容認する方向で調整に入ることが報道された。共同通信が複数のG20関係者の証言として報じた。

日本や米国を含む各国がCBDCの計画を本格化してきたことで、方針を転換するという。

関連:G20「デジタル通貨」を事実上容認へ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/02 火曜日
18:36
AIがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見 防御活用にも期待=レポート
Anthropicの研究で、AIエージェントがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見。2025年3月以降の34件で460万ドル相当の攻撃に成功し、新たに2件のゼロデイ脆弱性も発見。攻撃収益は1.3カ月ごとに倍増しており、防御活用が急務に。
17:42
FRBが3年半にわたる量的引き締め(QT)終了、仮想通貨市場に流動性改善の可能性
米FRBが12月1日、3年半にわたる量的引き締め(QT)を終了した。約2.4兆ドル規模の資産縮小後、仮想通貨市場への流動性改善が期待される。2019年QT終了時はビットコインが短期下落後に上昇した経緯があるが、専門家は政策効果の遅延やインフレ動向など不確実性に慎重な見方も示している。
16:04
走行映像でGARコインを還元 ドラレコアプリ「セトラス」が地方創生DXモデルを始動
セトラスが市民のドラレコ映像を行政業務に活用し、専用暗号通貨「GARコイン」で報酬を還元する地方創生モデルを発表。実証実験に参加する自治体を3枠限定で募集している。
13:55
コインベースへの情報開示請求が過去最多の1.2万件、欧米で協力要請急増 実態判明
コインベースが2025年透明性レポートを公開し、60カ国以上から12,716件の情報開示請求を受領し、前年比19%増加となったと報告した。米国の件数がトップだが、米国外からの請求は53%を占め前年比2%増加した。
13:15
米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
米FDIC代行議長がステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用規則案を今月に公表する予定だと表明。トークン化預金や仮想通貨業界のデバンキング問題についても対処を説明した。
12:29
カルシ、ソラナ上で予測市場トークン化を開始 仮想通貨の流動性取り込みへ
米予測市場カルシがソラナ上で予測市場契約のトークン化を開始。オンチェーン取引により匿名性が向上し、開発者のサードパーティ構築も可能に。評価額110億ドル、約3500市場を運営する同社は仮想通貨ユーザーの流動性獲得を目指す。
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
10:40
ゴールドマンがイノベーター買収、ビットコイン連動ETFも取得で仮想通貨事業拡大
ゴールドマン・サックスがETF大手イノベーターを20億ドルで買収すると発表した。買収にはビットコイン連動ファンドQBFも含まれ、ゴールドマンの仮想通貨関連商品ラインアップが拡大。
10:14
リップル、シンガポールでライセンス範囲拡大 XRPとRLUSDによる決済事業を強化
リップルがシンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスの拡大承認を取得。XRPとRLUSDを活用した決済サービスを強化。アジア太平洋地域のオンチェーン活動は前年比70%増で、同地域での事業拡大を加速。
10:02
ビットコイン100万円幅急落、yETH流出事故で大規模清算|仮想NISHI
ビットコインは軟調な推移が続いている。1日には一時8万5,000ドルを割り込み、日本円ベースでも24時間比で100万円超の下落となった。背景には、イーサリアムが「フサカ・アップデート」を目前に控えロングポジションが積み上がる一方、Yearn FinanceでyETHの流出事故が発生し、ロングポジションの清算が連鎖したことがある。
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧